鏡面磨きの仕方を完全解説!これであなたの靴もピカピカに!

つま先がピカピカに光っている靴を見たことはありませんか?

あのつま先の輝きは、革靴用のワックス(ポリッシュとも呼ぶ)を使って磨き上げているんです。靴クリームだけでは、あの輝きを出すことは普通出来ません。(※油性クリームのブートブラック アーティストパレットは例外です)

著名な靴磨き職人、松室真一郎さんは乳化性クリームで鏡面磨きをしてしまう凄腕の職人さんですが、それを素人に真似ろというのは、酷な話ですが(笑)

さて、今回は鏡面磨きの仕方を完全に解説していきます!お付き合いください!

なぜつま先が光るの?その原理は?

ワックスはロウです。磨くことによって鏡のようなロウの皮膜ができ、光が反射することで光ります。

顕微鏡で革の表面を見ると、毛穴があり凹凸があります。この凹凸をロウによって、埋めていくことによって、表面を平らになります。結果として光を反射する鏡状の被膜ができるのです。

鏡面磨きはつま先、かかとなど、革の厚い部分だけに施すようにしましょう。

雑誌によっては「靴の全体にかけても問題は起こらない」という発言をしている人もいますが、それは何十足と靴を持っていて、1年に3回程度しかその靴を履かない人が言うセリフです。鏡面磨きを甲革などの柔らかい部分に使用すると、後からひび割れになり、鏡面磨きが割れるのと一緒に革が裂ける可能性がありますので、甲革は皺の入らない芯材のあるつま先とかかとの部分だけに施すのが原則です。

目次

下準備を済ませましょう!

鏡面磨きは靴磨きの工程の最後です。

革靴の表面についている汚れをブラッシングやリムーバーで十分に取り除き、クリームで保湿をして適度な潤いを革に与えたら、いよいよスタートです。

特に潤いがないまま鏡面磨きをしてしまうと、革が適度に毛穴が広がっていないまま、ワックスを塗ることになるので、うまく穴にロウ分が埋まらないので、光りづらくなってしまいます。

また、仮に光っても綺麗な光沢感が出ません。

鏡面磨きに使用する道具は3つ!

①ワックス

(サフィールがおススメ)

②コットンネル

(このハイシャイン専用クロスがおススメです。)

③水

これがあれば鏡面磨きは可能です!

欲を言うと、水は理科の実験で使うようなハンドラップがあると、水量を調節しやすいのでオススメです。

さあ、いよいよここから鏡面磨きのスタートです。工程ごとに分けて詳しく解説していきます!

①専用の磨き布を湿らせるのがコツ!

まず磨くための布をあらかじめ湿らせます。

この時に先ほどのハンドラップがあると簡単に適量湿らせることができるのでオススメです。

布を広げて、ハンドラップから出てくるくらいの少量の水を4~5センチ感覚で布に含ませていきます。水という表現より水滴といったほうが、その量の感覚が伝わりやすいでしょうか。

湿り具合は、水が滴らないくらいを目安にしてください。触ったときに水が手ににじんでくるほどだと、湿らしすぎかな…。水が滴るほど布に水分が含んでいると、革の表面に水分が移ってしまい、乗っかるべきワックスが全く乗らなくなってしまいます。

なぜ、布を湿らせるか?その理由としては、水分を含ませることによって、油分であるロウ分を反発させるためです。

これによって、水分を含んだ布からワックスが分離されるので、革にワックスが乗りやすくなるのです。

②磨き布を指に巻き付ける

鏡面磨きに失敗する理由の1つに、磨き布をしっかり巻き付けられていない、という理由があります。革に触れる面となる部分にたわみがあると、均等にワックスが乗らず、その凹凸によってワックスが剥がれてしまうためです。ですから布をピンと張り、磨いている間にその張りがなくならないように固定する必要があります。

それでは、鏡面磨きに失敗しない布の巻き付け方をお教えします。

1.人差し指と中指の上にネルを置きます

2.手の甲側で余ったネルの部分をねじりあげ、面となる指の腹側にたわみがないようにします。

3.指の付け根に回します

4.手の甲側で結んで固定して完了!

これで磨く準備は万端です!

③ワックスを取って塗る

まず最初にワックスはたっぷり取ります。

そして塗っていきます。

最初にたっぷり取ることによって、付け足しのしすぎによる厚塗りを防ぎます。

厚塗りをしてしまうと、ちょっとした衝撃で鏡面磨きが割れてしまったり、また、厚塗りをしていると途中で油分によって、塗布した油分が溶けてしまい、ワックスの塗膜が剥がれてくることがあります。ここからリカバリーするのは至難の業です。均等に鏡面磨きができなくなってしまいます。

最初は水を極力使いません。布に含まれている水分で十分光沢が出始めますので、光沢感が出るまでは水を足さないように心がけます。

最初は力強く、革の毛穴にロウを押し込むようなイメージで塗り込んでいきます。

力の加減のイメージは、手の甲を出して頂き、鏡面磨きをする時と同じく、人差し指と中指で円を描きながらこすってみてください。この時摩擦で熱いと感じる強さだと力のかけすぎです。

摩擦によって暖かくなる程度の力加減ので磨き上げていきます。

④水をつける

このように、磨いた跡がテラテラと光沢が出始めたら…

水をはじめて1滴、靴に足らします。

そして磨き上げていきます。水をつけることによって、ワックスの伸びが良くなり、均一に光ります。

⑤あとは磨くだけ!③と④を繰り返します

光沢感が足りなくなってきたな…と思ったら、ここでワックスを付け足します。ごっそりとつける必要はありません。軽くタッチする程度で十分ワックスは布に取れます。

ワックスを塗って、④のような光沢感が出始めたら、また水を一滴つけて磨き上げていきましょう。

そして完成!

慣れてくれば片足5分~10分くらいで磨き上げられますよ。

鏡面磨きをするとその違いは一目瞭然!磨いたのは右足。左足は鏡面磨きをしていません。

結婚式など華やかな場などで、このように光らせたらパキッと見えて好印象間違いなしです!

裏技があります!鏡面磨きの成功率をぐっと高めます!

鏡面磨きをするときに、ウイスキーを使った、モルトドレッシングという方法があります。

スコッチグレインが提唱している鏡面磨きです。ウイスキーはアルコール度数が高いため、水分が蒸発しやすいという特徴があります。それを利用して、水分の浸透のし過ぎによるムラを防ぎます。

とはいえ、ウイスキーを靴磨きに使うのも少々勿体ないものです。

そこで使うのが無水エタノール!

この無水エタノールを水と7:3くらいの割合で混ぜて使うと、モルトドレッシングと同じような効果を得られますよ!

水のつけすぎは、鏡面磨きの輝きを曇らせる原因になってしまいます。その水のつけすぎを意識することなく、防げるのは大きな利点です。

いかがでしたか?

鏡面磨きでわからないことがあれば、どしどしお問い合わせください!お答え致します。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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