様々な仕上げ用クリームの話をしてきたと思います。
私は今まで様々なシュークリームを使用してきました。百貨店に並んでいるモゥブレイのクリームから始まり、様々なクリームを使って比較し、その中でも気に入ったものを状況別に使い分けたりしていました。
今回紹介するクリームはその中でも最強のシュークリームだと私が思っているものです。これがあれば、あとは補色用にブートブラックコレクションズシュークリームと、たまに靴を変幻自在に光らせる為に使うアーティストパレットがあれば、色付きのクリームは事足りるかな…と思うくらいです。(デリケートクリームは別途絶対に必要ですが)
それが今回紹介するイングリッシュギルド ビーズリッチクリームです。
目次
イングリッシュギルド ビーズリッチクリームとは
イングリッシュギルド ビーズリッチクリームは靴磨きやシューケア用品を販売しているR&Dさんが輸入し、販売しているクリームです。都市部ですと一部の百貨店で取り扱っていますが、地方だと見つけるのは難しいかも知れません。
イングリッシュギルド ビーズリッチクリームはその名のとおり、イギリス製のクリームです。
この説明文にあるとおり、乳化性のシュークリームになっています。
クリームになります。
そもそもこのクリームはどこで使われているかというと、イギリスの靴ブランドが製造の最終工程で、仕上げに使っていたクリームになります。
なんでもイギリス靴ブランドの中でも人気のクロケット&ジョーンズの工場に行ったときに、このクリームを使って仕上げしているのをクロケット&ジョーンズの仕上げ担当者に教えてもらい、市販用にR&Dがイングリッシュギルド ビーズリッチクリームを日本に輸入することを決めたそうです。
このクリームはクロケット&ジョーンズ以外にも、チャーチ、トリッカーズ、ジョンロブ、ロークといった名だたるイギリス靴ブランドの仕上げ用クリームとして使われています。ですから、イギリス靴との親和性は非常に高いクリームです。
イングリッシュギルド ビーズリッチクリームの特徴
イングリッシュギルド ビーズリッチクリームは伝統のレシピに基づき、ビーズワックスを配合した乳化性クリームになっており、保湿と光沢を得られるクリームになっています。他のシューケアメーカーのシュークリームですと、植物性のクリームを配合していたり様々ですが、このクリームは商品名にもあるように、蜂の巣を形成する蜜蝋のみを配合し、よりナチュラルなクリームになっています。
その圧倒的光沢感
このクリームを入れると光ります。とにかく光るんです。もう今すぐ皆さんに使ってみて頂きたいレベルです!
その光沢感は群を抜いており、油性クリームの光沢を凌駕しています。
そのうえ、同時に革が保湿され、柔軟性が増します。
クレムより色が入っていく
これは使っていての感想ですが、このクリームは染料主体のクリームではないのにも関わらず、色が良く入っていきます。
色が抜けて、困った時などにはこのクリームを使うと、色味も回復しておすすめです。(あんまり色抜けが激しい場合は、ブートブラック コレクションズシュークリームのほうが色が入るのでおすすめです)正直、このクリームがあれば、クレムはいらないんじゃないかと思うほどです。クレムは色数が多いので、そこに大きな強みはありますが。
その真価は黒の靴に現れる
黒い靴には、黒いシュークリームを適当につかっておけばいいんでしょ?
このようにお考えの方もいると思います。そう思っていたのは、昔の私も同じです…
しかし!このクリームを使ったら、認識は180度変わります。
イングリッシュギルド ビーズリッチクリームの黒いクリームを入れると、黒い靴がより黒くなるんです!
色味が深まって、奥からにじみ出るような黒い色になるんです。
このクリームを手に取ってみてみると、黒の中に青味がかかっています。
そもそも最初から黒いクリームはありません。黒という色になるように、赤や青を混ぜて
黒のクリームを作ります。
暖色の赤色の配分を強くした黒よりも、寒色の青色の配分を強くした黒のほうが、より深い黒になるのです。
イングリッシュギルドクリーム早速使って比較!
こちらは前回、シュプリームクリームとブートブラック リッチモイスチャークリームの使用後を比較した写真。
この後、さらにイングリッシュギルド ビーズリッチクリームを左足(リッチモイスチャークリームを使用した方)に使います。
シュプリームクリームだけで、ケアに満足されている方って、結構多いと思うんです。結簡単にシュプリームクリームで光沢感を得られるためだと思いますが…。
この写真を見たら、シュプリームクリームだけでは絶対に出せない光沢感と色味の深まりを感じて頂けると思います。
早速クリームを入れてみて、ブラッシング…
これが完成した姿!
そしてシュプリームクリームのみを使用した右と比較します。
シュプリームクリームのみ使用した右足と比べると、イングリッシュギルドクリームをいれた左足の方が色の深みが増していると感じて頂けるはずです。この深みは他のクリームには出せません。また、光沢感もすばらしくシュプリームクリームを遥かにしのぎます。おそらくこのクリームだけで、軽く鏡面磨きをかけたような輝きを放ちます。
一にも二ににも私がこのイングリッシュギルドクリームをおススメする理由は、黒がより黒くなる!ということ。
黒靴が基本のイギリス靴ブランドの靴とは、やはり最強のマッチングだと思います。
運命の相手、生涯を共にする伴侶的な感じです!(笑)
イングリッシュギルドシュークリームを使っての感想
メリット
- 圧倒的光沢感が得られる。軽めの鏡面磨きに匹敵するレベルです。
- 色味が深まる
- 特に黒靴にこのクリームを使うと、より「黒くなる」
- 油性クリームでは得られない、保湿感が得られる
- 顔料ベースのクリームなので傷も隠せる
- 少量で十分クリームが伸びる
デメリット
- 水に弱い
- クリームがべたつくので、本当に少量にしないと革の表面にクリームが残ってしまい、ホコリがくっつく。
デメリットというよりも、気をつけたいという点でしょうか。
①油性クリームではないので、クリームを塗布した後に水を使うと、溶け出てしまいます。もちろん雨の日に打たれたら、すぐ剥がれるというわけではないのですが、しっかり豚毛のブラシで万遍なく浸透させてください。
②そして使うときは少量で!これを徹底してください。
本当に少量でないとクリームにホコリがつき、またリムーバーでクリームを落とすところから再スタートになってしまうので、時間もクリームも勿体ないです。
そして、このデメリットはデメリットに感じないほど、メリットの方が大きいクリームだと思います。
イングリッシュギルド ビーズリッチクリームの評価
5点中4.7点!!
このクリームとデリケートクリームさえあれば、他のクリームはいらないと思ってしまう…。
それくらいイングリッシュギルド ビーズリッチクリームの効果は高いものです。
このクリームを使いさえすれば、たちまち靴磨きの達人になれますよ!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
コメント
クレム1925とビーズリッチクリーム、
どちらの方を購入しようか迷ってる時にこのサイトにたどり着きました。
まだ靴磨き初心者の私なんですが、
油性のクレム1925とは違い乳化性のビーズリッチは保湿も兼ね備えてるとここの記事でも書かれてましたが、
保湿も可能ならデリケートクリームを併用しなくてもいいんじゃないですか?
ゆう様
コメントありがとうございます。
デリケートクリームは大切な靴をケアするうえで、必要不可欠なクリームだと考えています。
デリケートクリームを使う前にいきなり色付きでロウ分たっぷりのクリームを使うと、
シミになる可能性が非常に高くなります。特に革が乾燥している時は、一箇所だけにクリームの跡が残ってしまうことがあるのです。
皺の深い部分にデリケートクリームを入念にいれることはできますが、色付きのクリームですと顔料とロウ分が乗っかってしまってガビガビにもなります。
また、色付きのクリームは、染料やロウ分、顔料の割合が増えるため、
純粋なデリケートクリームのような高い保湿効果も得にくいということもあります。
デリケートクリームは使わなくてもある程度はごまかせますが、1年、2年と長いスパンで靴と向き合った時に、
後々大きな差が出てくるのは間違いないと考えています。
参考になれば幸いです。