チーニーはラスト4436を代表するように、武骨でゴツゴツとしたイングリッシュカジュアル、イングリッシュミリタリーのラストを手掛けることに長けたブランドです。
このような武骨なミリタリー風のラストを手掛けることが得意なイギリスのブランドは、他にサンダースなどがあります。
チーニーではアビエーターコレクションとして、イングリッシュミリタリーシューズを発表しています。
今回は、チーニーのアビエーターコレクションからSHELBY(シェルビー)を紹介します。
このシェルビーはラスト(木型)を日本向けに変更した、本国では展開されていないレアなアビエーターコレクションです。
早速このアビエーターコレクションの内容を見ていきましょう!
目次
チーニー アビエーターコレクションとは
日本のチーニーの輸入代理店である渡辺産業(ブリティッシュメイドの運営元)もほとんど展開していないのが、チーニーのアビエーターコレクションです。
アビエーター(Aviator)とは飛行機の操縦士のことです。
チーニー社の3代目当主であるディック・チーニーは第二次世界大戦の最中、1940年から1945年の間、英国空軍の大尉としてパイロットを務めていました。そこから、空軍で実際に使われていたアビエーターシューズを忠実に再現することを始め、チーニーのアビエーターコレクションが生まれるきっかけになりました。
ここに1つ逸話があります。
ディック・チーニーは訓練中の単独フライトで、霧の中に入り、道に迷いました。
燃料が不足してきて、彼は離着陸場へ戻ることは出来ないと理解して、適当な着陸地点を見つけなければなりませんでした。
彼は、傘を振り回している老婦人によって着陸地点を誘導され、無事着陸することができました。
その時に搭乗していたのが、第二次世界大戦でイギリス空軍戦闘機として活躍したスピットファイアでした。
そのことから本国で展開しているアビエーターコレクションには、伝説の戦闘機、スピットファイアの名前を授けた、6アイレットキャップトウダービースタイルのアイコンモデルがあります。
この6アイレットという意匠は本物のアビエーターシューズに用いられていた意匠で、そこまで細かくこだわって作り上げているところに、老舗メーカーの矜持を感じます。
本来のアビエーターコレクションに使われているラストは、ラスト142というトウが大きくボリュームしたものです。
トウスプリングも強くなっており、アメリカのカントリーブーツのような形状をしています。
これはこれでカッコいいのですが、個人輸入をしない限り、日本ではまず手に入りません。
※普通にプロパーとしてアビエーターコレクションを扱っている店を知っている人がいらしたら教えてください!
日本向けアビエーターコレクション SHELBY(シェルビー)とラスト12508
さて、それでは本題のシェルビーを見ていきましょう。
シェルビーは6アイレットキャップトウダービーのスタイル。
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チーニーの元祖アビエーターシューズ、「スピットファイア」と同じスタイルですね。
アビエーターコレクションは、忠実にアビエーターシューズを再現したものです。
本国で展開しているアビエーターコレクションそのままのラスト142を使用すると、趣味性が前面に出て、ラストも寸が短かいために癖が強くなってしまいます。
そこで今回紹介するシェルビーには、日本市場向けにラスト12508を採用し、タウンユースにも使いやすく日本人の足にも合いやすいように改良を図っています。
ラストに工夫を施していますが、デザインはやはり6アイレットのキャップトウダービーと、本来のアビエーターシューズらしさは無くしていません。
このアビエーターコレクションは日本のみの展開です!
ラスト12508はチーニーのカジュアルラインに採用されるラストで、イギリス、イタリア、フランス、ドイツ、ベルギーなど、世界的にもベストセラーのチーニーの中でも人気の高いラストです。
ノーズはやや長めで、現代人の足長に合いやすいに出来ています。ウィズも広めのため、日本人の幅広の足には好相性です。
ヒールカップは深めで、履き口を狭くすることによって、足をホールドさせています。
数あるイギリス靴ブランドの中でも、イングリッシュミリタリーを直に感じられる靴を作っているブランドは意外と少ないです。
このシェルビーは見た目も男らしく、程よい趣味性を感じられる名品!かつ現代の風景にも馴染むシルエットになっているため使い勝手は抜群。ソールもダイナイトソールなので、悪路でも安心です!
太めのコットンパンツに合わせれば、イングリッシュカジュアルの完成です!
スーツに合わせる場合は、細身ではなく、プリーツが入った太めのシルエットの物に合わせると、良い雰囲気にまとまりますよ。
キャップトウダービーは、意外と手にしていないデザインの靴ではないでしょうか?
1足持っているとファッションに広がりが出て楽しいですよ!
最後まで読んでいただきありがとうございます。