最近、外羽根のストレートチップのデザインの靴をよく見かけます。
個人的には2015年の冬に公開された、「007 スペクター」以降、色々なブランドで出すようになったのではないかと、勝手に推測しています。
なぜならば、ダニエル・クレイグ扮するジェームズ・ボンドがクロケット&ジョーンズの外羽根のストレートチップを着用していたからです。
そのモデル名はNorwich(ノリッジ)です。
目次
クロケット&ジョーンズ Norwich(ノリッジ)
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ちなみにこの英語名詞は「ノーウィッチ」、「ノリッチ」など、色々なカナ音が当てられていますが、カタカナに直すと、「ノリッジ」という発音が一番近いように思います。
Weblioの英和和英辞典の発音を聞くと、確かに「ノリッジ」と聞こえます。
良かったら聞いてみてください。
さて、こちらの靴に使われているのも、ジェームズ・ボンドが履いている他のクロケット&ジョーンズのドレスシューズと同じく、
ロングノーズで先端が細めのチゼルトゥ、そしてサイドのエッジが利いた、パリ発の主力ラスト「348」です。
イギリスの伝統的なダービーシューズというよりも、イタリア靴などのコンチネンタルなシルエットが特徴となっています。
ストレートチップですが、シャープな「348」ラストと組み合わせる事で、ドレッシーな雰囲気を保ちつつ、外羽根による快活な雰囲気に仕上がっている靴です。
内羽根のストレートチップにありがちな高い緊張感はこの靴にはありません。
使用しているソールは、やはり「ボンド仕様」ということなのでしょうか?ダイナイトソールを使用しています。
このことにより、天候にも左右される事なく着用できますし、滑りにくく、擦り減りにも強い使い、実用面に非常に優れた一足です。
スペクターにおいては冒頭の死者の日でのシーンで着用しているのがわかります。
なぜジェームズ・ボンドがこのモデルを着用しているのか考察してみる
さて、なぜこのモデルがジェームズ・ボンドに着用されるモデルに選ばれたのかを考察してみました。
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①ジェームズ・ボンドは常にファッションに「捻り」を入れている。
ひとつはジェームズ・ボンドは常に自分の美学を持った男性です。他の人とは違った「捻り」をファッションに入れ込むことを好んでいます。
それは初代ジェームズ・ボンドのショーン・コネリーのころから見受けられます。
具体的には、ネクタイはシルクの細いグレナディンタイ、もしくは細いシルクのニットタイを結び、細いネクタイに合うようにスーツは細いラペルのコンチネンタル的なカットのスーツ、そしてターンナップカフスのシャツを身に纏っています。
これは伝統的なイングリッシュスタイルではありませんでした。しかし、身に着けるものの多くはイギリス製のものなのです。
イギリス人で、イギリスのために身を捧げ、イギリス製のものを身に着けているけれども、スタイルは伝統的なスタイルとは一線を画している。そしてそれは、見る人が見ないとわからない程度に。
この「捻り」こそがジェームズ・ボンドの美学なのでしょう。常に人とはちょっと違う工夫を入れているんですね。
外羽根のストレートチップは内羽根のストレートチップに比べれば、その数はうんと少ないモデルです。
わざわざそういった選ぶのも彼なりの「捻り」なのではないでしょうか。
②ショーン・コネリー版ジェームズ・ボンドのオマージュ
ショーン・コネリーの初代ジェームズ・ボンドは登場した映画のほとんどのシーンで2アイレット、もしくは3アイレットのダービーシューズを履いていました。
そしてコンチネンタル的なスーツに合わせて、足元もロングノーズで先にかけてシェイプが強くかかったダービーシューズを履いています。
スペクターは随所に過去の007シリーズのオマージュをしていたので、この348ラストを使ったダービーシューズを着用するのは、ショーン・コネリー版ボンドのオマージュだったのかもしれません。
③外羽根の方が着脱しやすい
スパイは足音を消すために、靴を脱がなければいけない時があります。
007シリーズの第一作Dr.NOにおいて、ボンドが咄嗟に靴を脱いで、自分の部屋へ入るシーンがあります。内羽根の靴はパッと脱ぐことができませんが、外羽根の靴なら可能です。
と、ここまでくると考察はただの妄想と変わらないですが、背景にある何かを感じられるアイテムは、履いていて格別でしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
クロケット&ジョーンズ【Crockett&Jones】NORWICH(ブラック カーフ)007 SPECTRE MODEL ダイナイトソール ダービー 牛革 メンズ
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