エドワードグリーン BERKELEY(バークレー) パンチドキャップの頂点

今日箱根では積雪、東京都心でも雪が舞うという非常に寒い一日になりましたね。

たびたびこのサイトで触れるフランネルのスーツですが、そのフランネルに関して最近面白いネット記事を読みました。

フランネルは11月に出てきて、4月1日になると姿を消す。

まさにこの言葉のとおりだと思います。

私は昨日も寒かったのでフランネルのスーツを引っ張り出していました…。

合いものではなく、11月から3月末までの4カ月使うフランネルのスーツ。

4カ月といえば、1年の3分の1にあたるわけです。この期間にだけ使うスーツを十分使えると思うか、季節が限定されて使いにくいと思うかは人それぞれですが、その季節に合ったものを用意するというのは大切なことだと思います。

そろそろ4月。さすがにフランネルの登場回数は残り僅かになりました。

衣替えをしたら、靴も少し新しいものを考えたいところですね。

今回紹介するのは、エドワードグリーンの靴。

まだ紹介していなかった名作、BERKLEY(バークレー)についてです。

目次

エドワードグリーン Berkeley(バークレー)

エドワードグリーンの名作と言えば、Chelsea(チェルシー)Cadogan(カドガン)Malvern(マルヴァーン)の輝けライフ!的御三家の靴をはじめとして、Dover(ドーバー)やInvarness(インヴァネス)などがありますが、このBerkeley(バークレー)も忘れてはいけません。

チェルシーとの違いは、ストレートチップであるかパンチドキャップトウかの違いです。

今ではすっかりエドワードグリーンの靴の意匠として定着した羽根周りにあしらわれたスワンネックもついています。

そのため、このバークレーにも、エドワードグリーンというブランドの代名詞的ラストであるラスト202が使われており、自然な丸みを持つエッグトウとそのトウキャップのバランスが実にイギリス靴らしいフォルムです。

イギリス靴の中でも最高峰に位置するエドワードグリーンの靴は、そのステッチの細かさが際立っており、ふんだんに手作業を加えられていることがよくわかる靴になります。

コバ回りの縫いなども破綻のないステッチワークでエレガントさを際立たせます。

クラシカルで温かみのあるスタイルの中にも、モダンな雰囲気があるのは、こういった手作業と確かな技術力によって創り出されています。

ラスト202とエドワードグリーンのモデル管理についておさらい

当サイトでエドワードグリーンの靴の記事をご覧になられている方はご承知でしょうが、初見の方のためにもラスト202とエドワードグリーンのモデル管理についておさらいします。


このラスト202はエドワードグリーンを語る上で絶対に欠かせないラストです。

このラストで作られた靴は絶妙なバランスのイングリッシュエッグトウになります。


ラスト202は1940年代に誕生し、その後エドワードグリーンの会社の買収騒動によって若干の仕様変更などがあるものの、今日に至るまで、エドワードグリーンブランドを第一線で支え続けているラストです。

典型的な「インサイドストレート、アウトサイドカーブ」のラストです。

人間の足は「インサイドストレート、アウトサイドカーブ」の言葉のとおり、内側が直線的で外側が湾曲しています。

よって、このラスト202は人間の足の形に近づけたラストになっています。当然そのラストのフィッティングは既製靴ながらも、非常に高いクオリティをもっており、抜群のフィット感をもたらしてくれるのです。


エドワードグリーンの詳しい歴史は以前当サイトで紹介しておりますので、そちらを参考にして下さい。

→エドワードグリーンの歴史はこちらから

 

現在のラスト202は初期のものよりも、ややゆるやかになっています。足の親指と小指の付け根あたりを結ぶ、足の横幅で一番太くなっている箇所を「ボールジョイント」と呼んでおりますが、このボールジョイントを中心に甲回りをやや広げて、より万人にフィットするように改良しました。一般的にはこの改良を施す前のラストを「旧ラスト202」と呼んでいます。

この旧ラスト202が好きで、いまだに探し求めている愛好家も多いのです。



エドワードグリーンはラスト(木型)が合わなくて、そのモデルを断念する人がいないように、デザインでモデルを管理しているちょっと珍しいスタイルをとっています。

 バークレーもチェルシーなどと同じく「木型の乗せ替え」をしたモデルがあります。


これまたチェルシー同様、ラスト82のモデルが有名です。

ラスト82はラスト202から派生したモデルのため、木型の乗せ替えがしやすく親和性が高いのです。

パンチドキャップトウは精神的リラックスをもたらす靴

私はパンチドキャップトウのスタイルの靴が好きです。

しかし、同僚に話を聞いていたら、このパンチドキャップトウの靴というのは、微妙な立ち位置だそうです。

曰く、「ストレートチップよりはドレス度は下がる。でも結婚式には使っていい。お葬式だと穴飾りがあるから当然使いにくい(というか使うべきではない)。

足元に変化をつけるのであれば、いっそのことダブルモンクとかウイングチップを履いた方がいい」

と、このように話すのです。

なるほど、一理あります…が!

私はパンチドキャップトウの靴はドレスとスポーティーさが絶妙に混在した独特の存在感とリラックス感がある靴だと思っています。

金融関係など、服務規程が厳しい職場でも履ける靴ですが、ストレートチップにはない若干の「ゆるさ」があります。それでいてドレッシーさは全く欠かないというのは、素晴らしい要素だと思います。

たとえ内羽根のプレーントウであっても、つま先にメダリオンが入れば、一気に雰囲気はカジュアルよりになります。当然パンチドキャップトウの靴よりも飾りは目立ち、それこそパンチドキャップトウの靴の比にならないくらい立ち位置はあいまいです。

このキャップの一文字にだけ穴飾りがついているのが、なんともさりげなく清楚だと私は思っています。

写真はバークレーではありませんが、チャーチのBarcroft(バークロフト)という同じパンチドキャップトウの靴です。

今は廃盤になっていますが、かつて絶大な人気を誇ったラスト84というイングリッシュエッグトウのラストを使ったモデルです。バークレーと酷似しています。

「重大な1日だけど、ストレートチップでは真面目過ぎる」と感じる日にサッと履いていける点が気に入っています。

このサッと履ける、という精神的リラックスを得られるのが、パンチドキャップトウの靴の最大のメリットだと私は思っています。

クロケット&ジョーンズにもベルグレイブという、パンチドキャップトウのモデルがロングセラー商品として人気がありますが、やはりパンチドキャップトウの靴には、気持ちに少し余裕をもたせてくれるという点で人気なのではないでしょうか。

バークレーも好きですが、個人的にはこのベルグレイブも相当好きで、バークロフトがダメになったらベルグレイブを買おうと計画しているくらい好きです。

パンチドキャップトウの靴はパンチドキャップトウの靴にしかない魅力が十分あるということを伝えたいと思います。

そしてパンチドキャップトウの靴を選ぶ際に、最高の1足といったら、やはりこのエドワードグリーンのBERKLEY(バークレー)は絶対に欠かせないのです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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