内羽根フルブローグの名作集めました オススメ10選を大紹介!

内羽根のフルブローグはトラッドな装いに欠かせないモデルです。靴全体にメダリオンやパーフォレーションなどの穴飾りを施しているものこそが正統なフルブローグといえます。

トゥ部分に翼にような切り替えをあしらっていることから「ウィングチップ(Wing tip)」とも呼びます。英国ではこのようなスタイルを「フルブローグ」と呼称することが多いようだ。1960年代以降、VANなどをはじめとする、アメリカのアイビーリーグファッションの文化を受けた日本ではウィングチップと呼ぶことも多く感じます。

お店なんかで並んでいると、仰々しくみえたりして、避ける人もいますが、実は履くだけで男らしさを増すことができるこれ以上ない便利な靴なのです。


フルブローグシューズの歴史は古く、もともとはスコットランドの湿地帯を歩くために、通気口をあけたことが、このフルブローグシューズの起源となっています。

時代が下るにつれて、デザインが生き残り、そのままイギリス貴族がハンティングをするときに履くカントリーブーツに使われるようになっていきました。

雑誌などではカントリーに由来するカジュアルな靴と紹介されることもありますが、もとは貴族が履いていたこともあり、冠婚葬祭を除いて、ビジネスシーンでは履いて何らそん色のない立派な正統派の靴です。

そんな魅力あふれるフルブローグシューズですが、名作も多いのが事実。

そこで今回は輝けライフ!がおススメするフルブローグの靴を10モデルに絞り込んで昇華していきます!

目次

①Church′s(チャーチ) Chetwynd(チェットウィンド)

まず1番目は、当サイトを御覧になっている方はお馴染みのChurch′s(チャーチ)のChetwynd(チェットウィンド)。

1940年代に誕生したラスト73の系譜であるチャーチ渾身の傑作ラスト173を使っており、ドレススタイルにもカジュアルスタイルにも使える万能ぶりは他の追随を許しません。

履けば履くほど自分だけの靴として経年変化をしていく様子はイギリス靴の魅力そのものと言えるでしょう。

チェットウィンドの魅力はここだけでは語り尽くせないので、以前紹介している記事をご覧下さい。

→Chetwynd(チェットウィンド)について詳しくはこちらから

②Edward Green(エドワード・グリーン) Malvern(マルバーン)

2番目はEdward Green(エドワード・グリーン)からMalvern(マルバーン)を選出しました。

こちらも全内羽根フルブローグの靴を代表する名作中の名作です。

よくチェットウィンドと比較されることが多いです。

比較するとこちらの方がより洗練されたフルブローグといった感じで、ドレッシーな性質が強いモデルです。

使われるラストによってその表情を変えるのがエドワード・グリーンというブランドの特徴ですが、マルバーンを楽しむにはエドワードグリーンの看板ラストであるラスト202、もしくはその流れを汲むラスト82を使ったマルヴァーンをオススメします。

これぞイギリス靴と言いたくなるエッグトウは奇をてらうことのない王道です。

Edward Green Malvernについて詳しくはこちらから

③Cheaney(チーニー)  Arthur(アーサー)

価格と質のバランスが割といいところで収まっているのがチーニーではないかと思います。

選出したのは、チーニー125周年を記念して誕生したラスト125を使ったArthur(アーサー)です。

デザインはチェットウィンドと似ていて、イギリスのフルブローグシューズを絵に描いたような靴となっています。

ラスト125は全体的に足をしっかりとホールドするのが特徴で、ぎゅっと絞り込んでくるような履き心地です。ヒールカップも日本人の足を考慮して、相当小さく作らており、カカトがパカパカしてしまうということはまずないのではないかと思います。

履き心地も抜群に良いです。

まだ誕生したのは2011年と若いモデルですが、早くもフルブローグシューズの新定番となりそうな実力派の靴です。

→Cheaney Arthurについて詳しくはこちらから

④Alen Edmonds(アレン・エドモンズ)  McAllister(マクアリスター)

アメリカ靴もフルブローグを作るのが得意ですよね。アメリカだからウイングチップと言った方がいいでしょうか。

カントリーシューズを出自として野趣にあふれるのがイギリス靴だとすれば、アメリカのフルブローグシューズは都会的に洗練された雰囲気になっています。

両サイド、ボールジョイント近くを見ると、アレンエドモンズのフルブローグはウイングのパーフォレーションとバンプのパーフォレーションが限りなく接近しています。

そして紐を通すアイレットの数はアメリカ靴お得意の6アイレット!これによって、バンプが深く見え、ノーズがすらっと見えるんですね。

これもまたイギリス靴にはない魅力です。

⑤Church′s Burwood(バーウッド)

5番目にはまたまたチャーチの内羽根フルブローグがランクイン。

こちらはBurwood(バーウッド)。カントリーな見た目が特徴的なラスト81を使っています。

丸いトウと寸が短いゴロっとした見た目が愛くるしいのがバーウッドの魅力。

甲革には主にポリッシュドバインダーレザーが使われており、雨や雪に滅法強いという実用性の高さと高級感あふれるガラス靴ということで、人気が非常に高いモデルです。

ポリッシュドバインダーレザーの光沢感を利用して、近年ではモードを意識したバーウッドも多く、スタッズがつけられているモデルやレディースのバーウッドも出ています。

個人的にはバーウッドとラストとデザインは一緒で、スエードとクレープソールを搭載したモデル、Faiffield(フェアフィールド)もカジュアル使いにおススメしたいところです。

チャーチは廃盤になったモデルも含めると、フルブローグの靴に名作がとっても多いのが特徴。

普通を極めたフルブローグを作らせたら、おそらくチャーチに勝てるブランドはないでしょう。今でこそラグジュアリーなモデルも多く作っているチャーチですが、大元は至って真面目な靴を作るのがチャーチというブランドの最大の魅力でした。

さすが世界で一番知られているイギリス靴といったところでしょうか。

→Church’s Burwoodについて詳しくはこちらから

⑥Edward Green Inverness

エドワードグリーンからも再びランクイン。

こちらはラスト888という細身でシャープなラストを使った、Inverness(インバネス)です。

甲が低く作られており、ラスト202よりもハーフサイズ上げる人もいるくらい、スマートなラストです。

トウは完全なスクエアトウで、チゼルのように先に角度がついています。

このような特徴をもったラスト888を使ったインバネスは、野暮ったい印象はなく、ドレッシーなスーツに合わせたくなる逸品です。

チャーチのような素朴さとは違う方向のフルブローグをお探しの方はぜひお試しください。

⑦Trickers(トリッカーズ) Piccadilly(ピカデリー)

イギリス靴らしいフルブローグを作るメーカーといったら、チャーチとの東西横綱として出てくるのがトリッカーズです。

実に素朴で、ごつごつとした男らしいフルブローグはエドワードグリーンのフルブローグにはない素材です。

今回選出したPiccadilly(ピカデリー)はトリッカーズの中でもかなりドレッシー。

それもそのはず。トリッカーズが手掛ける1829コレクションというドレスシューズのコレクションです。

底はきちんと伏せ縫いされており、出し縫いの糸はみえません。見た目はがっちりしているのに妙に芸が細かいトリッカーズのギャップにやられます(笑)

トリッカーズの靴なので、カントリーブーツ同様、履けば履くほど味になるのが魅力です。

⑧Crockett&Jones(クロケット&ジョーンズ) Finsbury(フィンスバリー)

クロケット&ジョーンズはイギリス靴を代表するブランドとなりましたが、綺麗目なスタイルを得意としているためか、イギリス靴らしいフルブローグで注目されるモデルは少なかったりします。

しかし、決してそれは駄作だからというわけではありません。

このFinsbury(フィンスバリー)はラスト341を使っており、丸いラウンドトウとクロケット&ジョーンズらしいノーズの長さで現代的なイギリス靴の魅力を生み出すことに成功しています。

昨年冬に公開されたオリエント急行殺人事件で使われたモデルでもあります。

古い年代にあわせて作られている映画の中にも違和感なく履かれていました。

→Crockett&jones Finsburyについて詳しくはこちらから

⑨Enzo Bonafe(エンツォボナフェ) 3571

色々と悩みながら靴を選んでいますが、気が付くとイタリアの靴がないな、と思いました。

イタリア靴でフルブローグというと、途中でパーフォレーションがなくなったり、ブラインドブローグ調になっていたり、ホールカット仕立てにして革に穴を空けただけの変形のパーフォレーションを見かけます。

その中でもイタリアは北部に位置するボローニャにある、エンツォ・ボナフェは真面目な一足を作ることで有名。

この3571はハンドソーンウェルト製法で作られており、先に紹介した硬いイギリス靴の履き心地はなく、履き馴染みの良さを最初から感じることのできるモデルです。

真面目な見た目と柔らかい履き心地が感じられるフルブローグは実は稀有ではないかと思います。

⑩Loake(ローク) Buckingham(バッキンガム)

最後は現在日本ではあまり見かけることのないLoake(ローク)から選出。

モデルはBuckingham(バッキンガム)です。

1880年に創業した、間違いなく実力派ブランドのひとつです。

特徴はチャーチなどと同じく、古き良きイギリス靴を作っているところ。このバッキンガムに使われているキャピタルラストは、横幅も広く、甲もあるものの、捨て寸が短くなっています。まさに昔ながらのイギリス靴です。

トウにあしわれたメダリオンが縦長になっているため、ラストの割にぼてっとして見えず、現代的解釈を入れることを忘れていません。

革もアノネイあたりの良質な革を使っているのでしょう。同価格帯の日本の靴と比べると、革質の良さに分があるように感じます。

→Loake Buckinghamについて詳しくはこちらから

フルブローグを活かすスーツスタイルとは

フルブローグといえば、トラッド。

トラッドな装いにはやはりイギリスを感じさせるスーツスタイルが一番です。

やはりその中でもおススメしたいのが、チョークストライプ。

例えば、電車の中を見渡しても、シャドーストライプの靴ばかりが多いかと思いますが、そんな中だからこそしっかりとしたストライプのスーツは活きてきます。

線と線の間隔は1.7㎝~2㎝くらいがベスト。

あんまり間隔が狭すぎるとストライプの線が多くなり、大らかな雰囲気が出にくくなります。

チョークストライプのスーツは着るだけで男らしい雰囲気が出るものですから、ぜひフルブローグの靴と合わせてトラッドに引き締めていただけると素敵な男性に早変わりです。

ぜひ合わせて参考にしてみて下さい。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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