今年の注目をローク!と推しました。
ロークに限らずですが、今のところイギリス靴人気に衰えは見られません。
さすがに一時ほどの古いイギリス靴のような寸も短い過剰なラウンドスクエアトウは息をひそめ始めたように感じますが、それでもイギリス靴人気はまだまだ衰えないのです。
むかーし、日本においてイギリス靴=チャーチだったころに、多くのショップが別注をかけていたものですが、その役割を今果たすブランドこそ、チーニーなのです。
チーニーの歴史を調べていただくとお分かりいただけるのですが、チーニーは今巡り巡って、チャーチ創業家の手に経営権が渡っており、ある意味で往年のチャーチの靴づくりを継承しているブランドとなっています。
特にそう感じることができるのは、昔ながらにショップの別注などに細かく対応していることにあります。
今回紹介するチーニーの靴も「タケオキクチ」とコラボした特別仕様のCANNON(キャノン)です。
チーニー CANNON(キャノン)×タケオキクチ
今回の紹介するCANNON(キャノン)も数あるチーニーの提案するコインローファーのひとつで、以前にも紹介をしています。
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キャノンに使用しているラストは、ラスト277です。
コインローファーの中では、トウに向けてシャープなフォルムになっており、かなり小振りのヒールカップが特徴です。
このタケオキクチのキャノンは少々趣が変わって、銀付きスエードのアンライニング仕様になっています。
ご承知の方も多いかもしれませんが、銀付きスエードというものは、銀面、つまりスムースレザーにも使える表革を残したままスエードにしたものです。
安価なスエードというと、この銀面を取り除いてしまったスエードになるのですが、革の厚みが薄くなるために水の染み込みが強かったりするのです。
スエード=雨に弱いというのは、銀付きスエードじゃないものを履いている人が大半だから言われるのかもしれません。
このタケオキクチが別注したキャノンは、モカ縫いも白のステッチ、ナチュラルカラーのレザーソールで軽快感を増します。
コインローファーは学生が使うように、革靴の中でも普段履きといった位置づけで、立ち位置としてはかなりカジュアルな部類になります。
その中で、ナチュラルカラーレザーソールや白のステッチが大人の休日の感を演出するおとなしいカラー展開となっています。
また、ラスト277を使ったキャノンはかなりシャープな印象で、ずっと大人びたコインローファーです。ここが子供臭さをなくすエッセンス。
さすがタケ先生!(タケ先生がデザインしているとは思いませんが笑)
その印象が生まれる理由としては、トウに向けてシェイプをかけたエッグトウです。
これがドレッシーさを強調します。
ゆえにコインローファーといえども、あまりラフな装いには不向きなモデルかもしれません。
そしてTAKEO KIKUCHIと書かれたのゴールドカラーのロゴが別注の証拠となります。
もしかしたら、あと10年、20年したら「タケオキクチの別注モデル」として史料価値のあるモデルになるかもしれませんね。
こういう時代の流れを目撃し、次世代へと橋渡しをしていくのも靴好きの役目なのかもしれません。
ん~今年の春夏はいったいどんな靴を履こうかな?
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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