近頃、スエードの靴からスムースレザーに降っ鳥している流れがあります。
例えば、一昨年くらいからずっとプッシュアップされていたクロケット&ジョーンズのキャベンディッシュを例にとってみると、最初の頃はスエードの柔らかな雰囲気で、スーツやジャケパンに合わせた時に適度な抜け感が出ることを狙ったコーディネートを推し出していました。
ところが昨年から今年にかけてはスムースレザーのキャベンディッシュがクローズアップされるようになりました。特にブラックのスムースレザーですね。かなりミニマルな雰囲気になりました。
柔らかさを売り出すことよりも、カジュアルな中にもよりオンスタイルにも使えるような控えめなものを好む傾向にあったのだと推察しています。
オンオフ問わず使える靴は確かに幅広いスタイルに馴染ませることができるため便利ですし、手っ取り早く自分の格上げをしてくれる底力を秘めています。
だからといって、万能な靴を何でもかんでもオンオフ問わず使うことが良いのかというと、そういうわけではありません。
本当はオンスタイルはオンスタイル、カジュアルスタイルはカジュアルスタイルと区別して履きこなすことが、自分のスタイルを磨き上げる近道になるのではないかと私は思い始めています。
私自身オンオフ問わず革靴を履いていますが、近頃は無理に革靴を合わせることも少なくなり、もっぱらオフにはスエードの靴を履いています。
なぜかといえば、そういった習慣をつけることによって、TPOを見極める癖がついてきます。
そういった習慣が節度をつくり、紳士的な振る舞いがとれるようになると考えています。
さて、今回紹介する靴は、完全にカジュアル向けの靴です。
皆さんはどのようにこの靴を履きこなしますか？
CHEANEY(チーニー)のTRENT(トレント)です。
目次
CHEANEY(チーニー) TRENT(トレント)
CHEANEY(チーニー)のTRENT(トレント)はフルブローグのサイドゴアブーツです。
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ブーツの丈も一般的なサイドゴアブーツの高さでクラシックですね。
フルブローグ×スエードというところがブリティッシュカントリーを感じさせるスタイルです。
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トウの面積いっぱいに広がったメダリオンがカジュアルな印象を強めます。
この手のギュッと詰め込まれたようなメダリオンの雰囲気はトリッカーズのカントリーブーツに良く見られるスタイルです。
チャーチでいえばカントリーラストであるラスト81を使ったバーウッドやフェアフィールドといったモデルがこのタイプにあたります。
また、ウェルトはストームウェルト仕様です。これもイギリス靴のカジュアルスタイルにはよく見受けられるスタイルですね。甲革とウェルトの隙間から入り込みやすい、小石や水の侵入から靴を守る役割のあるストームウェルトですが、見た目の重厚感を増す効果があり、装飾が多くなるためやはりカジュアルな印象が強まります。
サイドゴアブーツを脱ぎ履きするときに使うこのプルをよくみると、「JOSEPH CHEANEY」の文字が刻まれています。ブランドものはこういうところも良く作り込まれていますね。
このトレントを最もカジュアルな雰囲気に仕立て上げる要因がソールです。
ソールには天然ゴムのクレープソールを用いており、柔らかでクッション性の高いソールになっています。見た目もグッとカジュアルになります。
底は見えないんじゃないの？と思われる方もいるかもしれませんが、クレープソールの厚みとボリューム感は靴の雰囲気をがらりと変えてしまうほどの効果があります。
安物のクレープソールではなく、品質も確かな分厚く丈夫なクレープソールのため、長い間履くことができます。
もちろんこちらは、イギリス靴伝統のグッドイヤーウェルト製法によって作られているため、ソールがへたってきたらオールソールでソールを張り替えることが可能です。
ラスト12508
トレントに使われているラストは、ラスト12508というものになります。
チーニーがチャーチ一族によって、買い戻され、プラダグループを抜けた2009年に制作されました。
独自ブランドとして、再び舵を取り始めたチーニーの並々ならぬ意欲を感じさせるラストです。
ラスト12508はチーニーのカジュアルラインに採用されるラストで、イギリス、イタリア、フランス、ドイツ、ベルギーなど、世界的にもベストセラーのチーニーの中でも人気の高いラストです。
丸いトウがボリューム感を与えるため、主にカジュアルなスタイルの靴に用いられることが多いラストです。
このラストを使った代表的なモデルは外羽根フルブローグのAVON(エイボン)です。
ブリティッシュカントリースタイルのお供に
このトレントを履くのであれば、徹底してカジュアルな装いに合わせるべきだと思います。
フラノのジャケット、ツイードのジャケットといったテーラードジャケットスタイルにも良いですが…
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バブアーのオイルドジャケットなんかはまさにピッタリです！
バブアーのオリーブカラーのジャケットとミディアムブラウンのスエードが秋冬の町景色に馴染むこと間違いなしです！
カジュアルを思いっきり愉しみ通すのも紳士らしいのではないでしょうか？
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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