チャーチのオークションに気を付けよう

今日は久々に旧チャーチのお話をしたいと思います。

旧チャーチそのものというより、悪質なオークション出品者に気を付けましょう、という警鐘の記事になります。

旧チャーチとは、1999年プラダ買収前までの、自社で靴の製造を行っていた時代の物を指します。

その年代ごとにインソックのロゴの都市表記が変わっていくのですが、ハッキリとしたことがわからないことがマニア心をくすぐり、50年以上も前から今日も作られ続けているConsul(コンサル)やDiplomat(ディプロマット)のオールドストックを見るのも非常に楽しいものです。

どこでそんな古い靴を見つけるのかというと、やはり一番はヤフオクでしょう。

1にも2にもこのヤフオク。ヤフオクを定期的に覗いていれば必ずマイサイズの旧チャーチを見つけることができるはずです。

何より革の質が素晴らしいものが多く、現行品と比べ、製品の質が良いものが良いと感じる点が多いのもファンの心をつかんで離さない要因でしょう。

しかし、最近物量も、それに伴って流通量も減ってきた旧チャーチの靴。

一番最後の旧チャーチ(1999年頃の製品)も、遠く20年以上前の製造品になるのですから、それも当然の話です。

中古はまだまだ見かけるのですが、デッドストックの旧チャーチは3、4年前と比べてもグッと見かける機会が減りました。

最低でも20年以上前の靴が誰にも履かれないまま、どこかのご家庭の下駄箱に眠っていることはある意味で奇跡のような気がします。旧チャーチ然り、デッドストックの靴ってもっと価値が上がっても良いように思うのですがどうなんでしょう?

さて、近頃は靴の値段が高騰しているのも手伝って、中古靴も人気があるようです。私はグッドイヤーウェルト製法の靴は、前の持ち主の足型に中底が変形していて、履いていて違和感があるので好みではありませんが、中には今では手に入らないレアなモデルもあるので、欲しくなる気持ちはわからなくもありません。

最近オークションサイトを見て回っていると、そんな懐事情と純粋なオールド製品へのあこがれを逆手にとった例がチラホラ見かけることが多くなりました。

端的に申しますと、旧チャーチじゃないのに、旧チャーチと称して出品しているケースが見受けられるようになってきているんです。

それも確信犯的にやっている出品者もいます。

具体的にどんなケースが見受けられるのかを紹介します。

目次

4都市表記を旧チャーチとしている出品者

2013年に表参道に直営店ができてから、チャーチのレギュラー品のインソックには都市名がTOKYOも追加され、いわゆる「5都市」状態になっています。

この前はどうだったのかというと、TOKYOがないMILANまでの4都市までの表記で、この4都市表記のインソックのチャーチはプラダに買収された1999年以降製造品と基本的になります。

これを言葉の”あや”で5都市よりも、「前のチャーチ」ということで、「旧チャーチ」と称して出品する輩がいるんですね。

あくまでも旧チャーチとは、プラダ買収以前の製品を指す言葉なので、だまされてはいけません。

物は言いようなのかもしれませんが、旧チャーチに造詣が詳しい人なら絶対に引っかからない売り文句です。

しかし、新たなチャーチファンを狙った売り文句なので、中にはだまされてしまう人もいるかもしれません。わからないことがあれば、ぜひ当サイトにコメントで質問をお寄せください。

できる限り早くお答えします。

旧チャーチのシルバーコレクションなどを代表されるように、中のインソックが4都市でも、プラダ買収直前のぎりぎり旧チャーチ時代のものもあったりするので、一概には言い切れません。ここら辺のところ判別慣れていないとは難しいところです。

一応インソックが4都市でも、旧チャーチに分類できるものもあります。

まず、レザーソールの場合裏の型押しがPARISまでの3都市になっているもの、廃盤になったラスト73などを使っていること、あとは旧チャーチは独特の匂いがするので、実際に嗅ぐことが出来れば、それが一番の判別方法です。

微妙なところなので、オークションサイトで見て、欲しいけど旧チャーチかどうかわからないものがあれば、お気軽に当サイトのコメント欄に質問をお寄せください。

気を付けてほしいロゴ

出典:studio.cbr

このロゴは都市名がPARISまでの3都市表記なので、旧チャーチに分類されるかと思いきや、これは昔のラストを使った復刻品のモデルなので、旧チャーチではありません。

ポイントはロゴに「Custom Grade」の文字が入っていないことです。

本当の旧チャーチは…

こんな感じでCustom Gradeの文字が入ります。

私も日頃お世話になっているstudio.cbrさんなんかは、ここのところをよくご存じなので、必ず「復刻版」と記しています。

旧チャーチが欲しい時は、このstudio.cbrさんはよく商品が入ってきていますから、チェックをするといいでしょう。

現行品が安全です

と、旧チャーチを騙る悪質オークションに気を付けようというテーマで今回はお送りしてきました。

私自身何足も旧チャーチの靴を所有しているので、説得力が薄いのですが、何だかんだ言って現行品が一番安心だと私は思います。

まず、現行品であれば、経年劣化がないという点。

見た目に綺麗でも、何年も時を経た革靴は中でとんでもないほどダメージを負っていることがあり、履いていてある日突然バリっと革が裂けたり、ソールが分解したりします。

これも履いて数回したら、こうなりました。

当然現行品であれば、こんなことに合うことはまず考えられませんし、なったとしたら販売店に問い合わせることができます。(あくまで数回履いた程度の物ですよ?1年履いたら壊れたとかは無しです)

現行品のことをなんやかんや言う人もいますが、十分素晴らしい靴だと思いますし、少なくともこんな感じで壊れるリスクもほぼゼロなわけですから、それだけでも現行品には価値があると私は思います。

さらに言えば、昔の靴は捨て寸がみんな短いので、現代の靴よりも履きにくいものが多いのです。

現代風にモダナイズされた現行のチャーチもなかなかに素晴らしい。それは覚えていて欲しいことです。

コンサルチェットウィンドディプロマットであれば、今も作られていますからね。

参考になれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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