クラークス デザートブーツの元祖を徹底解説!

バラクータG9の記事で紹介した靴を覚えていらっしゃいますか?

1つはチャーチとクロケット&ジョーンズのチャッカブーツ、そしてもう1つはクラークスのデザートブーツです。

バラクータG9のような男らしくも上品さのあるブルゾンには、こういったカジュアルながらも大人の余裕と上品さを感じさせるブーツがひとつあると、大人の休日スタイルを構築する際に助かります。

特にクラークスのデザートブーツはお値段が15,000円前後で買えるので、お手頃感もありおススメです。

この値段で、見た目の良さを感じられ、気軽に履ける靴が手に入るなんて本当にありがたいことですよ!

休日はスニーカーばかりで、なんかしっくりこないと思っていた方には、ますますおススメしたい靴です!

ところでデザートブーツと…

チャッカブーツの…

違いって何!?という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

見た目もそっくりですしね!

まずはデザートブーツとチャッカブーツの違いから説明していきます!

目次

 チャッカブーツって?

デザートブーツの前に、チャッカブーツから先にお話していきます。

チャッカブーツの起源はポロ競技から来ています。

「チャッカ」とはポロ競技における時間の区切り(1試合7分間を6チャッカー)を意味する言葉です。 英国では実際に19世紀末頃に、このアンクル丈のブーツを用いてポロ競技をしていました。

そこから今日に至るまで、愛され続けているアンクルブーツになっています。

ゆえに、チャッカブーツと名付けられています。

田舎の狩猟用から生まれたカントリーブーツとは違い、スポーツ競技から生まれたブーツのため都会的なスポーティーさを感じさせ、野暮ったさを感じさせません。

季節を問わず、オールシーズン履け、真夏でもポロシャツに合わせて履ける清楚な靴です。

その理由は、ほとんどのモデルが飾りのないプレーントウであるためです。

たまにウイングチップのデザインのチャッカブーツなどが出てきますが、実際にベストセラーになっているモデルはプレーントウです。チャッカブーツの原点にして完成されたのが、2アイレットor3アイレットのプレーントウのチャッカブーツなのです。

原型はイギリス式のスタイルで2アイレット。3アイレットはイタリアなどのコンチネンタルから取り入れられたデザインです。

デザートブーツとは?

デザートブーツ(Desert Boots)とはライニングの付かない甲革に、天然生ゴムで出来た「クレープソール」が、ステッチダウン製法で縫合されたものを特にこのように呼びます。

アッパーには銀面が付かないスエードが主に用いられ、その履き心地の柔らかさに特化した靴です。

やはり、有名なのはクラークスのデザートブーツです。“Desert”の商標権もクラークス(Clarks)社が持っているのです。

このデザートブーツも起源は、第二次大戦中、ビルマ戦線に赴いたクラークスの四代目ネーサン・クラーク(Nathan CLARK)氏が見た同僚のスエードブーツでした。

クレープソール仕様で、エジプト・カイロのバザールで作られた軍靴でした。

ネーサン・クラーク氏はこの靴の独特な作りとフォルムを記憶し、終戦後の1950年、「エジプト→サハラ砂漠」と連想し、この軍靴を「デザートブーツ」とネーミングし、デザートブーツの製造を始めました。

グッドイヤーウェルト製法が盛んなイギリスの中では、柔らかすぎるステッチダウン製法の靴は当初あまり人気が出なかったようですが、アメリカが先にこの靴の素晴らしさに着眼し大ヒット!アメリカでのヒットを契機に瞬く間に世界中で人気を博することになったのです。

その後、色々なメーカーでこの手の靴のコピーを販売しますが、やはりオリジナルはクラークス。

このデザインとシルエットは、オリジナルの良さがあり、時代の流れに左右されない確かな価値があります。

クラークスのデザートブーツを徹底解説!

ステッチダウン製法で作られるため、製造も用意で、値段もこなれているところが良いです。これだけ雰囲気が良くて、15,000円前後で買えるのは嬉しいところですね。

製造が簡単で、安価な靴のためか、今はイギリスでは製造されておらず、ベトナムなどの東南アジア生産になっています。

かつてはデザートブーツもイギリス製だったので、昔のクラークスをご存知の方はこのことを惜しみますが、値段も作りも手ごろな靴なので、あまりこだわってもしょうがない気が個人的にします。

ステッチダウン製法は屈曲性に優れており、その良さを倍加させるようにクレープソールで柔らかさが加わり、特にクラークスのデザートブーツはライニングが無いスエードを主に甲革に用いるため、とにかく履き心地の柔らかさに定評があります。

靴自体デザインも作りも決して凝っていない、素朴な靴です。

このデザートブーツは大人が休日にリラックスした雰囲気で履くための靴なのです。

革質にこだわったり、作りの精密さに凝る靴ではないので、もっと気軽にその履き心地を楽しんでほしいですね。

着こなすコツも特に語る必要もないでしょう。

ブラウンスエードのクラークスを履いていれば、それだけで結構さまになるので、深く考えずにまず履いてみるといいでしょう。

2015年に発売65周年を迎えたクラークスが誇る名品、デザートブーツ。英国伝統のクラフトマンシップが息づく、確かなものづくりを感じていただける一足です。発売以来変わらないデザインで、長い間多くの人々に愛されています。

クラークスの弱点

こんなに便利なクラークスですが、やはりステッチダウン製法によって作られる靴はこなれた価格でお求めいただける一方いくつか弱点もあります。

 ステッチダウン製法のためオールソールがしにくい

ステッチダウン製法は外周とアッパーの革を屈曲させて縫い代をつけ、中底とソールを直接縫い付けている製法です。

このステッチダウン製法は縫われているために、グッドイヤーウェルト製法やマッケイ製法のようにオールソールできると考える方もいらっしゃることかと思いますが、実はオールソールはやりにくい製法です。

まず、アッパーの革が千切れると使い物にならなくなるため、アッパーの革がしっかりと生きてなければなりません。

また、このブログに詳しいですが…

→クラークスの修理専門店ではないのだけれど… その壱

クラークスの場合は中底と中板(ミッドソール)と一体化している簡素な作りになっているので、オールソールのために分解すると、アッパーと底が完全に分離することになります。

またソールを取り付けるときに機械縫いをすると、元穴に縫い糸を落としていくのが難しいので、手縫いをする必要が出てきます。

これがまた手間!

http://www.hiirokan.com/2164.html

クラークスのオールソールをすると、純正のパーツも用意できないため、履き心地も大きく変わってしまうことがあります。

特にせっかくの柔らかさが損なわれた、との声や、ステッチダウンの縫いがきつくなったことによって、締め付けが強くなり、サイズ感も小さくなったように感じることがあるようです。

こういったデメリットがあるため、技術的に可能でも、その手間とオリジナリティが損なわれるためオールソールを受け付けない修理屋も少なくありません。

何より、オールソールをすると新しいクラークスが買えるくらいの金額になりますから、新品を買ったほうがかえって安上がりになるというケースもあります。

ただ、クレープソールの継ぎ足しは出来ますから、カカトが減ってきたら直すことなどは可能です。

 クレープソールが夏は溶け、冬は硬化する。雨の日は滑りやすい

履き心地の柔らかさを生み出すクレープソールは、スニーカーとはまた違った柔らかさがあり、クッション性も抜群です。

ステッチダウン製法と相まって、ソールの返りも良いため、非常に歩きやすい靴です。

しかし、このクレープソールにも弱点があります。

まず、天然ゴムのため、真夏の暑いアスファルトの上を歩くと、熱で溶けべたつきます。

また、冬は気温の低下により硬化し、若干硬い履き心地になります。また、ラバーソールの一種なのですが、グリップ力は乏しく、意外と雨の日は滑ります。

と、このように弱点は2つあるのですが、こなれた値段であるというのと、柔らかい履き心地であるというメリットと、これらのデメリットは表裏一体になっていますので、深く考えない方が良いです。

丁寧に履いていれば、5年は持つはずですから、15,000円前後でそこまで履けるとしたら、パフォーマンスも十分ではないでしょうか。

 履いたことがない方は、まずはスニーカーの代わりに履いてみてください

20代も半ばを過ぎて、いつまで経ってもスニーカーばかり履いていては、着こなしは全くつまらないものになってしまいます。

このクラークスのデザートブーツは気軽に、かつ一気にお洒落な着こなしを実現できる、素晴らしいブーツです。

ですから、まだこういった靴にチャレンジしたことがない、という方は、いつもはスニーカーを買うところを、このクラークスのデザートブーツを試してみてください。

その履き心地の良さとお洒落感が増すデザインに必ず満足いただけるはずです!

もちろんお洒落が好きな方にもおすすめです!

先に紹介したように、バラクータG9と合わせて、スポーティーにしてもいいですし、シンプルにTシャツ姿に合わせたり、カーディガン、セーター、ショールカラーのカーディガンでも、スーツ以外のほぼほぼどんなスタイルにも合います。

逆に、こなれた値段でいい靴がない、とお困りだった方はこのデザートブーツを買ってみてください!

想像以上に便利ですよ~。

カラーは何を選べばいいの? 鉄板はブラウンスエード、ブラックスエード、サンドスエードの3つです!

色々なカラー展開のあるクラークスですが、ブラウンスエード、ブラックスエード、サンドスエードのどれかを選べば、まず間違いありません。

特にブラウンスエードは合わせやすさにおいて最強のカラーと素材です。

いざ何色にしよう?と思ったら、迷わずブラウンスエードのクラークスを手にしましょう。

いつも真黒な服装だということでなければ、まず、着合わせに困るということはありません。

逆に黒い服装が多い場合はブラックスエードがシックでカッコいいですね。

そしてサンドスエード。これぞデザートブーツというカラーです。

デザートブーツはこのサンドスエードが基本です。

サンドスエードは一見難しいと感じるかもしれませんが、その軽快さとステッチダウン製法によるアウトステッチが見えたカジュアルな印象がよくマッチし、とても使いやすいカラーです。ちょっと汚れが目立ちやすいのが難点ですが、少し汚れても味になるのがクラークスの良いところです。

クラークスで気軽にお洒落を楽しんでくださいね!

最後に、最初に紐に付属されてついてあるだろう、クラークスの革ロゴをつけたまま歩いている方がいますが、これはただのタグみたいなものですから、必ず取って履いてくださいね!(笑)つけっぱなしだと結構恥ずかしいです(*ノωノ)

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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