Crockett&Jones (クロケット&ジョーンズ) Wembley(ウェンブリー) 内羽根プレーントウ

先日チャーチの靴で内羽根の黒靴を一堂にして、それぞれのデザインの違いを説明し、フォーマル番付しました。

→その時の記事はこちらから

内羽根のストレートチップ

内羽根のパンチドキャップトウ

内羽根のクオーターブローグ

内羽根のセミブローグ

内羽根のフルブローグ(ウイングチップ)

この5つのデザインがどの革靴ブランドでもよく見かけるベーシックなスタイルです。

特に、内羽根の黒のストレートチップはどのお店で聞いても、一番の売れ筋だと返答が来ます。

ストレートチップはビジネスシーンからフォーマルシーンまで全てをカバーする靴です。やはりその万能さゆえ、全幅の信頼を寄せられるのはストレートチップなのでしょう。

内羽根の黒のストレートチップだけが人気かというと、そういうわけでもないようで、茶色のストレートチップというのも人気だそうですよ。

少し砕けた雰囲気を出すために茶色の靴は履きたい、でも職場の雰囲気的に茶色の靴で穴飾りのある靴やストラップシューズは履くのが難しいという方がよく買っていくのだそうです。なるほど一理ありますね。

しかし、茶色のストレートチップもいいですが、ブローグシューズにもトライしてみればいいのにと思ってしまいます。

世の中もっと堂々とブローグシューズを履けるようになればいいのになぁ。

黒のブローグシューズはウインドウに並んでいるものをみると、なかなか手が出しにくいでしょうが、足元に持ってくると引き締まって見えるもの。本当ですよ?

このサイトがブローグシューズに挑戦してみたい人の後押しになれば幸いに思います。

さてさて、今回紹介するのは久しぶりにクロケット&ジョーンズの靴です。

内羽根の靴です。

上記の内羽根の靴5つのデザインではなく、最もフォーマルな靴を紹介します。

それが内羽根プレーントウのWembley(ウェンブリー)です。

目次

Crockett&Jones (クロケット&ジョーンズ) Wembley(ウェンブリー)

クロケット&ジョーンズはイギリス最大の生産規模をもったブランドです。

特筆すべきなのが、全世界の靴メーカーのなかでも最もラスト(木型)を所有しているという点です。

2000年以降、クロケット&ジョーンズは経営者のジョナサン・ジョーンズ氏のもと、自社ブランドの売り出しというのに注力していますが、もともとはOEMが得意なメーカーです。ゆえにそのラストの保有数も圧倒的ですし、デザインの多さもトップクラスです。

Wembley(ウェンブリー)はそんなデザインもラストも多彩なクロケット&ジョーンズの靴の中でもかなり珍しい内羽根のプレーントウの靴です。

ラストはカカトの小さい日本人には嬉しい、カカトをかなり絞ったラスト360を使用しており、ほっそりとしたロングノーズのエッグトウが特徴です。

純粋な内羽根のプレーントウとは、切り返しにもパーフォレーション(穴飾り)がなく、もちろんトウの部分にメダリオンがついていない、全くのプレーンな靴のことのみを指します。

イタリアやスペインの靴をはじめとして、一部のクロケット&ジョーンズの靴には、切り返しの部分をパーフォレーションにして、トウにメダリオンがあしらわれているデザインの靴もあります。

クロケット&ジョーンズでいえば、このEdgware(エッジウェア)が該当します。

このエッジウェアに使われているラストをみると、イタリアンテイストなラスト348を使っています。やはり色気のある雰囲気の靴にこのようなデザインを使うということでしょう。

内羽根のプレーントウについて

純粋な内羽根のプレーントウというものは、その格式の高さが特徴です。

もともとは貴族が式典などで履いていた紐靴ですから、それもそのはずです。

エナメルになると完全に燕尾服やタキシードのような礼装に使われる靴になります。オペラパンプスと同格ですから、かなりかしこまった雰囲気になります。

もちろん厳格中の厳格、といえるようなフォーマルシーンでなければスムースレザーの内羽根のプレーントウでも十分すぎるフォーマルシューズとして機能します。

現代ではオペラパンプスを履くシーンはほぼないですし、ことに日本においては目にすることすら珍しいものです。

そういう意味で内羽根のプレーントウもほぼ同じような位置づけかもしれません。

製造工程も複雑ではないにもかかわらず、これだけ市場で目にしないのは、やはりその格式の高さゆえでしょう。

このクロケット&ジョーンズの靴のように、グッドイヤーウェルト製法で作られているものも珍しく、通常はコバの張り出しと、ソールの薄さを際立たせて、華奢な靴に見えるようにセメント製法で作られることが大半です。

事実、チャーチのラスト173を使ったプレーントウにAlastair(アラステア)というモデルがありますが、こちらはエナメルレザーかつ、完全にセメント製法で作られたフォーマル専用シューズとなっています。

さすがにエナメルの内羽根のプレーントウですと、日用靴として使うのは難しいでしょうが、スムースレザーのモデルであれば、服装さえ靴にあわせれば、十分ビジネスシーンにも使えるでしょう。

輝けライフ!的には、この内羽根のプレーントウの靴はジャケパンスタイルに合わせることはまずありえません。靴だけ浮いてしまいます。

内羽根のプレーントウというのは、おしゃれをするための靴ではありませんから当然といえば当然。

やはり最低スーツシーンでの着用が原則であり、その範疇を超えることは靴が許さない、というような印象です。

しかもスーツでも無地、もしくは無地に近いような生地(シャドーストライプ、バーズアイ、控えめなグレンチェックやヘリンボーンなど)で主張を抑え、極めて落ち着いた雰囲気でないと、靴のパワーに圧倒されてしまいます。

私であればミッドナイトネイビーの無地のスーツにあわせるでしょうか。

バラシアやモヘア混などフォーマルな生地を選びたいところです。

ストレートチップよりももっとストイックな靴が欲しい、という方には最適です。

なお、同じウェンブリーには茶色もありますが、、、

まずは黒からスタートするべきではないでしょうか。(黒の内羽根プレーントウを既にお持ちであれば話は別ですが)

最後に余談ですが、モデル名になっているウェンブリーは、ウェンブリースタジアムがあることで有名です。サッカーファンなら馴染み深いはずですね。私としてはQueenが1986年にウェンブリースタジアムで開催したライブが印象深いです。あんなライブを体感してみたいものです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

スポンサードリンク



シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする