3スタイルのおススメ10選を今まで紹介してきました。
今回はその流れに乗り、内羽根クオーターブローグのおススメ10選を紹介したいと思います!
目次
クオーターブローグの定義
先日内羽根パンチドキャップトウの靴を紹介したときに、パンチドキャップトウの定義をしました。
それはつま先のキャップを形成する一文字にのみパーフォレーション=穴飾りがあしらわれていること。
クオーターブローグはこのパンチドキャップトウの意匠に加え、スロートラインのステッチや、レースステイ脇のステッチなどがパーフォレーションになっているものを指します。
そのため純粋なパンチドキャップトウの靴は間違ってもクオーターブローグではありません。
よくこのパンチドキャップトウとクオーターブローグの混合を見かけますが…
当サイトでは、クオーターブローグとはキャップの一文字、スロートラインを形成するステッチにパーフォレーションが入っているものと定義します。
そのため、これは内羽根パンチドキャップトウであり、クオーターブローグではなく。
これが内羽根クオーターブローグとなります。
それでは早速内羽根クオーターブローグの名作を10点選びましたので、紹介していきましょう!
内羽根クオーターブローグのおススメ名作10選!
ジョンロブ フィリップ2
言わずと知れた傑作中の傑作。それがジョンロブのフィリップ2です。
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傑作には違いありませんが、 どちらかというと皆の憧れといった感じが強いでしょうか?
パンチドキャップトウと紹介されていることが多いですが、輝けライフ!では内羽根クオーターブローグとして扱わせて頂きます。
なぜならレースステイ脇のステッチがパーフォレーションになっているためです。
私は文字通り、キャップの一文字にのみパーフォレーション(穴飾り)が入っているものを「パンチドキャップトウ」と捉えているため、このような分類になっています。
既製靴の中で最も高級な靴になるのがジョン・ロブですが、そのジョン・ロブの中でもさらに高級なラインである、プレステージラインに属するのがこのフィリップ2です。
世界の中でも最も上質な革を贅沢に使った一品です。他の高級メーカーが5足は作る分だけある革の中からさらに良い分だけを切り取って作るために値段も高価になるのです。
ラストはノーズが少し長めのラスト7000を使っています。
チーニー フェンチャーチ
2番目にランクインしたのは現在人気が高まり注目の高まっているブランドであるチーニーから、フェンチャーチです。
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ジョンロブのフィリップ2から比べるとだいぶ安価になりますが、冷静に考えればこのチーニーのフェンチャーチも十分なクオリティを兼ね備えた靴です。雑誌などの露出度も高い靴ですね。
チーニーの中では入門編として位置づけられているシティコレクションに属するモデルです。
ラスト11028という現代的な解釈を加えたノーズが長めのスマートなラストです。同ブランドのラスト125と比べると幅も広めに出来ていて、少しゆったりした感じです。
ガジアーノ&ガーリング ワーウィック
3番目にランクインしたのは、新鋭イギリス靴ブランドのガジアーノ&ガーリングからWARWICK(ワーウィック)の登場。
先ほどのチーニーとは対極にある靴と言えるでしょう。ジョン・ロブを凌ぐ素晴らしい靴です。
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ワーウィックはラストMH71を使ったセミスクエアトウが特徴です。
旧来のイギリス靴のようなドテッとしたフォルムではなく、既製靴ながらビスポークシューズを意識した流麗なフォルムが特徴です。
イギリス靴なのにロングバンプのパーフォレーションが施されているのも面白い点です。
トリッカーズ ベルグレイブ
4番目のは意外なところかもしれません。
カントリーシューズを得意としているトリッカーズからベルグレイブの紹介です。
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ベルグレイブは創業年を冠した1829コレクションに属するドレスシューズラインの靴になります。
高級皮革を使い、180年以上の歴史によって培われた技術を出し惜しみなく注いだのがこの1829コレクションです。
同コレクションのモデルは全てラスト4537を使用した、スマートなフォルムになっています。
あまりボテッとしていないのが、特徴です。ラスト自体も極端なショートノーズではなく、旧来のイギリス靴とは違いを感じさせる作りになっています。
底は伏せ縫い仕様でドレッシーの極み。
さらにはアデレード型になっているため、トリッカーズの野暮ったさが薄まっています。
しかし、カンヌキを隠すハーフムーンの意匠が古い靴を思い起こさせ、靴好きの心をくすぐります。
グレンソン マックルズフィールド
5番目はグレンソンからもクオーターブローグの名作を紹介です。
モデルネームはマックルズフィールド。
クオーターブローグとしては、レースステイ横のステッチがパーフォレーションになっているため、ジョンロブのフィリップ2と同じ作りになっています。
グレンソンのマックルズフィールドはグレンソンの中でも少しノーズを長くしたラスト103を使っています。ノーズが長く見える要因としてはトウキャップが長くとられているという点があげられます。とはいえ、極端に長くなく、しっかりトウ幅のあるセミスクエアトウがイギリス靴であるというのを主張しているように感じます。
アノネイの革を使っており、色味も非常にきれいです。
土踏まずも既製靴の中ではかなり絞り込んでいるのが特徴で、グレンソンの底力を象徴するような完成度となっています。
クロケット&ジョーンズ ウェストボーン
クオーターブローグのようなどちらかというとシティーシューズに属する靴を作るという点では、クロケット&ジョーンズほど得意なところはないかもしれません。
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6番目はそんなクロケット&ジョーンズが提案するクオーターブローグの靴はアデレード型になっているウェストボーン。
もともとジョン・ロブ・パリが既製靴を始めた時もクロケット&ジョーンズの工場に頼っていたのです。そういった作りの面でも間違いなく一流と言えるブランドです。
使われているラストはイタリア靴を意識したようなラスト348。ロングノーズ&チゼルトウはまさしくイタリアンテイストの靴です。クロケット&ジョーンズの中でも現地イギリスでも最も人気があるのがこのラスト348を使ったモデルだそうです。
アデレードのパーフォレーションを使った靴はやはり綺麗なシルエットが際立ちますね。
マグナーニ 58931
7番目はマグナーニのからもクオーターブローグの名作を紹介です。
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ラテンの雰囲気が満載の58931というモデルです。
スロートラインを形成するパーフォレーションが途中でステッチのみの意匠になるなど、デザインにも捻りの加わったモデルです。
製法はこのサイトでははじめての紹介になるかもしれません。オパンケ製法という土踏まずの部分が手縫いになっています。
オパンケ製法は土踏まず部分のソールを上に引っ張り上げて、アッパーに縫い付ける製法です。
すくい縫いされた土踏まず部分は、靴を横から見るとソール(本底)と一体になった縫い目がすぐに目視できます。そのため、実質的には独特な見た目を目的とした、意匠の意味合いが強い製法です。
メーカーとしては土踏まずの部分をサポートするという意図も含めています。
オパンケ製法の靴は、まずイギリス靴ではなく、イタリアやスペインを中心としたラテンの靴に多い傾向があります。
この使用ラストは276 BOLというロングノーズのセミスクエアトウのフォルムになっています。
ヤンコ 0314794
8番目選出したクオーターブローグもスペイン靴からヤンコの「0314794」。
こちらのクオーターブローグはヤンコ独特のチゼルトウのラスト、ラスト916を採用しています。
ヤンコのチゼルトウはいつ見てもやはり独特で、鳥のくちばしのようなチゼルですね。
このヤンコの靴を見ると、ギネスビールのオオハシ、トゥーカンを思い出します(笑)
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このくちばしとヤンコのチゼルがよく似ているように感じます。
土踏まずの絞り込みと、突き上げがアーチをサポートし歩行を快適にします。
エンツォ・ボナフェ 3513
9番目はイタリア靴の中でも人気の高い、エンツォ・ボナフェから選出です。
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こちらの内羽根クオーターブローグの「ART.3513」はアッパーには1904年創業イギリスの老舗タンナーCHARLES F. STEAD(チャールズFステッド)社のスーパーバックを採用。
スーパーバックはカーフスエードの中でも、毛足が短く、またキメが細かく目の詰まった上品な起毛が特徴で、その品質の高さから世界的有名ブランドで使用されているレザーです。
スエードながらかなりドレッシーに見えるため、スーツに合わせても足元が浮つくことがありません。
スムースレザーのクオーターブローグにはフランスのタンナー、デュプイのレザーを採用しています。
ライニングにもデュプイの最高級カーフライニングを使用し、足当たりが柔らかく、履き馴染みの良さを生み出します。
製法はグッドイヤー・ア・マーノ。つまりハンドソーンウエルテッドの靴です。
履き口周りにもパーフォレーションをあしらう場合、履き口を1周するようにパーフォレーションをつけるのが普通ですが、このボナフェのクオーターブローグはヒールのほうにかけて斜めにパーフォレーションが落ちていきます。
そしてカカトのちょうど真ん中くらいの高さで1周をします。
この意匠はエンツォボナフェのブローグシューズではよく見受けられる意匠になっていて特徴的です。
イタリア北部の靴ブランドはオーソドックスな靴の中に捻りを加えるのが得意ですね。
私も欲しい1足です!
フランチェスコ・ベニーニョ G3463
最後に選出した内羽根クオーターブローグの靴は、イタリア靴からフランチェスコ・ベニーニョのモデル「G3463」です。
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スロートラインが波打ったようなラインになったパーフォレーションが実にイタリア靴らしいデザインになっています。
こちらに使われているラストはエッジの効いたチゼル&スクエアトウとロングノーズ、小ぶりのヒールカップに、甲の部分にゆとりを持たせたラスト 「ENEA」 を使用しています。
フランチェスコ・ベニーニョはイタリア靴の中でも比較的お求めやすい価格なので(一時期からするとだいぶ値上げしていますが、それはどのブランドも一緒なので…)、イタリア靴に挑戦してみたい人にはぜひおススメしたい靴です。
クオーターブローグの使いやすさ
クオーターブローグは足元が華やかでありつつ、真面目さを保った靴です。
シティーシューズとして、ビジネスマンが日常的に履くのに活躍する靴です。
スーツだけでなく、ジャケパンスタイルにも馴染みますので、汎用性も高いのが特徴です。
同じモデルの靴でも、スムースレザーとスエードで見せる表情が全く違うのも面白いですね。内羽根パンチドキャップトウまでだと、スエードでもかなりまじめに見えますが、クオーターブローグはだいぶカジュアルになるのです。
汎用性が広く、色々な表情を見せるのが、どんな職場でも使いやすい靴であることは間違いありません。
最後まで読んでいただきありがとうございます。