Church’s/チャーチを徹底解説! 圧倒的人気! Famous English Shoesの名は伊達ではありません

輝けライフ!ではとうとうイギリス靴最後のブランドを紹介することになりました(モデルの紹介とかは引き続きやっていきますよ~)

そう、残すイギリス靴ブランドとは…Church’s(チャーチ)

私も大好きな靴ブランドです。もう、最強の既製靴(なんだそりゃ)だと個人的に思っています。

ジョン・ロブ?エドワード・グリーン?

いやいやチャーチでしょう。っていう感じ(笑)

チャーチは日本において、最もなじみ深いイギリス靴ブランドのひとつです。

その理由はイギリス靴ブランドの中で、最も早く輸入されていたためでしょう。東京オリンピックが開催された翌年の1965年には日本に入ってきたといいます。ちなみに当時のチャーチの価格は、新卒の給料の3分の2以上で売られていたというから、憧れの超高級靴という扱いだったのでしょう。

いちはやく日本に輸入されてきたインポートシューズなので、その知名度も圧倒的ですし、今なお人気は高く、初めての高級靴はチャーチからという人も多いでしょう。

この人気は日本だけではありません。

その圧倒的人気ぶりは世界的オークションサイト「ebay」を見るとよくわかります。

ブランドネームを靴カテゴリーで検索にかけると…

チャーチ:3,815件

オールデン:2,772件

アレン・エドモンズ:92件

ジョン・ロブ:552件

エドワード・グリーン:2,559件

クロケット&ジョーンズ:504件

チーニー:973件

サントーニ:1,113件

という結果(2017年12月5日現在)になります。

なんとクロケット&ジョーンズの7.5倍!!

チャーチは昔から「Famous English Shoes」を謳っていただけに、イギリス靴ブランドを代表する靴として、やはり憧れの靴なのでしょうね。「Famous」には「有名」という意味もありますが「名高い」という意味もあります。ブランドの自信の表れが良く出ています。

とにかく日本のみならず世界を代表する高級靴の象徴なのです。

そんなチャーチのまずは歴史からみていきましょう。

目次

Church’s(チャーチ)の歴史 靴の左右を生み出し、ハーフサイズを生み出したのもチャーチなのです!

ブランドの誕生の祖は1600年代後半まで遡ることができます。

ストーン・チャーチは1675年に生まれ、修行の後に靴作りの名匠なりました。このストーン・チャーチが現在に至るチャーチの始まりです。

その後、1873年に初代の技術を受け継いだ曾孫のトーマスが妻のエリーザ、息子のアルフレッド、ウィリアムと共にノーザンプトンに小さな工房を開業しました。

かつてチャーチが125周年記念コレクションを発表したときは、この3人に敬意を表してか、このトーマス、アルフレッド、ウィリアムの名を冠したモデルを発表していました。

チャーチがすごいところは、技術の革新にあります。この当時、靴は左右の区別がなく真っ直ぐなものでした。かの坂本龍馬が履いていた靴も、左右がまったくの対称のものだったそうです。これは恐ろしく履きにくい靴だったでしょう。

しかし龍馬自身は常日頃命を狙われていたため、咄嗟の時に左右関係なく履ける靴というのは、それでも重宝したようです。

さて、そんな中チャーチは世界で初めて左右のある靴を製造し、サイズ展開にもハーフサイズを取り入れました。この革新的な発明によって、Church’sは1881年にロンドンで行われた靴の展覧会で金賞を受賞します。
そしてかなり早い段階から世界進出を視野に入れ1887年には欧州諸国に進出、20世紀初頭には北米に進出しています。

ちなみに1858年創業の”JohnLobb”は隣の仏国進出したのは1902年と早いものの世界進出を果たしたのは1980年代、1890年創業の”EDWARD GREEN”は1980年代にようやく隣の仏国進出し、世界進出を果たしたのも同じタイミングです。いずれも経営不振からHERMESの手が掛かったことによる偶然の産物です。かねてから世界にその名を羽ばたかせるという意識は、Church’sが特に強かったようですね。

1907年までに、アメリカとカナダ市場に向けて最初の靴が届けられたのです。

1910年には、アメリカ西海岸やカナダ全域にイギリス靴が進出したことによって、チャーチも負けじとチャーチの靴を売り出すようになり、世界中に知られるブランドとなります。そして1921年には、同国ロンドンにショップをオープンしました。

1929年にニューヨークのマディソン街に海外初のショップをオープンさせます。

チャーチの古い靴を復刻したものに、「シャンハイ」というモデルがありますが、その原型の靴はこの1929年に誕生しました。

これがシャンハイです(シャンガイともいいます)。

そして靴好きの中でも伝説的存在になっているラスト73が1940年に誕生します。

そしてConsul(コンサル)やDiplomat(ディプロマット)などが1945年に誕生してくるのです。

後述しますが、このラストはプラダに買収される直前の1999年頃までブランドの顔として半世紀以上使われてきました。

このラスト73を継承して生まれたのが、現在チャーチのクラシックコレクションに使われているラスト173であり、今なお、チャーチの代表作が作られています。

1957年には現在Church’sの本社となっている新工場をノーサンプトンのセント・ジェームズ・ストリートに建設しました。その後も海外で発展を続け、アメリカ、カナダ、イタリア、香港などに支社を設立しました。

1965年にはエリザベス2世の訪問を受け、その輸出力に対して女王賞が授与されたことにより、世界ブランドとしてのChurch’sの地位はより強固なものになりました。大塚製靴がChurch’sの輸入を開始したのも同年。

次々と世界的に進出し、日本でもその地位が完全に確立された1984年、エリザベス女王から輸出実績が評価され、表彰を受けました。

1999年、Church’sはブランド大手のPRADAに買収されました。ビジネスチャンスを拡大したいという明確な意志によるもので、エドワードグリーンやジョンロブのような経営の悪化によるものではありません。いち早く他国に目を向けたのもChurch’sですし、利用できるものは利用するという経営戦略の巧さを感じさせます。支店も2001年にミラノ、2002年にパリ、ローマ、サン・モリッツ、さらに2003年にはニューヨーク、世界主要都市にChurch’sの新店舗が続々とオープンしていき、今では代表的な革靴メーカーとして知られるようになりました。結果として、生産性が向上し大手ブランドの多角的視野から現在のファッションに合う靴を国別に作ったり、明確に最高級ラインを設けたり、様々なコレクションを手がけましたが、その反面で「古き良きChurch’sがいい」、「Church’sは変わってしまった」と言われるのも歴史の流れからすると仕方のないことかも知れません。

昔は安かった?そのイメージ大間違いです

チャーチというと、昔からのファンが「プラダに買収される前のチャーチは作りも良かったけど、値段も良心的でよかったんだよ。だって5万円で買えたんだから」という話を聞くと思います。

そうすると「じゃあ質は下がってるのに値段は上がってるの?」という印象を強く持ってしまいますが、これは各種雑誌媒体の大いなる罪だと思います。

昔から決してチャーチは「価格も手ごろな大衆靴」ではありません。

れっきとした高級品です。

たとえばこのサイトによると

チャーチの名作、Chetwynd(チェットウィンド)の価格は55,000円だったと書いてあります。

1987年の大卒の平均初任給は148,200円だったそうなので、その給料に対する割合は37%です。

現在のChetwynd(チェットウィンド)の希望小売価格は税込み89,640円。

2016年の大卒の平均初任給は205,900円なので、その給料に対する割合は43%。

現在、その割合は少しだけ上がっているものの、やはり高級品であることは変わらないということがよくわかります。

その圧倒的人気はラスト(木型)にあり! 歴史の重みが他のメーカーとは段違い

ジョン・ロブもエドワード・グリーンもクロケット&ジョーンズも、その他のイギリス靴ブランドもだいたい1870年代から1890年代には開業している古い靴メーカーです。

しかし、どのブランドも長い歴史の詰まったラストはほとんど持っていないのが実情です。

チャーチはプラダグループの傘下になってから、ラストを変更したり、よりラグジュアリーな雰囲気の靴を発表したりと、昔ながらの朴訥とした雰囲気が大きく変わったと嘆く旧来のファンがいますが、果たしてそれは正しいのでしょうか?私は、そのように嘆く人は「チャーチを深く見れていない」と感じます。

確かにチャーチはここのところ「Elegant Designer Shoes」を標榜し、新たなデザインの靴を発表していますが、チャーチの人気を支えているのは、歴史を重んじた、古くからあるラストやそれを改良したものも大きく貢献しています。

その代表格がラスト73の血脈をひくラスト173です。

ラスト173をはじめとする、現在のチャーチの代表的なラストを見ていきましょう。

現行チャーチを代表する名ラスト

チャーチというとラスト173ばかりに目がいきがちですが、本国では日本に入ってきていないラストも含めて、非常に多くのラストを展開しているのです。

今回は独断と偏見で現行のチャーチの名ラストを5つに絞ってみました。

ラスト173

This is Church’sといえるラスト。

1940年に誕生した、伝説的ラスト73とプラダグループに入ってから誕生したラスト100を掛け合わせて誕生した、現在のチャーチの顔のラストです。

そもそも前身となったラスト73がチャーチの創業年である1873年からつけられたというもので、その「73」の数字を背負っているあたり、チャーチ自慢のラストであることは明白です。

ラスト73は良くも悪くも昔ながらのイギリス靴のラストだったので、捨て寸が短く、中で足が詰まってしまうことがありました。

そのためラスト73は足の形状が変化した現代人の足に合いにくいのが難点でありました。ラスト73のセミスクエアトウの形状はそのままに、ラスト100の程よいノーズの長さを取り入れて、現代人向けに履き心地を改善しています。

実際、私もラスト73も173も持っていますが、同じサイズを履くと、明らかにラスト73では寸が詰まってしまって(履けなくはないけど、長時間歩いていたら確実に指が疲れます)

困ってしまうのですが、ラスト173ではその捨て寸の問題を解決しています。

ロングノーズになったという意見がありますが、そんなことはありません。

むしろ世間一般的にはクラシックで寸は短く見えるラストだと思います。履き心地も良くて、クラシック、かつモダンな雰囲気まで取り入れた、チャーチ傑作のラストです。

私はラスト73よりも173のほうがはるかに履き心地よく感じます。

代表モデルは内羽根ストレートチップのConsul(コンサル)、内羽根ウイングチップのChetwynd(チェットウィンド)、内羽根セミブローグのDiplomat(ディプロマット)、外羽根ウイングチップのGrafton(グラフトン)、シングルモンクスリッポンのWestbury(ウエストバリー)、シングルモンクのBecket(ベケット)があります。

ラスト81

1970年ころに誕生したクラシックなラストです。

ラウンドトウが特徴で、カントリーな雰囲気の靴に採用されるのが多いです。

昔のラストのため、捨て寸は短め。そのため、ラスト173を基準にするならば、173よりもハーフサイズ上げて履くのがおススメです。

代表モデルはチャッカブーツのRyder(ライダー)、内羽根ウイングチップのBurwood(バーウッド)、内羽根ウイングチップスエード、クレープソール採用のFairfield(フェアフィールド)です。

ラスト103

オールデン以上にボリュームのある迫力あるラウンドトウのラスト。そのフォルムはさながら戦車のようです。

このラストを使ったモデルのほとんどが大きくコバが張り出し、ストームウェルト仕様の武骨な作りになっています。

173ラストと同じサイズ、もしくは足長が足りるようなら、ハーフサイズ下げてもいいかもしれません。

指周りにはかなりゆとりがあるラストになるので、ボールジョイント(親指と小指の付け根の幅のこと)より先の指幅があることでお悩みの方には適したラストです。

見た目に反して、履き口を狭くしているので、カカトが脱げにくくなっているという嬉しい仕様です。

かなりボリューミーなラストなので、スーツスタイルに組み込むとかなりのインパクト。少しカジュアルな印象の出るラストです。

チャーチオリジナルのポリッシュドバインダーレザーを使った外羽根プレーントウのShannon(シャノン)が代表モデルです。

ラスト136

プラダグループに入った後の、新生チャーチのイメージを代表するラストです。

見た目はスマートに細く、ロングノーズになっていますが、エッグトウの形と、コバの張り出しがチャーチブランドの靴であるという事をディテールで強く主張しています。

当初はシティコレクションというエントリーモデルに用いられていたラストですが、現在このラストを使ったモデルは、皆、ラスト173などと同様、カスタムグレードラインに引き上げられており、上質な革と副資材を使ったラストになっています。

モデル名はそのまま各世界の都市名が用いられています。

代表モデルは内羽根セミブローグのTRONT(トロント)や3アイレットダービーのOslo(オスロ)などです。

ラスト93

主にローファーに用いられるラストです。3都市ロゴの旧チャーチに用いられているので、少なくとも80年代には登場していたラストです。チャーチにはラスト126という同じくローファーに用いられるラストがあるのですが、それに比べると内ぶりで捨て寸も短い印象。

代表モデルにはコインローファーのDarwin(ダーウィン)、タッセルローファーのKeats(キーツ)、同じくタッセルローファーで全体的に丈が浅く、スエードのアンライニング仕様で出来ているFosbury(フォスバリー)などがあります。

チャーチの人気の理由は

チャーチの人気の理由はやはり、歴史を積み重ねてきた名ラスト、名作を大事に作り続けているということ、ほかならないでしょう。

その歴史の積み重ねが人気モデルの認知度を広めているのです。コンサルなどを考えると、ラストは変わりながらも、ほとんど見た目を変えずに、誕生した1940年代から80年近く同社の看板モデルであるわけです。

そこのところが、他のイギリス靴ブランドとは大きく違います。

創業はほぼ変わらないクロケット&ジョーンズなどは、OEMメーカーとして歩んできたために、ブランドの顔ともいうべき、代表モデルがほとんどありません。オードリーが最近では看板モデルになっているのでしょうが、そのオードリーが誕生したのも2002年の出来事なので、コンサルに比べ、歴史の重みが違います。

私はイギリス靴ブランドの中で、最もイギリス靴らしく歴史の重みを感じられるところがチャーチの人気だと考えています。

そして日本人に合いやすいという点。イギリス靴というと、ヒールカップが大きく浅いのと同時に、カカトがひっかかるように土踏まず側から内に振ってもいないために、カカトが脱げやすい傾向があるのですが(グッドイヤーウエルト製法なので返りがついてくるとかなり改善はされるのですが)、今まで私が履いたチャーチはどれ一つとっても、カカトが脱げてしまうという事はありませんでした。

それはヒールカップを小さくしているから、というよりもカカトを深く設定し、また土踏まずの部分からカカトに向けて内側にラインを振っているためだと思います。

こういった作りの良さと、素材の良さ、そして歴史を重んじて各モデルを大切に扱うブランドの姿勢により人気を確固たるものにしてきたのです。

チャーチのおススメモデル5選!

チャーチというと、先にも述べている通り、一つ一つのモデルが長く紡がれてきた歴史を持っているので、どれもこれも名作ぞろいなのですが、苦心して5つに絞ってみました。

私はチャーチはいたって普通のモデル(特別ラインとかでなくて)にこそ、言葉に出来ない良さが詰まっているブランドだと思っています。

文章がそろそろ長くなってきたので、さらっと語ります。各モデルの詳しい説明はまた後日していきます。それではどうぞ!

①Consul(コンサル)

内羽根ストレートチップのコンサルはチャーチを語る上で欠かせない靴です。

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採用されているラストは173。チャーチのカタログをみると1945年に誕生したようです。長い年月の中でラストの変更があったものの、モデル自体は生まれてから80年近く経つロングセラー商品です。

ラスト173は見た目がほどほどに寸が短いながらもしっかりと履くと中で、寸が確保されており履きやすさに定評のあるラストです。

セミスクエアトウで大きく張り出したコバは現在のチャーチブランドのアイデンティティです。クラシックブリティッシュを体現しています。

コロンとしているのに、スーツにあわせるや否や途端にキリっとし、主張が控えめで、大人っぽい雰囲気になるという靴。Consul=領事の名前が与えられるべくして与えられた、履く人をよく引き立たせる靴です。

これは長年愛されてきた理由も納得です。

ストレートチップこそ、良い靴を買うべきだと思っている私は、初めて良いストレートチップを買うならまずは黙ってコンサルを買うべし、と自信をもっておすすめできるモデルです。

②Diplomat(ディプロマット)

ラスト173を使用した内羽根セミブローグの靴です。こちらも1945年に誕生したロングセラー商品です。コンサル同様ラスト173を採用。

ディプロマット=外交官という名のとおり、大穴と小穴のメリハリが効いたこの靴は、自信をもって交渉ごとに向かう営業の仕事をしている人にピッタリ。

足元に持ってくると、全く穴飾りがうるさくなく、むしろ大人としての落ち着いた印象を与えてくれます。

恐らく全世界の靴ブランドの中でも、最も完成されたセミブローグのひとつです。セミブローグの靴を語る上では絶対に外せない傑作中の傑作です。

初めてセミブローグに挑戦するという人も、これを選んでおけば失敗はないでしょう。

③Chetwynd(チェットウィンド)

こちらも同じく1940年代から誕生したとされる内羽根のウイングチップです。モデル名はイギリスにある丘で有名な土地から来ています。

上品な中にカントリーな雰囲気もある靴なので、使い勝手の良さが抜群です。黒のチェットウィンドはスーツスタイルになんなく使えます。ウイングチップが派手だと敬遠されていた方も、このチェットウィンドを履けば、そのイメージは覆るでしょう。

なんとも男らしい靴なのです。

茶色はジャケパンスタイルなどに使えます。

ディプロマット同様、最も完成されたウイングチップのひとつです。ウイングチップの靴を語る上で絶対に外せません。

④Shannon(シャノン)

ラスト103を採用したこの靴の最大の特徴はそのボリューム感です

オールデンの靴よりもさらにボリュームがあります。基本的に甲革にはチャーチオリジナルのガラス革、ポリッシュドバインダーバインダーカーフを使用し、ストームウェルトによって雨や埃の侵入を防ぐ、全天候型の強靭な靴です。

おまけにソールはダブルソールになっており(なぜか公式ホームページではトリプルソールになっていますが…)、タフネスさが尋常ではありません。

まさに戦車のようなたくましい靴です。

カジュアルスタイルからスーツスタイルにまで使える万能な靴です。

⑤Ryder(ライダー)

ラスト81を使用した、丸いボリューミーなトウと天然ゴムの履き心地が良いクレープソールが特徴のオーソドックスなチャッカブーツです。同じ仕様で一時期はJockey(ジョッキー)というモデル名だったときもあるようです。

昔からあるラストなので、サイズはラスト173からハーフサイズ引き上げるのがおススメです。他でゆとりが生まれても、寸が短く、足長が足りないというケースに陥りやすいためです。

このライダーもチャッカブーツの傑作ともいえる靴になっており、チャッカブーツを語る上では絶対に外せない靴です。

なお、ソールがダイナイトソールになっているものをRyderⅢ(ライダー3)といい、よりドレッシーな印象になっています。

ライダー3は007慰めの報酬において、物語の序盤から終盤の決戦においてジェームズ・ボンドが履いていたモデルとしても有名です。

個人的にはジェームズ・ボンド仕様のライダー3の方が好みです。同じ甲革でもソールが違うだけで、こんなに違うのかと気づかされる一足です。また、クロケットのチャッカブーツを買うならこのライダーの方が、大人っぽくて素敵。まあ、ここは完全に趣味ですが。クロケットが背伸びしている感じがするのに対して、このライダーは我関せず、どんと構えているかのような安心感あふれる靴です。

そしてチャーチは「Famous English Shoes」から「Elegant Designer Shoes」へ

チャーチはラスト173を定番モデルとして据え置きつつも、ラグジュアリーな靴ブランドへの転向を本格的に進めています。インターネットでChurch’sと調べると、本国ホームページは「Church’s: Elegant Designer Shoes | Classic Luxury&Quality」という名前で出てきます。

確かにラスト136をはじめとして、他にもラスト138やラスト150といった武骨なものよりも、ロングノーズなものが増えました。

しかし、今でもラスト81を使用したショートノーズな内羽根のセミブローグ「RODD」を発表したりと、クラシックなラインも大事にしています。

温故知新を大切にしているブランドと言えるのです。

履き心地はどの靴も素晴らしいものがあります。これからもイギリス靴を代表するブランドとして輝き続けるでしょう。

革靴初心者から革靴が大好きなマニアックな方まで誰もが親しめる靴なのです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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