旧チャーチ ラスト73を紹介 Consul(コンサル) Diplomat(ディプロマット)

旧チャーチの紹介記事もだいぶ進んできました。

→旧チャーチの徹底解剖はこちらから

→旧チャーチ ラスト84についてはこちらから

→旧チャーチ ラスト149についてはこちらから

→旧チャーチ ラスト82についてはこちらから

→旧チャーチ ラスト54についてはこちらから

ラストも多い、旧チャーチですが、たまに見たこともないよくわからないラストが出てきたりするもので、その全貌を解明するにはチャーチ社の資料室にでも行かないとわかりません。

底なし沼のような歴史と謎と魅力があるのが旧チャーチですが、私個人としては、旧チャーチはラスト73と84さえ抑えていれば十分旧チャーチを語れると思います。

欲を言えばラスト149も見ておきたい…というくらいです。

逆を言えば、旧チャーチについて語るなら、ラスト73だけは是が非でも抑えたいところです。

古くからチャーチの代表ラストとして認知されてきたラストです。

ゆえに、未だにチャーチといえばこのラスト73だという人もいるほどです。

今は廃盤になってしまいましたが、復活を求める声も多いのです。

今回はこの旧チャーチを代表するラストでもある、ラスト73を紹介していきます。

目次

旧チャーチ ラスト73 Consul(コンサル) Diplomat(ディプロマット)

1940年に生まれ、同社が1999年にプラダグループの参加に入るまでチャーチの顔としてブランドを牽引してきた、クラシックなセミスクエアトウのラストです。

ラスト「73」は創業年の1873年にちなんでつけているとも言われており、同社がどのような位置づけでこのラストを扱っていたかは容易に想像ができます。

まさにブリティッシュクラシックを絵に描いたような、チャーチの伝説的ラストです。

ラスト73を採用したモデルは、現在のラスト173を採用したモデルに多く受け継がれています。

代表モデルは内羽根ストレートチップのConsul(コンサル)、内羽根ウイングチップのChetwynd(チェットウィンド)、内羽根セミブローグのDiplomat(ディプロマット)、シングルモンクスリッポンのWestbury(ウエストバリー)、シングルモンクのBeckett(ベケット)などの名作を作り上げました。

製造年代によって同じモデルの靴でも、微妙にトウの形状は異なりますが(詳しくは後述)通しているのは、ラスト173よりも捨て寸が明らかに短く設定されており、見た目も履いた感じも寸が詰まったような印象になります。そしてボテッとしていること。

ラスト173でUK7.5Fの靴を履いているなら、このラスト73においては、UK8.0Fにするのが良いでしょう。それくらい縦方向の寸は詰まっています。

今でもごくまれに別注で復活します。

現在、プラダの傘下になり、よりラグジュアリーな商品展開をしているチャーチは、ショップ別注品をほとんど受け付けていないそうですが、ついこの間、大丸で限定復刻していました。

以前私がチャーチに質問のメールを送ったところ、やはり新たな道を歩み始めているチャーチにとっても、このラスト73だけは特別なようで、場合によっては復刻も有り得るという返信がきました。

もしかするとこのラスト73が復活する日もあるのかもしれません。

製造年代によって微妙に顔つきや履き心地が違う

さて、このラスト73ですが、製造年代によって微妙にトウの形状が違うことがあります。

これは公式にはなっていませんが、マイナーチェンジを施していたのかもしれません。

事実履き心地も若干違うのです。

何故このようなことがあるか…。その理由は明確ではありません。もしかしたら個体差なのかもしれません。いや、個体差というにはあまりにも違う気もするのですが…。

右足が70’s、左足が80’sのディプロマットです。

どう見てもトウの形が違います。ゆえに指周りの履き心地が違います。

コバの張り出しもずいぶん違います。

同じディプロマットでも、このように70年代以前はコバもかなりすっきりしているモデルもあるのです。

マスタークラスにも採用されていたことがある

今でも語り草になる、1990年代中頃からプラダの傘下に入る直前まで展開していた、当時のチャーチの最高級ライン、マスタークラスのモデルにもこのラスト73は一部採用されていました。そのひとつがBeckett(ベケット)でした。

このようにラスト73はまさしく旧チャーチの顔だったのです。

ラスト173は…

ラスト73はプラダ傘下になった直後、廃盤となり、半世紀以上ブランドを牽引してきたその役目を終えました。

その後2003年にラスト73の後継として、ラスト173が誕生しました。ラスト173はトウの形状もラスト73とほぼ同じのセミスクエアで、その朴訥とした雰囲気と捨て寸が十分にとられることにより、ラスト73に比べ、少しだけノーズが伸びました。

少しだけ甲も薄くなり、捨て寸が長くなったことにより現代人の足により合う靴へと進化したのです。

私自身も履きやすさはラスト173のほうがあると感じています。現代的ファッションに組み込む上でもハマりやすいと思います。

もしラスト73だけしかチャーチじゃない!と思っている方がいらしたら、ぜひこのラスト173も試してみて頂きたいです。

完成度も高いですよ。

どうしてもラスト73の靴が履きたければ、オークション市場で粘り強く待ってみましょう。

素敵なチャーチと出会う一助になれれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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コメント

  1. 長谷川俊哉 より:

    いつもブログを拝見させていただき,楽しんているものです,ありがとうございます。
    さて,一つサイズ感についてアドバイスをいただければと思いコメントをさせていただきました。
    私はチャーチのラストで以下の状態です。
    ・ラスト173のコンサル(普通のカーフ)ですと,70Fで少しルーズフィット,65Fで少しキツメに感じますがジャストからタイトフット。
    ・ラスト84のヒックテット旧チャーチ(ブックバインダーカーフ)ですと,70Fでラスト173のコンサルより幾分ルーズフィット。

    そこで,旧チャーチの73ラストの65Fの靴(BALMORAL,ブックバインダーカーフ)をヤフオクでみつけ気にいってますが,捨て寸が173よりも短いようなことも聞き,きついかなあと悩んでいます。普段は親指側がきつくて痛くなることはありませんが,小指は魚の目気味で痛くなる傾向にある足です。
    73ラストは店などを含め足を通した経験がないことから,よくチャーチの靴をご存じの輝けライフ!様に確認をするに至りました。
    お時間あるときに,よろしくお願いいたします。

    • バーリーコーン より:

      長谷川様
      コメントありがとうございます。
      ラスト173の65Fでタイトフィットかな?と少しでもお感じになることがあれば、手を出さないほうが賢明です。
      おそらく、横幅の前に、縦寸がピタピタになります。
      仮に小指の側面が当たりやすい傾向であれば、それがやや前にずれ、小指だけ先端にあたる事態ことも考えられます。
      ラスト84が65Fになった縦寸をご想像ください。相当にきついはずです。

      一番商品が動く中サイズですが、辛抱強く待っていればいずれ70Fも出てきます。
      検討するのはその時でも遅くないと思いますよ。

      参考になれば幸いです。

  2. 長谷川俊哉 より:

    バーリーコーン様
    早速のアドバイスをありがとうございました。
    アドバイスの通り,待つようにします。
    では,引き続きブログを楽しみに読んでいきます。