旧チャーチを徹底解説! 旧チャーチに関しては輝けライフ!にお任せ!

チャーチは1873年に誕生した老舗メーカーです。

イギリス靴の中でも、最もひとつひとつのモデルに歴史が積み重なっている希少なメーカーです。

→チャーチについて詳しくはこちらから

1999年にプラダグループの傘下に入りますが、それ以前は創業一族による経営が行われていました。

そのプラダ買収より以前のチャーチを「旧チャーチ」と称し、特に革靴マニアの中では、この時代のチャーチこそ本来のチャーチだと語る人もいます。

今回は長い歴史を持つチャーチの中でも、この旧チャーチに絞ってお話していきたいと思います。

目次

年代別チャーチの判別

チャーチはインソックのロゴをみると、おおよその製造年代がわかるようになっています。まずはその判別がどのように行われているのか見ていきましょう。

旧旧旧チャーチ

1960年代中頃より以前に作られたチャーチを指します。

最も古いビンテージチャーチです。

インナーのブランドロゴに都市名が記載されていません。そのため別名「都市無し」とも呼ばれます。

1950年代のものは「CHURCH&CO」というロゴになっており、ブランドネームが「Church’s」になるより前の物もあるようです。

ロゴの中に大きく「Famous English Shoes」と書かれています。

作りも現代では考えられないほど精密で、素材も極上の物を使っています。

現代のビスポークシューズでも素材に関しては、逆立ちしても勝てないでしょう。

しかし、年数も経っているので、デッドストックはほとんど出てこないのと、革が年数を重ねているので、当時のクオリティのまま楽しめる靴は少ないのが実情です。

ソールに入れられた焼き印には「CHURCH」というより古い年代に作られたものに主に使われたタイプと、「Church’s Famous English Shoes」というタイプが見受けられます。

旧旧チャーチ

1960年代後半から1970年代に作られたとされるのが旧旧チャーチです。

旧旧チャーチは都市名がロンドンとニューヨークの二都市です。そのため別名「二都市」とも呼ばれます。

60年代後半に作られたであろうものは、都市名記載がロンドンとニューヨークとありますが、写真のようにヒドゥンチャネルでヒールもくぎ打ちになっているものがよくあります。

以前、旧旧チャーチを所有していたおじいさんからお話を伺ったのですが、「間違いなく1968年に買ったものだ」、という証言を頂いたので、やはり60年代後半には2都市ロゴは存在していたようです。

この頃はソールの焼き印が旧旧旧チャーチ同様、「Famous English Shoes」となっているものも見受けられます。

この写真の私の旧旧チャーチがまさしく60年代後半頃に作られたものだと思います。

また、60’sの旧旧チャーチは、旧旧旧チャーチ同様、中のモデルネームのペン字がやたら達筆という点が共通しています。

70年代に時代が下ってくると、オープンチャネルのものが多く見受けられるようになってきます。

70年代後半頃の旧旧チャーチになると、アウトソールに「Custom Grade」という今でも見慣れた焼き印が押されるようになっていきます。

この旧旧チャーチの頃のものも、今では考えられないほど、質の良い素材を靴に使い、靴の形も丹念に木型に革を吊り込んでいたためか、驚くほど立体的になっています。

旧チャーチ

ロゴがロンドン、ニューヨーク、そしてパリの3都市になっています。

別名「三都市」です。

作られていたのは、1980年代から買収直前の1999年前後までです。1999年になると、現行のモデルと同じく(2017年現在は東京まで記載のある5都市表記になっています)、ロンドン、ニューヨーク、パリ、ミランの記載のある旧チャーチもあります。

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これだけ製造年数が広い3都市表記の旧チャーチでも、同じ旧チャーチの中でもう少しだけ製造年代を詳しく推定することができます。

それはインソックのロゴが型押しになっているか、ただの金字のプリントになっているかです。

これが80年代前半頃に作られたであろう旧チャーチの型押しインソック

そしてこれが90年代に近づいて作られたであろう型押し感がほとんどない薄い金字プリントの旧チャーチのインソック

インソックのロゴが型押しになっているものは、特に初期の旧チャーチの靴のようで、素材が90年代末期の物に比べて明らかに質感が素晴らしいのです。

私はインソックのロゴが型押しになっているものを勝手に便宜上「初期旧チャーチと呼んでいます。

それ以降は「後期旧チャーチ」です。

こんな区別をしているのはおそらく自分くらいでしょうが…。

個人的にはこの80年代前半頃に作られた「初期旧チャーチ」の革質がおすすめです。

と、いうのも経年劣化もほとんど見受けられず、旧旧チャーチ以前のような革のヘタレが起きている確率が少ないのです。それでいて、現行のジョンロブなどよりもはるかに柔らかく素晴らしい革を使っているため、ビンテージシューズの中でも比較的安心して手を出せるのがこの「初期旧チャーチ」です。

もし、旧チャーチの中で、どれくらいの年代に作られたものかを知りたくなったときは、このインソックも良く見てみましょう。

現行のチャーチ

現行のチャーチというのは、一般的にプラダの傘下に入った後のチャーチのことを指し、インソックのロゴの都市はロンドン、ニューヨーク、パリ、そしてミランが入ります。

2013年に東京の表参道に旗艦店を進出したのを境に、さらに東京の都市表記が入り、5都市となっています。

4都市と5都市の差を語っているところは少ないですが、やはり4都市の頃の方が革もいいものが多かったと思います。もちろん5都市でも素晴らしいのですが、どこもここも素晴らしい革を手に入れるのが困難な時代なので仕方がありません。ジョンロブですら、革の質は下がっていますからね。

チャーチの靴は、現在の価格の中で、最も質の高い革を使おうとしているのは、靴を見ていればよくわかります。

なので、決して品質が悪い靴ということではありませんので、これからチャーチの靴の購入を検討している人は安心してお求めください。

旧チャーチの名ラスト

旧チャーチには現在展開されていない、様々な名ラストがあります。

その中でも比較的よくビンテージシューズ市場で見受けられるラストをピックアップしました。

ラスト73

1940年に生まれ、1999年のプラダ買収直前までチャーチの顔としてブランドを牽引してきた、クラシックなセミスクエアトウのラストです。

ブリティッシュクラシックを絵に描いたような、チャーチの伝説的ラストです。

※これは73ラストのDiplomatです。

Consul(コンサル)Chetwynd(チェットウィンド)Diplomat(ディプロマット)、Buck(バック)、Westbury(ウエストバリー)などの名作を作り上げました。

製造年代によって同じモデルの靴でも、微妙にトウの形状は異なりますが(詳しくは別途記事にします)共通しているのは、ラスト173よりも捨て寸が明らかに短く設定されており、見た目も履いた感じも寸が詰まったような印象になります。そしてボテッとしていること。

ラスト173でUK7.5Fの靴を履いているなら、このラスト73においては、UK8.0Fにするのが良いでしょう。それくらい縦方向の寸は詰まっています。

今でもごくまれに別注で復活する。

ついこの間、大丸で限定復刻していました。

なお、以前私がチャーチに質問のメールを送ったところ、やはり新たな道を歩み始めているチャーチにとっても、このラスト73だけは特別なようで、場合によっては復刻も有り得るという返信がきました。クラシックなチャーチがお好きな方は期待して待ちましょう。

ラスト84

エッグトウのクラシカルな英国靴といった形状のラストです。

ラスト73と双璧をなす、旧チャーチの人気ラストです。1950年代頃の旧旧旧チャーチの靴にもこのラスト84を使用しているモデルがあったので、少なくとも1950年代には存在したようです。

※これはBarcroftです。

ラスト73同様、やはり昔のラストにありがちな、寸が詰まったラストです。ラスト73と比べると甲が高いのが特徴。

レースステイの部分が特に高くなっている割と甲高なラストです。

ラスト173でUK7.5Fだと、やはり8.0Fは欲しいかな…。

ただし、甲が少し低い人がラスト173と同じサイズでラスト84を履くと、足長は詰まっている感じがするのに、紐は完全に閉じきるという事態に陥ります。

こういうのを見ると、廃盤になった理由も納得できる気がします。

代表的モデルにパンチドキャップトウのBarcroft(バークロフト)、内羽根ウイングチップのHickstead(ヒックステッド)、内羽根セミブローグのDee(ディー)などがあり、ラスト73と双璧をなす大人気ラストです。

ラスト149

これもまた捨て寸が短いクラシックなラストです。

ラスト84よりももう少しスマートなエッグトウが特徴です。

※これはHenleyです。

靴の形状は外側から内側に急激に振ったラストなので、指幅がある方には難があります。

旧チャーチの中でも、驚くほど中の寸が短い靴なので、ラスト173でUK7.5Fの方であれば、UK8.5Fくらいは欲しいところ。私は8.0でも詰まったような履き心地を感じました。

しかし、8.5にするとカカトまわりが緩くなります…。

現代人向けのラストかというとかなり疑問です。大人しくラスト173のチャーチを履いていた方がよさそう。

一説によると、このラストを使った内羽根ウイングチップのHenleyはChetwyndの原型になったそうです。ということは1940年以前にはラスト149は存在したということになります。

昔のチャーチが好きな人なら一度はお目にかかりたい靴です。

なお、現在チャーチの最高級ライン、クラウンコレクションにおいてもラスト149が使われていますが、当時のものとは別物だそうです。

代表モデルには内羽根ウイングチップのHenley(ヘンリー)、外羽根ロングヴァンプウイングチップのCotswold(コッツウォルズ)、ホワイトヌバック内羽根ウイングチップのBuckingham(バッキンガム)などがあります。ウイングチップが多い印象です。

なお、このラストでも内羽根セミブローグでDiplomat(ディプロマット)が出ています。それはコードバンを使っていました。Diplomatってラスト73じゃないの…?

こういったところに旧チャーチの「謎」がちりばめられており、ビンテージシューズマニアを惹きつける要素があるのです。

ラスト82

ラスト82と聞くと、エドワード・グリーンを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、

旧チャーチにもラスト82がありました。

※これはMessengerです。

旧チャーチのラスト82は、他のモデル同様これまた捨て寸が短く、大きくラウンドしたぼてっとした靴です。しかし、見た目ほど中で履いた時に、捨て寸を短く感じない不思議なラスト。ラスト173を気持ちゆとりがあるくらいで履いている人なら、同じサイズの同じウィズのもので履けると思います。

今日的にカッコいい靴かというと、そうでもなく、むしろかなり渋い靴になります。

ハッキリ言ってダサいです

こてこてのクラシックファッション好きな人にはいいかもしれませんが。あまりに通好みな印象になるため、おススメはしません。廃盤はなるべくしてなったという感じ(笑)

1948年の

1949年の広告にはすでに姿を現していることと、ConsulやDiplomatと同じようにMessenger(伝令)、Chamberlain(侍従)といった官位に関するようなモデルネームをつけているところから見て、当時はラスト73と同等クラスの扱いを受けていただろうことがわかります。

このラストを使っているモデルも現在みかけず、極端に流通が少ないのが特徴です。

代表モデルは内羽根ストレートチップのMessenger(メッセンジャー)、内羽根パンチドキャップトウのChamberlainです。

ラスト54

クラシックなラストです。ハッキリ言ってダサい。ダサすぎるラストです(笑)

コバはほとんど出ておらずスマートに見えるかと思いきや、コッペパンのような形状をしているため、全くスマートになりません。

※これはEntebbeです。

いったいどんな服と合わせたらいいのか皆目見当がつかないほど、クラシカルなラストです。これは廃盤待ったなし!(笑)

そんなラストなので、カントリー色が強い素材と、カジュアル感の強い外羽根のプレーントウのデザインなどがこのラストには採用されていました。

代表モデルはAntlerⅢ(アントラー3:鹿バックスキン、3アイレットダービー)、Entebbe(エンテべ:アンテロープレザー3アイレットダービー)、Kruger(クルーガー:象革3アイレットダービー)などです。

ラスト43

これもクラシックなラストです。

ラスト54と同じく、コバはかなり削られており、ほとんど張り出していません。

※これはTunisです。

ラスト54同様、珍しい革素材のものに採用されているイメージがあり、そのほとんどが3アイレットのダービーです。

見た目はラスト54よりも、もう少しスマートな印象です。

代表モデルはラクダ革(SAHARA CAMMEL)の3アイレットダービーのTunis(チュニス)、鹿革の3アイレットダービーのAntler(アントラー)、アザラシ革(Fighting Seal)の3アイレットダービーのCABOT(カボット)です。

ラスト224

※これはShannonです

旧シャノンに用いられていたラストです。現行のシャノンに用いられているラスト103に比べて、もっとスマートな印象です。指周りはラスト103のほうがゆったりしていますが、このラスト224でも十分指周りを確保できるでしょう。

代表モデルはShannon(シャノン)です。

ラスト51

ずんぐりむっくりした丸いラウンドトウの靴です。私はこのラストが使われているのはデザートブーツのCAIRO(カイロ)くらいしか見たことがありません。

なんだかインソックのロゴもよく見るチャーチのロゴじゃないし、よくわかりません。もしかしたら廉価版だったのかも?

ラスト69R

旧チャーチのローファーに主に使われたラストです。

 

Kingsley(キングスレー)やStafford(スタッフォード)などが有名なモデルです。

旧チャーチには珍しく、少しロングノーズ気味なラストです。外側も内側のカーブはあまりつかず、抑揚のないストレートなラインが特徴で、指周りに難がある方には履き心地が優しいラストです。

そしてなぜかこのラストには数字の後に「R」がつきます。いったいどういう意味なんでしょうか?

Kingsleyはなんと2018年現在、本国のホームページのメインコレクションに再び加えられ、復刻しました。

クロケット&ジョーンズのCavendish(キャベンディッシュ)が2015年ころから注目されていたので、タッセルローファー人気に目を付けて復刻したのかな?

代表モデルはタッセルローファーのKingsley(キングスレー)、キルトタッセルウイングストラップローファーのStafford(スタッフォード)です。

ラスト50

これもラスト69Rと似ていて、外側、内側ともにカーブがほとんどなく、抑揚がついていないラストです。

このラストが使われているもので有名なモデルは、Canon(キャノン)という大きなバックルが特徴のシングルモンクストラップシューズです。と、いうかラスト50のモデルはほとんどこれしか見ません。ある意味でキャノンのためにあるようなラストです(笑)

キャノンはラスト50バージョンのウェストバリーといった感じですね。正直ウェストバリーのほうが完成度が高く、100倍カッコいいんですが…。それだけラスト73が優れているということでしょう。

一応その他にもスプリットトウスリッポンのMirage(ミラージュ)というモデルもあります。

そういえば、2018年はBEAMSが80年代にこのミラージュの形をした、つまりスプリットトウスリッポン(もしくはエプロンフロントローファーなんて言いますが)が流行ったのをオマージュして、この手のローファーをクロケット&ジョーンズから出すようです。

ラスト35

旧チャーチ末期の、1990年代中頃から99年買収直前まで作られていた旧チャーチ時代の最高級ラインのみに採用されていたラストです。最高級ラインなのに、なぜかソールはオープンチャネルのままで、半カラス仕上げにしている不思議な靴でした。

トウはセミスクエアトウです。どちらかというとラウンドに近いかもしれません。

カーフは今は亡き名タンナー「カールフロイデンベルグ」製のボックスカーフなどを使って作られていました。

なお、私がこの靴についてチャーチに質問のメールを送ったところ、なんと…!

「マスタークラスの靴はイギリスで作っていなかった靴なので詳しい仕様は今わからない」

という驚くべき返答が返ってきました。

一応ロゴには「Made in England」あるのですが…もしかしたらイタリアなどで作らせてノックダウン生産していたのでしょうか?全く分かりません。

この回答は何かの間違いだったと思いたいのですが…。

なお、このマスタークラスクラスのチャーチをやたらと持ち上げますが、80年代前半の旧チャーチの革の方が明らかに質もいいので、旧チャーチが欲しい方は、ハッキリ言ってこのマスタークラスにこだわらないほうが無難です。マスタークラスを狙うくらいなら2都市の旧旧チャーチを狙ったほうがいいかもしれません。

旧チャーチをここまで人気にさせる要因…それは素材です

ここからは便宜上プラダ傘下以前のチャーチを旧チャーチと呼ばせていただきます。

さて、旧チャーチがここまで人気になるのは、現在展開していないラストがあるというのもありますが、現在では考えられないほど、素晴らしい革を使っていたことにあります。

旧チャーチに使われていたカーフは、現在は廃業になってしまったイギリスのタンナー「ピポディ」のアニリンカーフ。これはブラッシングするだけでたちまち光り出す素晴らしいカーフレザーです。

その他にも珍重なエキゾチックレザーを豊富に使っていたのも人気を呼ぶ理由でしょう。本当に多くの革があるんですよ。

  1. Real Cape Buck(鹿のバックスキンを模したカーフスエード。クーズーの革をスエード状にしたという説が有力。旧チャーチのエキゾチックレザーの中でも一番有名かも)
  2. Real Rizard(トカゲ革)
  3. Genuine Elephant(象革)
  4. Genuine Cordovan(コードバン)
  5. GENUINE PECCARY(ペッカリー)
  6. DEER SKIN(正真正銘の鹿のバックスキン。当時のカタログによるとブラジルの鹿をバックスキンに加工して使っていたようです。)
  7. FIGHTING SEAL(アザラシ革)
  8. SAHARA CAMEL SKIN(ラクダ革)
  9. LAMA(ラマを模した牛の肩の揉み革です。現在もイタリア靴ブランド、サントーニやボリーニにラマカーフというものがありますが、同一の物でしょう)
  10. RANCH OXHIDE(独特の加工を施したシボ革。水牛の革という説有)
  11. Honey Kudu Antelope(アフリカ原産のクーズーというウシ科の動物の革。見た目が鹿っぽいんです。なお、Real Cape Buckはこのクーズーの革のスエードという説が有力です。)
  12. WILDEBEEST(ヌーの革)

これらの珍しい動物の革を用いたモデルは2都市時代の旧旧チャーチに多かったようです。

私自身は見たことがありませんが、カバ革のチャーチやクジラ革のチャーチというものもあったそうです。

どの素材も今ではワシントン条約などに引っかかって、なかなか手に入らない素材ですし、これらの素材のほとんどが現行のチャーチでは扱っていないものです。

古くからのチャーチ愛好家の方に聞くと、象革は当時、通常のチャーチの5倍以上する値段をつけて売られていたそうです(笑)高すぎるだろ!

なぜ旧チャーチのラストは廃盤になったの?

さて、素材はもはや手に入らないとしても、なぜ旧チャーチのラストは廃盤になったのでしょうか。やはり、一説によるプラダ買収後のイメージ刷新のため、というのが目的なのでしょうか。

もちろんそういった一面もあるでしょうが、私は…

古いラストは捨て寸が短く、現代人の足に合わないから

という理由が一番だと思っています。どの旧チャーチのラストも極端に捨て寸が短いのです。現在でも使われているラスト81もやはり捨て寸が短くなっています。

横幅を基準で履くと、捨て寸部分に指が入ってしまい歩けません。無理に履くと、足の健康を害します。ジャストサイズで履くと、革靴にも関わらず、さながらスニーカーで寸が足りなくなるのに近い現象が起きるのです。

このように現代人の足に合わないので、ラスト173をはじめとしてモダナイズした木型を生み出しているのでしょう。

おそらく古いラストに固執したままであったとしたら、とっくにチャーチというブランドは消え去っていたとさえ私は思います。

思うというよりも確信しています。

今まで30足以上の旧チャーチを所有してハッキリと確信しています。

もちろん個人差はあるでしょうが、やはりチャーチは現行のラストの方がより現代人の足に合っているのは間違いないと思います。

旧チャーチもいいけど、現行のチャーチも素晴らしいということをお忘れなく

ということで、旧チャーチに関して徹底解説してきました。

やはりラストの問題は大きいので、普通に履くのであれば、現行のラストの方がずっと履きやすいと思います。それだけでも靴としての価値は昔の物に比べても遜色はないのではないでしょうか。

旧チャーチしか見ていなかった方は、現行のチャーチにも目を向けてみてください。

そしてこれからチャーチを買うという人は、旧チャーチファンの偏見を真に受けないようにしてください!

現行のチャーチも間違いなく世界を代表する一級品です!

1つだけ言えるのは、今も昔もチャーチの靴は素晴らしいということです!

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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コメント

  1. hitty より:

    はじめまして。ビンテージチャーチをひょんな事から入手したのですが、モデル名が達筆すぎて読めず、3都市の旧チャーチなのですがだいたいの年代が知りたくて、徘徊していたらこちらに辿りつきました。おかげさまで80年代前半ごろの初期旧チャーチであることがわかりました。ありがとうございます!あとはモデル名を求めて徘徊の旅にでます(笑)

    • バーリーコーン より:

      hitty様
      コメントありがとうございます。
      旧チャーチのモデル名はたいていが、立派な職業っぽそうなものか地名になっています。
      前者はConsulやDiplomatがいい例ですね。
      後者にはJerymynやらTokyoやらいろいろあるわけです。

      特に地名になっているものが多いでしょうか。

      モデル名を調べるコツは、それっぽい地名がないかイギリスの地名を見るのと、ラストが何番かを把握することです。
      ラストがわかって、デザインがわかれば、よっぽどの珍モデルでなければ大抵わかります。

      しかし、チャーチにもモデル名が与えられていない場合があります。
      例えばラスト73、内羽根のフルブローグでも、素材がブックバインダーになると、時期によってはチェットウィンドではなかったりするんです。
      理由はよくわかりません。
      そういうモデルの靴の箱なんかをみると、モデル名のところが、アルファベットと数字を羅列した管理番号になっているんです。

      そんな例もありますから、お気をつけて。

  2. morikazutomo より:

    参考になりました 。 僕が中古で買ったのが現行4都市モデルというのは分かりました。

    • バーリーコーン より:

      morikazutomo様
      お役に立つことができ嬉しく思います。
      今後ともどうぞ当サイトをよろしくお願いします。

  3. マサユキ より:

    チャーチの記事を楽しく拝見させていただいております。
    旧チャーチについてお知恵を貸していただきたいことがありメッセージさせていただきました。
    73ラストの旧チャーチが欲しく、先日eBayで73ラストのディプロマットを購入しました。
    中身はコットンライニングで、内側には「80G73DIPLOMAT」と書かれており、旧チャーチ以前のものであることは分かるのですが、別のブランドの別注品となっており、チャーチのロゴの下に都市表記が一つも見当たりません。
    まさか旧旧旧チャーチということはないかと思うのですが、コットンライニングの73ラストのディプロマットである以上は、旧チャーチ以前のもとという理解でよろしいのでしょうか。

    • バーリーコーン より:

      マサユキさん
      コメントありがとうございます。実際拝見しないとわからないところではあるのですが、別ブランドの別注品であると、旧チャーチ以前の物の可能性は高いと思います。
      もしよければ、写真などを見せていただけると幸いです。

      • マサユキ より:

        返信ありがとうございます。
        写真をツイートしたリンクを下記に貼らせていただきました。
        インソックのロゴが消えかかっておりますが、チャーチの文字が斜めではないことから後期旧チャーチなのではないかと推測しています。
        https://twitter.com/isht_msyk/status/1200997185149493254?s=20

        • バーリーコーン より:

          マサユキさん
          拝見しました。チャーチの下にLEATHER UPPER LEATHER SOLEとロゴが入っているのは、80年代後半~90年代半ばまでの物と考えられます。
          ディプロマットの文字の筆跡も、90年代中ごろの物でしょう。
          なお、プラダ買収直前の97~99年、買収直後の2000年頃のモデルは、この筆跡がやたらと大きくなるのが特徴です。
          ご参考になれば幸いです。