引っ張り出したタッセルローファーは…チャーチのKEATS(キーツ)

2018年6月30日(土)

死ぬほど暑い一日になりましたね。

あまりの暑さに、近所への買い出しだけで、あとはお家にこもっていました。

外に出てしまえば、梅雨明けをした陽気と、焼け付く太陽の直射日光にさらされて、たちまち汗まみれになります。

こうなれば、お洒落もへったくれもなく、ゾンビのようにクーラーで冷えた店に避難するしかありません。

それでもせっかくの夏、楽しむべきレジャーが盛り沢山ですね。

それに合わせて、色々なシーンごとに、革靴ライフを楽しむ算段は立てているところです。

シングルモンクの靴をメインに使おうかと思っています。

しかし、あまりに世間がタッセルローファーを推していて、自分もこのサイトで紹介はしているのに「子供っぽい」という理由で履かないのもどうかとも思い、「自分も久々に履いてみるか」と押し入れにしまっていたタッセルローファーを引っ張り出してきました。

例によってChurch’s(チャーチ)です(笑)

モデルはKEATS(キーツ)

以前、当サイトでも紹介していますね。

「タッセルローファーの名作を集めました おススメ10選を大紹介!」

の中にもノミネートした(決して偏向ではありません!)モデルで、その唯一無二のフォルムは存在感抜群です。

最高級靴読本2においても、「チャーチのタッセルローファーが一番完璧」というセリフが出てくるほど。

言いたいことはよくわかります。

私が持っているのは3都市ロゴのプラダ買収前の少し古いキーツです。

昔からキーツはガラス革を使っていました。この頃はブックバインダーカーフ。

キーツは今なお、チャーチのタッセルローファーの代表作となっており、作られ続けています。

今日においては、ブックバインダーカーフの後継であるポリッシュドバインダーカーフが使われています。

ご承知の方もいらっしゃるかと思いますが、現行のポリッシュドバインダーカーフに比べ、3都市時代のブックバインダーカーフは非常に柔らかく、その革質の良さに驚かずにはいられません。

ちゃんとデリケートクリームも吸い込みますし、柔軟性も良く出ます。ゆえに足当たりの良さは現行の比ではありません。

旧キーツに比べ、ポリッシュドバインダーカーフの現行のキーツは少々硬い履き心地になります。その分がっちりしていて、型崩れなどが気にならないかもしれません。

一応サイズは80Fはあるのですが、このキーツに使われているラスト93の捨て寸の短さはかなり独特です。

カカト周りに大きな余りを生むサイズで履いても、捨て寸に余裕がなく感じるのです。

90を履いても詰まって感じるんですよね…。85にしたら、カカトはスリッパのようにスパンスパンと音を立てながらずり脱げるのです。靴の不思議…。

カカトに多少の余裕があっても、あまりサイズは下げないほうが賢明です。

表参道のチャーチの店員さんと話した時も、店員さんも「ラスト93は履く人を選ぶ靴ですね~。合う人はこれ以上ないというほど合うのですが、合わないととことん合わないんですよね」と仰っていました。

その話すごくわかります。

ぎゅんぎゅんに短い靴をビタッと履くような靴と感じます。

私はおそらくこのラスト93とあまり相性が良くないため、この捨て寸のなさが気になって仕方がありません。

足のボールジョイントの部分が、靴のボールジョイントを収めるところに入っているので、寸はこれで足りているという設計なのでしょうが、あまりに寸詰った履き心地が気になり疎遠になっていました。

しかし、せっかくの名作をタンスの肥やしにしても、もったいなく、また売りに出してしまうのも勿体ないと感じていました。

なぜなら…

この靴めちゃくちゃカッコいいんですよ…。

クロケット&ジョーンズのキャベンディッシュやオールデンとも少し違って、甲が浅いので、履き口が広くこじんまりして見えるんですね。ミニマルな雰囲気があって上品なんです。

嬉しい反面手放せなくなる要因でもあり、私としてみれば非常に厄介な靴です。

全く履けない靴かというと、そこまででもないというところも、絶妙なポイントをついてくるな~と押し入れの整理をするたびにずっと思っていました。

ほとんど履いていないので、中底もとってもきれい。中のライニングは旧チャーチではありますが、ローファーのためコットンライニングではなく、レザーライニングです。

このレザーライニングひとつをとっても現行とは比較にはならない柔らかさです。

伸びの良さも間違いないのでしょうが、寸が気になって伸びが出るまできちんと履けていません。

このタッセルローファーを使ったコーディネートはいくらでも考えがつくのですが、いかんせん履きならすまでに耐えられるのでしょうか?ちょっと試してみようかな、と思います。

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