今日は紳士靴ではなく、洋服のブランドについて紹介していきたいと思います。
まずはここ2、3日気になって気になって仕方のないラコステのポロシャツについて。
たかがポロシャツ?
されどポロシャツ。
ラコステのポロシャツは本当に良いポロシャツで、ファストファッションのポロシャツと着比べると、その着心地の差に驚かされます。
柔らかくて通気性が良く、耐久性のある生地は着ていて安心です。
ラコステのポロシャツとは、いかにして誕生したのか?その歴史を見ていきましょう。
目次
ラコステの歴史
ラコステの歴史は、フランスのテニスプレイヤー、ルネ・ラコステのポロシャツの発明によって始まりました。
ポロシャツの誕生は彼が選手として活躍していたテニス界だけでなく、ファッション業界に大きな影響を及ぼしました。
1904年生まれのルネ・ラコステは、17歳のときに初めてトーナメントでの優勝を果たし、1924年には全仏オープンで初優勝。数多くのマスコミは、将来偉大なプレーヤーになると予想し、賞賛しました。
その後1925年から1929年の間に、ルネ・ラコステは、全仏オープン、全英オープン、全米オープンで優勝し、4大大会の優勝数が10になるまで勝ち続けました。相当強いテニスプレイヤーであったことがわかりますね。
ラコステとワニの出会い
ラコステのポロシャツにワニの刺繡がついているのには、わけがあります。
ルネ・ラコステはある日、ワニ革のスーツケースに釘付けになりました。
そこで彼はフランスチームのキャプテンのピエール・ジルーに「自分が試合に勝ったら、このスーツケースをくれないか」と冗談半分で言った。
「それなら対戦するアンダーソンに勝ったらそうさせてもらうよ」とジルーも笑いながら約束した。
結局その年はアンダーソンには勝てなかったものの、まるでワニのように食らいついたら離さない粘り強いプレーを見て、この話を聞いていた記者は「若いラコステはワニ革のスーツケースを手に入れることは出来なかったが、その戦いはワニのようであった」とルネ・ラコステを称賛しました。
こうしてルネ・ラコステは「アリゲーター」、「クロコダイル」というニックネームを付けました。
それから1926年、自らに付けられたニックネームが気に入ったラコステは、友人のロベール・ジョルジュに、ワニのデザインを依頼しました。今ではすっかり有名になったワニのロゴは、この年に初めてルネ・ラコステのブレザーに刺繍されたのです。
こうしてラコステのアイコンとなっている「ワニ」が誕生しました。
なお、この時ブレザーにつけられたワニの刺繍は、現在の小さくて可愛らしいものではなく、いかついワニのロゴです。
なお、このファーストロゴのポロシャツは、何年か周期で復刻されます。
今後再びお目見えするという確証はありませんが、2009年に「レジェンドポロ」のネームで出されたのは記憶に新しいところです。
1933年、世界初。元祖ポロシャツ誕生
1929年、全仏オープンでルネ・ラコステは引退します。
彼は「四銃士」の1人であるジャン・ボロトラを決勝で破り、その試合を優勝で飾りました。
引退試合を全仏オープン優勝というところもすごいですね…。
引退はルネ・ラコステ25歳の時でした。
時を同じくして、ルネ・ラコステは、当時フランスで最大のニット製造会社のオーナー社長のアンドレ・ジリエと出会います。緑色のワニのロゴが刺繍されたポロシャツを製造する会社を設立しました。
このころからラコステは元祖ポロシャツの製作を4年がかりで開始します。
イギリスでポロプレーヤーの姿に感心したルネ・ラコステは、体を楽に動かすことができる短袖のシャツに着目し、半袖シャツを作りたいと考えました。
当時の写真を見るとわかるのですが、白シャツ、しかも一番上の第一ボタンを留め、タック入りの太いパンツでテニスを行っていたので、当時のテニスウェアはおおよそ機能的ではなかったのです。
新しいシャツは「機能的なエレガンス」というコンセプトのもとで作られ始めます。エレガンスを追究するところがフランスっぽいですね。
こうしてポロシャツというものがこの世に誕生しました。
正真正銘、ポロシャツの起源はラコステなのです。
1933年に工業生産を開始し、ルネ・ラコステとアンドレ・ジリエは現在も残る、ラコステ「L.12.12」の発売が始まります。
通気性に優れた生地、ピケを使い、ワニのロゴをあしらったこのシャツは、柔軟性に優れ、軽量でした。
ポロシャツとゴルフの関係を考察すると…
ポロシャツというと、テニスのみならず、現在ではゴルフプレーヤーも定番で着ています。
これはひょっとしたら、ルネ・ラコステの妻と娘が関係しているかもしれません。
ラコステの妻はシモーヌ・ティオン・ド・ラ・ショームといい、彼女はフランスで有名なゴルフプレーヤーでした。
その後この夫婦は4人の子供を授かります。
彼らの娘の1人である、カトリーヌ・ラコステは世界アマチュアゴルフチーム選手権で優勝後、1967年外国人として初めて、さらに最年少での全米女子オープンゴルフ選手権優勝を達成しました。これまた凄い功績ですね…。スポーツマンのサラブレッドですから、おかしくはない話です。
この時の写真を見ると彼女もまたワニの刺繍が施されたポロシャツのような鹿の子素材のシャツを着ているのがわかります。
ゴルフプレーヤーがポロシャツを着るきっかけになったのは、彼女たちの活躍があったからかもしれませんね。
現在のラコステ
現在日本におけるラコステは、ラコステ・ジャパン(前、ファブリカ)という会社が運営しています。
東京の渋谷や日比谷に大きな旗艦店舗があり、百貨店にもほとんど入っています。
国内に流通するラコステの多くは日本製です。
この日本製のL.12.12をL.12.12Aといいます。
L.12.12.Aの特徴としては、
日本国内の工場で染色・編立て・縫製の一貫生産 ・メイドインジャパンのオリジナルタグがあること。そしてスーピマ綿100%で紡がれた滑らかな肌触り ・袖口は伸縮性があり、しっかりリブがフィットするのが特徴です。
このポロシャツは本当に丈夫で、綿の柔らかさもあり、着ていて本当に着心地のいいものです。
L.12.12の違い
現在国内マーケットのラコステは日本製ですが、もともとはフランスのブランドですから、ひと昔前はもちろんフランス製のラコステというのが定番でした。
これがいわゆる「フレンチラコステ」というもので、「フレラコ」や「フララコ」の愛称で古着マーケットで人気の高いポロシャツになります。
そんな往年のファンに応えるべくラコステ日本上陸50周年にあたる2014年、日本企画により復活したフランス製のL.12.12が誕生しました。
これをL.12.12Lといいます。
なお、この本格復刻の1年前の2013年に有名セレクトショップのEDIFICEがフランス製のラコステをいち早く復刻しました。
これがL.12.12Fです。こちらはかなりマニアックかも。
これら2つのL.12.12は2018年現在市場に出回っていないレアモデルとなっています。
紡績・染色・縫製までフランスのトロア地区にある自社工場で一貫して生産したものは話題を呼びました。
そして、もともとのフランス製ラコステは、90年代半ばには製造コストを理由に休止され、現在ではペルーやエルサルバドル等の南米生産へとシフトしています。
これがL.12.12となります。
このペルー製のラコステのタグをみると、デザインがフランスとかかれているので、これを「直輸入 フランスラコステ」という名称をつけて販売しているネット通販があります。
決して嘘をいっているわけでもありませんし、ニセモノではありません。
しかもタグに関していえば、昔のタグのスタイルをいまだに引き継いでいるので、むしろこちらのほうが源流といえるのではないかと思います。それでも知らない人には誤解を生みやすいちょっと意地悪な謳い文句ですね。
ちなみに現在日本製のタグは日本オリジナルのもので、この日本オリジナルが誕生するまで、フランス本国と長い戦いがあったのはラコステファンの間では語り草です。
1933年の誕生以来、不動の人気を誇るラコステのフラッグシップモデルL1212。
現在フランス本国が企画する中南米製L.12.12
日本で企画される日本製L12.12.A
そして4年前限定で本格復刻したフランス製L.12.12LとL.12.12.F
いずれのポロシャツも、糸の太さから編立て方法、サイズや縫製仕様にいたるまで、全て同じレシピの元で作られています。
しかし、実際に出来上がった製品を並べてみるとちょっとした違いがあります。
これは原綿のブレンド具合だったり、染料の違い、お国柄で違う縫製のニュアンスなどから生まれるもののようです。
元来のフランス製ラコステ、ペルー製のL.12.12のくたっとしたやわらか~い着心地と着丈の長さが目立つシルエットにおいて忠実です。その着心地も限定復刻したフランス製のL.12.12LとL.12.12Fとほぼ一緒です。
それと比べて日本製は丈夫さに特化して、ややかっちりとした着心地になっていると個人的に感じます。
永遠の定番ポロシャツ ラコステ
ああ、こうしてまた記事を書いているとラコステのポロシャツが欲しくなってきてしまいます。
現在主に3タイプのポロシャツをラコステは展開していますが、やはりおススメはもともとのゆったりしたクラシックフィットのL.12.12ポロシャツです。
ポロシャツで迷ったらラコステを選べばまず間違い。そんな頼もしいアイテムです。
ああ、欲しい…。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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コメント
こんにちは。
L1212Aを持っていますが、最近買ったのはL1212ALでした。
Lが追加されていますが、新しい、違うものなのですか?!
やまちゃんさん
コメントありがとうございます。
そちらはただ、新しい品番に登録しただけなので、全く同じものだそうです。
ラコステのスタッフに聞いたので、間違いないかと思います。
いままでと違う型番だったので、返品しようか悩んでいました。
なんともまぎらわしい事態でした。
ご確認、ご回答、本当にありがとうございました!!!
心から、感謝申し上げます☆彡