コロンブス ブートブラック リッチモイスチャークリーム レビュー デリケートクリームの決定版!

先日はコロニル1909シュプリームクリームを紹介しました。

シュプリームクリームはその浸透力の高さと、クリームを入れた後に磨くだけで光るのがとても優れたクリームです。本当にこのクリームだけで、ピカピカになりますから、手軽に時間をかけずにシューケアを済ませることができるのが良いところ。

今日は、個人的にこのシュプリームクリームをしのぐ、素晴らしいデリケートクリームを紹介します。

それがコロンブスのブートブラックシリーズより発売されている、リッチモイスチャークリームになります。

目次

BBリッチモイスチャークリームはとても贅沢で、最強のデリケートクリーム

なんだか、とっても高級そうなビンの中に入ったクリームです。

お値段は2018年11月現在で3,000円(税抜)とシューケアグッズの中でもかなり高価なものです。なんだか靴に使うのは贅沢なのかな?と思っているあなた。

このデリケートクリームは最強のデリケートクリームですよ!

その理由を紹介していきましょう。

なんとアルガンオイルが使われています!アルガンオイルとは?

女性の方であれば、すぐにピンとくるのではないでしょうか?

人間の美容や健康目的にも用いられるアルガンオイルがこのクリームの中には配合されています。

アルガンオイルはアルガンの樹になる実から生成されます。

アルガンの樹は、世界でもモロッコの南西部にのみしか生育しない非常に希少な樹です。

この希少な樹に実ったアルガンの実を、モロッコの先住民ベルベル族は、石臼を用いた伝統的な方法で絞りあげオイルを抽出します。

100キロの実を採取して、その中にある種子をすりつぶして得られるオイルの量はたったの1リットル。しかも、この1リットルのオイルを得るために10時間以上もすりつぶさなければならないため、本当に希少なオイルなんです。

アルガンオイルの効果

アルガンオイルは肌のサビを防ぐビタミンE、カロテン、肌を柔らかくするサポニンが入っており、革の柔軟性と革の劣化を遅らせる抗酸化作用があります。

つまりアンチエイジング効果があります。

革はもう生きてはいない「皮」です。適度な水分と油分を与えないとガサガサになってしまい、果てにはひび割れを起こしてしまいます。

このひび割れを用語でクラックといいますが、クラックを起こすと、修理が出来ません。クラックはいつか必ず起きるものですが、それを遅らせることができるのが、デリケートクリームです。

アルガンオイルは素早く革の繊維に浸透し、柔軟性を生み出します。そのほか、マカダミアナッツバターとヒマワリバターが配合されています。この2つの成分は、ゆっくりと革に馴染む性質があり、皮革に潤いを与え、なめらかな感触を保ちます。
またカルナバワックスが含まれているために、表面に薄い膜が張られるので、革の表面にピカピカと光沢感が出ます。

リッチモイスチャークリームを使った後の革の柔らかさの違いは触ればすぐにわかるほどです。

履き下ろす前に、甲革にクリームを入れると柔軟性が出て、変な履きじわも起こりにくくなります。また、中のライニングが革張りのものであれば、ライニングの革にも使用することによって、靴擦れを防止することができます。

私は買ったばかりの靴には、絶対にこのクリームを入れるようにしています。

このクリームが入るだけで、革が柔らかくなり、当たりがほとんど気にならなくなるからです。

そして革本来の優しい光沢感が出るので、みずみずしさが得られるのです。

有機溶剤が入っていないので、デリケートな素材にも気兼ねなく使えるところがありがたいですね。有機溶剤によるアレルギー反応も起きないですから、靴の有機溶剤にアレルギーをお持ちの方でも安心して使えますよ。

アルコール分などがないため、イタリア靴などの繊細に手染めされた靴にこのクリームを使っても、色が飛んでしまうことはありません。

サフィールのクレムなんかだと、アルコール分で手染めの靴の色味を飛ばしてしまうことがあるんですが、このリッチモイスチャークリームはそういったことがないため、オールマイティーに多くの靴に安心して使うことができます。

私、サラッと書いてますが、クリームで色味を飛ばしてしまわないというこの事実はめちゃくちゃ重要な話です。

ベルルッティみたいな繊細な靴にも気兼ねなく使える、非常に質の高いデリケートクリームです!

早速使用!シュプリームクリームの使用感と比較しました。

今回検証用に使ったのは、先日シュプリームクリームをレビューしたときに試したものと同じ靴です。

まずは、革をブートブラック ツーフェイスプラスローションですっぴんにした状態にします。マットな感じですね。

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そしてこれが使用した後。

右足がシュプリームクリームを使用したもの。

左足がリッチモイスチャークリームを使用したもの。

接写した写真はこちらです。

シュプリームクリームは相変わらず、ピカピカとした光沢感を放っています。

対してリッチモイスチャークリームはやや控えめな光沢感。しかし、革全体がふっくらとして、潤いが行き渡っているように感じるのは明らかにリッチモイスチャークリームのほうです。革がみずみずしくなっていて、皺の細かいところも一時的に見えなくなるほど、革がピンと張ります。

光沢感が出ないことを残念に思われるかもしれませんが、そもそもデリケートクリームは保湿して保革することが目的です。ロウ分よりも水分が大切な要素なので、あまり光らなくてもいいと思います。

ちなみにこれは両方ともクリームを塗布して5分も経たないものです。リッチモイスチャークリームでも、カルナバワックスが入っているために、もう少し時間を置いてからブラッシングをすれば、光沢感は生まれます。

クリームはとろ~りとしています

私の勤め先の同僚にも、このブートブラックリッチモイスチャークリームをことあるごとに布教して回っているのですが…

なかなかクリームが出てこないんだけど!?

という声を頂きます。

このリッチモイスチャークリーム、クリームの純度がとても高いためか、クリームが本当にとろ~としていて、なかなか出ません。

これがブートブラックリッチモイスチャークリームを手に取ったところです。

色は黄色味がかった透明なクリームとなっています。手に取ると少しべたつく感じです。粘りがある感じともいえましょうか。

べたつきがあるということは、クリームに「ひっかかり」があるということ。容器からは出にくいのも当然です。

私は今まで2本分このクリームを使いましたが、個体差なのか、割とサッと出てくるものとなかなか出てこないものの2種類ありました。

ですから、全部が全部出にくいわけではありません。

後ほど詳しく紹介しますが、写真のように手にリッチモイスチャークリームを付けて、革ライニングに直接塗り込み、足の当たりが出る部分を柔らかくし、履き馴染むまでの苦労を軽減させることもできます。

使う時はこう! 容器を垂直にして、直接靴に押し付ける

このリッチモイスチャークリームは、女性もうらやむアルガンオイルを使ったとても浸透力の高いクリーム。ゆえにべたつき、容器から出にくいということはお分かりいただけたかと思います。

しかし、別の見方をすれば、ある意味で出すぎを防止してくれているのです。

それでは、さっそくリッチモイスチャークリームのおススメの出し方をお伝えしていきます!

輝けライフ!では

垂直落下式モイスチャーバスター!!

をおススメします。

ブレーンバスターではなく、垂直落下式ブレーンバスターのイメージです(プロレスファンじゃない人わからないネタですみません。言ってみたかっただけなんです)

贅沢にもミドル80’sの旧チャーチの箱の上でデモンストレーションをする私…(笑)

本題に戻して…要するに、容器を垂直にして、靴にポンポンとするのです。そうすると、この写真のように一滴くらいちょろっと出てきます。

一滴は量にして小指の爪くらいです。

ぼーっとしていると、あっという間に浸透していってしまうので、これを手早く全体になじませていきます。

リッチモイスチャークリームは、手で直接広げるのがおススメです。

手がべたつくのが嫌だったり、アレルギーがあるという方は、ペネトレイトブラシや布で広げましょう。

リッチモイスチャークリームの適正量は、この小指の爪くらいの量。

これで片足1足分です。

一滴で十分なほど、クリームの伸びが良く、浸透力も抜群です。

久しぶりで、革が乾燥してるな~という場合には、靴の前の方に一滴と、靴の後方にもう一滴たらしてあげて、全体を手で馴染ませましょう。二滴も使えば十分です。

なお、これはブラッシングをしてあげた後の写真。

ブートブラックリッチモイスチャークリームの扱い方がわかってくると、そのあとのブラッシングだけで、この写真くらいの光沢感を出すことができるようになります。

光沢感もいいですが、革のしっとり感というのも見ていて気持ちのいいものです。

クリームがつけすぎても慌てないで。問題ありません!

この写真は、記事で事例を紹介するためにデモンストレーションした結果の写真です。

リッチモイスチャークリームを適量で使った場合の右足

リッチモイスチャークリームを過剰に(五、六滴ほど)使った左足

の比較写真です。

クリームを塗布した後にブラッシングしています。

見比べてみると、左足は水分が入りすぎて、革全体が白っぽくなっています。

それに対して、右足はきちんと黒々としていて、光っています。

ですから、普段のメンテナンスにおいては、リッチモイスチャークリームの量は片足一滴、せいぜい二滴で十分なのです。

リッチモイスチャークリームを初めて使う時、クリームが比較的さらっとしている個体の場合、量が多く出てしまうことがあります。

クリームが付きすぎた!!どうしよう!?と焦らずとも大丈夫。

革に悪影響はありません。

ちょっと白っぽくなりますが、その分革も潤い、次の保湿までちょっと長持ちするくらいです。

プレメンテの際はたっぷり惜しみなく使う!

ブートブラックリッチモイスチャークリームは、私の中で、もはやプレメンテ必携のシューケアアイテムとなりました。

その高い保湿効果は、革を柔軟にさせる効果があります。

そのため履き下ろしの際、ガチガチに硬い靴でも、少し柔らかく履き始めることができます。

さらに革本来のしなやかさが生まれるため、変な履き皺が入る恐れが一気に少なくなります。

そのため、新品の靴を履き下ろす時だけは、リッチモイスチャークリームをこれでもかとぶち込みます!

もうベタベタです(笑)手もベタベタ(笑)

でも、これくらい用心して塗り込んであげるくらいでちょうど良いです。

新品の靴は意外と乾燥していることが多いのです。

革が乾燥している状態でむりやり履き始めてしまうと、ヘンテコな履き皺が入ってしまいます。

トランキーロ。ピカピカ新品の靴を早く履きたいはやる気持ちを抑えてしっかり保湿することで、後々の見た目と履き馴染ませるまでの時間の短縮を得ることが出来るのです。

特にビンテージシューズのデッドストックは革が深刻なレベルで乾燥している時があるので、オイル漬けとでも言わんばかりにつけこんでいきます!(笑)

このように、目一杯リッチモイスチャークリームをつけても、白っぽくなって、光沢感がしばらくなくなり、しっとり感が続くくらいなので、ちょっと量が出すぎた場合でも焦らなくて大丈夫です。

なお、新品の革靴の履き下ろし前のお手入れ、プレメンテに関しては詳しく当サイト内別記事にて解説していますので、そちらもご参考ください。

→革靴の履き下ろし プレメンテについて プレメンテで履き下ろす時の苦労も減らせます

シミにもなりづらく、シミ防止にも使えます

断言は致しかねますが、経験上よほど状態の悪い革でない限り、リッチモイスチャークリームがシミになることはまずありません。

色味の薄い茶靴などに使っても、一瞬色味がこくなったり、一部がシミっぽくなるようにみえますが、きちんと浸透して、シミとして残ることは滅多にありません。

メンテナンスの時にやりがちなのが、伸ばしきれず、うっかり一箇所にクリームが固めてしまうこと。

しかし、そんな時でもリッチモイスチャークリームはまずシミになることはありません。

みなさん、意外とご存知ない方が多いのですが、靴クリームを使ってシミになるケースのほとんどが、乾燥している革にいきなり色付きのクリームを入れてしまうからなんです。

乾燥しているところに、染料や顔料が毛穴の奥に入ってしまうため、そこだけ黒ずんでしまったりするわけです。

対して、水分も適度に配合されたデリケートクリームを使って革を保湿してあげると、革も均一に毛穴が開き奥までクリームが浸透するようになるため、シミにはなりにくくなります。

この差はめちゃくちゃ大きいです。

ですから、リッチモイスチャークリームのようなデリケートクリームは、シミになりにくい上に、靴のシミを防止する効果もあるんですよ。

靴を大切に扱おうと決心されたのであれば、もはやデリケートクリームは必携です。

使わないという前提は私の中ではありません。

色付きのクリームと併用して完璧なお手入れが完了します

リッチモイスチャークリームは透明なクリームです。そのため、どんなカラーにも使えます。

とはいえ、その目的は保湿が本分。

直接光らせるためのクリームではないのです。

手っ取り早く光らせたりするものではなく、靴を愛でるために存在するクリームなのです。

その点を理解し、メンテナンスを行う際、このリッチモイスチャークリームを使った後は、必ず色付きの油分の強いクリームを使って、見た目もビカビカにしてあげましょう。

なお、仕上げ用にはイングリッシュギルドクリームをおススメしています。

光り方が尋常じゃなく、誰でも簡単にビカビカにすることができます。

このリッチモイスチャークリームとイングリッシュギルドクリームの組み合わせは、靴磨き職人泣かせのタッグ。

さながら、アントニオ猪木とジャイアント馬場のBI砲ばりの最強タッグなのです!(言い過ぎ)

ブートブラックリッチモイスチャークリームを使っての感想

メリット

  1. 浸透力が高い、最強
  2. ごく少量のクリームで全体が潤う
  3. 革がふっくらと柔らかくなる
  4. 履き下ろす前の靴擦れ防止として使える
  5. おそらく保湿の点で最強のデリケートクリーム
  6. プレメンテで使うのに最も適したクリーム
  7. シミになりにくい
  8. むしろシミ防止になる
  9. 手染めの靴の色味を飛ばしてしまうことはない

デメリット

  1. 強い光沢感はでない
  2. 光沢感を短い時間の間で得られない
  3. 他のクリームと併用することが望ましい
  4. ちょっとべたつく(手に取った場合)
  5. 容器から出にくい(使い方がわかればデメリットではありません)

ブートブラック リッチモイスチャークリームの評価

5点中4.9点!

もうこれ以上ないデリケートクリームだと思います。革が柔らかくなる感じが、他のどのデリケートクリームを使っても得られないレベルです。

もし買った靴が痛いようであれば、このクリームを塗るだけで解決できるくらい素晴らしいですよ。

欠点としては、あまり光沢感が出ないため、このクリームだけでは靴がピカピカにできないところです。

しかし、それは色付きの乳化性クリームや油性クリームで補えばいいだけの話なので、大きなデメリットにはなっていません。

このクリームをもっていない人はぜひ使ってみてくださいね!

本当に素晴らしいんですよ。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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コメント

  1. テト より:

    リッチモイスチャー良さそうですね。今度購入してみようと思います。
    Googleで、『ブートブラック リッチモイスチャー』と検索しましたら上から6つ目にこちらのサイトが出てきました。アーティストパレットの記事でしたが。すごいですね。
    これからも拝見させていただきます。ご無理のない範囲でご活動を心よりお待ち申し上げております。

    • バーリーコーン より:

      テト様
      ありがとうございます。恐縮です。
      リッチモイスチャークリームは使いだしたら、他のデリケートクリームは使えなくなりますよ~。

  2. naokick より:

    お初でコメントさせていただきます!
    実はちょこちょこ読ませてもらっていて参考にしてました。
    今回こちらの記事で、このリッチモイスチャーをオーダーしました!
    とても興味深く、使うのが楽しみです^^
    あと余談ですが、インスタもやってますのでよかったら
    アクセスしてください!(IDは、_naokick_ です)アイコンがシャンボードですw
    フォローなどで繋がれれば嬉しいです^^
    宜しくお願いします。

    • バーリーコーン より:

      naokick様
      コメントありがとうございます。
      パラブーツお好きなんですね!リッチモイスチャーはまず失敗が少ないクリームですから、パラブーツにも使ってみてください。
      インスタは残念ながら「見る専門」で登録はしてないんです。また気が向いたらやってみようかな…?と思っています。