シューキーパーは靴の必需品!そのシューキーパーも使うものによって恐ろしく差が出てきます…。
お待たせいたしました!以前話していたとおり、
本格シューキーパーと簡易シューキーパーの差がどこに出るかを検証してみました!
自分の愛用している靴を犠牲にしてまで、今回この企画を実行しましたよ…。
真実を伝えるにはこうするしか仕方なかった(ウルトラマンA最終回風)
目次
本格シューキーパーとは
まず、ここでいう本格シューキーパーとはどんなものを指すのか明確にしておきます。
本格シューキーパーとは、きちんと足型になっている木製シューキーパーのことを指します。
このタイプは足型になっているゆえに、きちんと靴の木型にあったものであれば、過度なバネの力などを借りずとも靴の反りかえりと皺を伸ばすことが可能です。
また全体が木によって出来ているため、湿気を吸い取る効果も期待できます。
今回使用したのはコロンブスのクラシックシュートリーです。
簡易シューキーパーとは
逆に簡易シューキーパーとは何を指すのか?
先端の部分だけ木製の足型になっていて、そこから後ろが全部バネになっていて、踵の固定をする部分がボール状になっているキーパーのことを指します。
こんなやつですね。100円均一ショップでも見かける、ごくごく簡素なシューキーパーです。高くても1000円前後で購入できるため、ついつい買ってしまいがちなシューキーパーです。
今回使用したのはR&Dから販売されている簡易式の全バネシューキーパーです。
この企画をなぜ考えたのか?
そもそもなぜ私が今回自分の靴を使ってまで、本格シューキーパーと簡易シューキーパーの効果の比較をしたのか?それは、友人が簡易式シューキーパーを家で無造作に靴に突っ込んでいるのを見たところからはじまります。
革靴は馴染みによって、その形を変える特性があります。
ですから、靴の木型に合わないシューキーパーを入れていたら当然靴に不備が出始めるだろうということは少し考えればわかることです。
それなのに、なぜよりにもよって靴の木型に合わせる気などサラサラないこの簡易式シューキーパーを入れてしまう人がいるのか考えたのです。
それは以前の記事でも持論を述べていますが、結局のところ
知らないから
という理由が一番に来るのでしょう。
この「知らないから」という理由がこのサイトを見て、少しでも減ってくれたらいいな~と思い、この企画を考え付いた次第だったのです。
本格シューキーパーと簡易シューキーパーの是非を問う以前に、「知らない」「興味がない」という理由がなくなっていけば嬉しいですね。
そして、実際に革靴にいれて使用すると、どのような差が出るのかをハッキリとこの目で確かめてみたかったのです。
比べるポイントは3つです!
さて、実際に実験する前に、どのポイントを比較していくのか…3ポイントに絞ってみました!
①型崩れを防止できているか(反り返りなどが抑制で来ているか?)
②逆に型崩れを誘発していないか
③シワはちゃんと伸びているか
どれも大切なポイントですね。この3ポイントがクリアできていれば、別に簡易シューキーパーでも使用しても問題ないということです。
今回比較した条件は以下のとおりです。
A:使う靴は同じペアの靴
B:1日履き、帰宅して脱いだ後にすぐシューキーパーを装着。(左足に簡易シューキーパー、右足に本格シューキーパー)
C:装着した状態で2日間放置
それでは早速比較をしていきたいと思います。
①型崩れを防止できているか(反り返りなどが抑制で来ているか?)
左足に簡易シューキーパー、右足に本格シューキーパーを入れたものです。
右足の方が明らかに反り返りがなくなっていますね。靴の反り返りを放置しておくと、汗が蒸発して、その形で固まってしまうのです。シューキーパーを入れずに、崩れた形が癖づいてしまった靴…。
そこに足を入れると、皺がただでさえ深く入っているのに、その深い皺が元の位置に戻ろうとして、強い負荷がかかります。
これこそがクラックの原因なのです。
そういった観点で見ると、やはり反り返りを抑制できる本格シューキーパーを装着するのは、革靴の延命につながる正しい行為だということがわかります。
②逆に型崩れを誘発していないか
雑誌はおろか販売店やネットショップですら、「簡易シューキーパーを長期保管用として使用すると型崩れを引き起こします」といういやに脅迫めいた注意書きを見かけます。販売してるくせに何を言ってんだ…という意見はひとまず置いておいて(笑)
今回実験してみて、その脅迫めいた注意書きも、あながちその脅し文句くらいでちょうど良いくらいだと感じるほどの結果を得ることができました。
特にその差が顕著に出たのは、踵の部分でした。これは予想していましたが、ここまで差が出るとは…。
簡易シューキーパーは、購入してからその使用が返って靴を傷めるということを販売員さんから聞いて以来、2度は使っていなかったので、こんなに差が出るとは思いもよらなかったです。
こうやって見ると本格シューキーパーは、靴の踵の形状に沿うように、円を描きながら、バネの力を一点に集中させず、うまく分散させている印象です。
しかし、簡易シューキーパーは、ボール状になっていて、力がかかる箇所がほぼ一点。全体がバネで出来ているため、バネの反発する力が強くかかってしまい、踵がくちばしのようにとがっています。
そして全体図。踵の形が見事に変形してしまいました( ;∀;)
踵の芯は割れたら修理するのが難しい箇所。
たった2日間なのに恐ろしい…。いや、本当に2日間だけにしておいてよかった…。
あと写真だとちょっと伝えりにくいかと思うのですが、簡易シューキーパーは、その製品の仕組み上、くの字に曲がるため、バネの力が空を目がけるように、上の方向に力がかかります。そのため、紐を通している部分が妙に張ってしまっています。
型崩れが誘発されてしまっています。
対して本格シューキーパーは自然な感じで型がぴったり保持されています。
③シワはちゃんと伸びているか
おや?簡易シューキーパーの方が、甲の部分のシワも目立たなくていいんじゃないの?
いやいや一番見たいのは、ボールジョイント部分のシワ!
親指と小指の付け根の部分のシワがきちんと伸びているかが重要です。一番クラックが起きやすいのが、この部分ですからね。
その視点でサイドからの写真を再度チェックすると…
小指の付け根の部分のシワが簡易式シューキーパーの方が強く残ったままになっていますね。
これでは、あまりシューキーパーを入れている意味がありません。
結論
比較してわかりましたね。
やっぱり靴に入れるべきなのは
本格シューキーパーだということ!
せっかくお金を出して買っても、逆に型崩れを誘発していたのでは話になりません。
どうしてもシューキーパー代を浮かしたいというあなたへ
そうは言っても、本格シューキーパーは高いというのは事実。
私はおすすめしませんが…
全バネ式のシューキーパーを入れて、お金も失い、靴は型崩れを起こすというのであれば、新聞紙でも丸めて突っ込んでおいた方がマシなのかもしれません。
最後に改めて言いますが、靴を長持ちさせるにはシューキーパーは欠かせません。
靴をいつまでも使い捨てにするライフスタイルにするのが良ければ、それでもいいのかもしれません。
しかし、その生活の行く先は何なのでしょうか?決して否定するわけではありませんが、そんなスタイルは自分の軸が全くないような気がしてなりません。手元に残らないような、虚しさを感じます。
第一、革靴は履きならすのに時間のかかるもの。それをまた一からやり直してばかりいたら、足にも悪そうだなぁ。
履きなじんだ靴を手入れしながら履くのって、結構楽しいですよ?
別に高級な靴を買わなくたって、シューキーパーを入れてあげるだけで全然持ちが違いますし、モノに愛着を持つことって結構いいことだと思います。
最後に…
この企画をとおして、シューキーパーに対する理解が深まることを願います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。