革靴の手入れ 乳化性クリーム 油性クリームとは

さてさて、連日に渡って革靴のお手入れ用ブラシに関してお伝えをしてきました。また、ステインリムーバーについても、ひとつ私個人の意見を述べさせて頂きました。

今回は革靴のクリームについて、私のオススメの革靴クリームも含めて、連載していきたいと思います。

まず第一回目は、乳化性クリームと油性クリームについて、紹介していきます。

目次

革靴用のクリームには2種類のタイプがあることをご存知ですか?

まず、革靴には2種類のタイプのクリームがあります。それが乳化性クリームと油性クリームです。この違いを知っているか、知っていないかで手入れのレベルが変わるのは間違いありません。

また、乳化性クリームと油性クリームについて知れば知るほど、自分がどういう手入れをしていきたいのかを、靴によって選んだりすることができます。

例えば結婚式に行くときは、マットで自然な感じではなく、全体的に光沢感を表情に出して、綺麗に革靴をメイクアップして行きたいときは、油性のクリームを使う…といった感じです。

それでは、それぞれのクリームの違いをみていきましょう。

①乳化性クリームとは

乳化性靴クリームを構成している主要成分は「水・油・蝋」です。

革を乾燥やヒビ割れから守るように、水分と油分がバランスよく調合されています。

塗った後の感じとしては、革の地肌から、自然な光沢感がでることが特徴です。表面に適度な艶をもたらすのが役割となります。

乳化性クリームの代表商品はこちら

ブートブラックシュークリーム

②油性クリームとは

油性靴クリームを構成している主要成分は「蝋・油」です。

乳化性クリームと大きく違うのが水を含まない点です!

革の風合いや状態を維持するタイプのクリームではありません。

その強い油分により、被膜が張ります。被膜が張ることによって光沢が生まれます、見栄えを良くする役割を果たし、水を弾く効果も乳化性以上に期待できます。つまり防水効果が得られるということですね。

油性クリームの代表商品はこちら

サフィールノワール クレム1925

そのため、この2種類のクリームにおいて、大きな違いとなるのは

水分が含まれているか、含まれていないか、という点なのです。

革に優しいのは乳化性クリーム

水分が含まれているので、革がふやけます。革がふやけるということは、毛穴が開くという事。革の奥まで、養分やロウが浸透するという事です。これによって、革の状態がより自然な状態で保つことを手助けしてくれるのです。

乳化性クリームには水分が含まれている為、瓶のふたを開けっぱなしにしたりすると、水分が蒸発し、カピカピになってしまいます。カピカピになってしまうと、そのあと水や溶剤を足しても元のクリームの状態には戻りませんので、製品としてはTHE END。買い直すしかありません。

長持ちさせる裏技をここでちょっとご紹介。

瓶を逆さにして保管してください。

蓋の方を地面側にすると水分が蒸発しにくくなるので、長期間保管する場合は有効です。

水分が足りなくなると、革はあかぎれのように裂けてしまいます。

これをクラックと言いますが、クラックが発生してしまった靴は直しようがありません。寿命を迎えた形になります。(クラックを埋める施術もありますが、これは根本的解決になりません。このことについてはまた改めて触れたいと思います。)

ですから、革靴の寿命を延ばし、長く履きたいということであれば、絶対にこの乳化性クリームを使うべきだと私は強く推奨します。

乳化性クリームの最大のメリットは、

革に優しく、クラックを遅らせ、革靴の寿命を延ばすことになります。

デリケートクリームは乳化性クリームの中でもさらに保湿に特化しています

乳化性の中でも、特に保湿・保革に優れたクリームがデリケートクリームと呼ばれるものです。

これらのクリームには、配合されている天然由来成分の多くが革に適度な潤いを与え、抗酸化作用により革のクラックを遅らせることを目的としています。

その代表格がブートブラックリッチモイスチャークリーム

そしてコロニル1909 シュプリームクリームです。

特にブートブラックリッチモイスチャークリームは、抗酸化作用に優れたアルガンオイルが配合されているため、革の劣化を遅らせる効果がとても高いのです。

デリケートクリームは革を柔らかくする効果もあるため、最初靴を履き馴染ませる時にも有効に使うことができます。

→革靴を履き下ろす前のプレメンテについてはこちらから

ただし、デリケートクリームは革に光沢感を与えることが目的で、キレイに光らせるための物ではありません(コロニルのシュプリームクリームはちょっと例外です)。

デリケートクリームを入れると、革に水分が入るため、若干白っぽくなるのが特徴です。

デリケートクリームだけでは、見た目のお手入れまでは完璧にならないので、必ず色付きで、ロウ分が多く配合されているクリームを使ってあげましょう。

同じ乳化性クリームでも、デリケートクリームとそうでないものでは、保湿に大きな効果の差がでてきます。

ちょっと手間と費用がかかりますが、必ずデリケートクリームと革を光らせるためのクリーム(乳化性・油性どちらでも可)の両方を揃えるようにしましょう。

このひと手間が靴の寿命を大きく左右することになります。

革に光沢感を与え、防水効果も期待できるのが油性クリーム

乳化性クリームに対し、より強く光沢感を出すことができるのが油性クリームです。

見た目が綺麗に整うので、靴磨きをする人にはおなじみのクリームです。

それはそうでしょう。油の固まりなのですから。保湿効果はあまり期待できないのが正直なところ。

水が使われていないので、水分が蒸発していかないのです。そのため、しっかり瓶のふたを閉じておけば、たとえ10年後でも何ら問題なく使えるのです。

油性クリームの最大のメリットはピカピカに光ること。

鏡面磨きの際は、固形のワックスを使用しますが、この油性クリームを使えば、重ね塗りをしていくことで鏡面磨きが出来てしまうほどです。

また、油ですから水にも強いです。多少の水分くらいでしたら、弾くようになりますから、防水効果も期待できます。

乳化性にない最大のメリットは、靴の見た目がピカピカになって、とてもきれいに見える事です。

じゃああなたはどちらがおすすめなの?

これは何を優先するかによって、全く話が変わってくるので、一概には言えません!笑

と、この答えではあまりに無責任なコラムになってしまいますので、個人的な感想を申し上げますと…

乳化性クリームだけは絶対に外せない

ということです。

私はグッドイヤーウエルト製法で作られた、イギリス製の靴が大好きなのですが、いくら革そのものが厚く上質で、製法も頑丈でオールソールできる靴だとしても、革がクラックしてしまったら一巻の終わりです。

乳化性クリームに分類されるクリームの1つにデリケートクリームがありますが、革に水分がないと、ガサガサになっていき、屈曲によってつくシワから革切れが起きてしまいます。

しかし、油性クリームの光沢感は乳化性クリームに出せないもの。クリームが水に溶けだしにくいので、光沢感も保ちやすいのがメリットです。

ですから、デリケートクリームで革に適度な水分を与えてから、油性クリームでパキッとつやつやにするというお手入れはおススメです。

いかがでしたか?

革靴のクリームは2種類あるという基本的なところをまず抑えましょう!

様々なメーカーから多様な種類のクリームが販売されていますが、自分で色々と試して使ってみて下さい。

私がおすすめする最強の靴クリームもまた後日ご案内しますね。

→最強のデリケートクリーム ブートブラックリッチモイスチャークリームはこちらから

→最強のメイクアップクリーム イングリッシュギルドクリームはこちらから

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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