クロケット&ジョーンズ×オリエント急行殺人事件 使用モデル第5弾を今回紹介します。
今回紹介するのはフォーマルシューズのOverton(オーバートン)です。
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この靴は礼装に合わせるのが無難です。ふと思ったのですが、クロケット&ジョーンズやチャーチ、ジョン・ロブは映画の衣装として使われたという話を聞きますが、エドワード・グリーンオリジナルの靴(ラルフローレンネームだとか、ポールスチュアートネームとかでなくて)が映画に使われたという話って聞かないですよね。
一体何故なのでしょうか…
クロケット&ジョーンズの営業の方がやり手だというのもあるでしょうが、いくら営業が上手くても中身がしっかりしていなかったら採用されるわけもありません。
クロケット&ジョーンズの靴はかつてのOEMメーカーのイメージは完全に脱却し、今や世界的支持を得た、モダンな靴を生み出すイギリス靴ブランドになったと改めて認識をするべきということなのでしょう。
さてさて、Overton(オーバートン)の概要をみていきましょう。
目次
Overton(オーバートン)の概要
オーバートンはラスト341を使用したエナメルの内羽根プレーントウの靴です。
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内羽根のプレーントウはもともと貴族が履いていた靴で、軍事用に作られたストレートチップに比べても(ストレートチップのキャップの由来は、戦争のために行進しているとつま先が傷つくため、それを補強するために革を1枚あてたところから来ているそうです)、よりフォーマルな靴になっています。
燕尾服、モーニング、タキシードなどの礼装に合わせる格式高い靴で、その格式の高さは最もフォーマルとされる、エナメルのオペラパンプスと同格です。
このラスト341は、前回紹介した、同じくオリエント急行殺人事件使用モデルのフィンスバリーにも使われています。
ラスト341の中庸的な丸いトウと程よいノーズの長さは、このフォーマルシューズに合わせてもバランスよくまとまります。
フィンスバリーはウイングチップなので、このオーバートンのエナメルの内羽根プレーントウというデザインとは相反するデザインです。、ラストが同じでも、デザインが違えば、これだけ見え方が変わるというのが面白いところですね。
このオーバートンはフィンスバリー同様、メインコレクションの靴になります。
そのためソールは出し縫いを隠していないオープンチャネル仕様。そしてグッドイヤーウェルト製法によって作られています。
こういったフォーマルシューズは薄いソールに接着剤で圧着したセメント製法が主流です。
(エドワード・グリーンやチャーチの同様のデザインの靴は圧着で作られています。)
その理由はやはり出来る限り華奢でドレッシーに見えるようにするためです。
しかしこのオーバートンはグッドイヤーウェルト製法、しかもオープンチャネル。せっかくならヒドゥンチャネル仕様にしてほしかった…。
クロケット&ジョーンズのホームページによると、グッドイヤーウェルト製法の中でも軽いように作られているようですが…。
エナメルの内羽根プレーントウは礼装に合わせて履く靴です
このオーバートンの靴は、やはり礼装を着る際に合わせる靴です。
ビジネススーツやカジュアル使いでは、その格式の高さゆえに足元がかしこまりすぎて、逆に浮いてしまいます。
タキシードなどにあわせて、格式高い結婚式に臨みましょう。
劇中ではどのような服装にあわせているか今のところ私はわかりませんが、どのような俳優がどのように履いているにしろ、それは映画での話。
映画俳優でもない限りは、礼装に合わせるべきです。
今こちらのモデルは日本の通販サイトなどでは扱っていないようです。
逆にこういったフォーマルシューズは探すと見つからなかったりするものです。
お探しの方はクロケット&ジョーンズのホームページから問い合わせてみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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