いや~とうとう公式トレイラーがお披露目になりましたね。
2020年はオリンピックの100倍こっちのほうが私は楽しみです。
007 NO TIME TO DIE
ダニエル・クレイグ版ボンドの最終作品となります。
2015年公開のスペクターでわかったことですが、ダニエル・クレイグ版ボンドが関わった全ての事件にスペクター統領ブロフェルドが暗躍していたのです。
長年のファンであれば慰めの報酬まで見れば、スペクターがいつか絡むはずだと思っていたはずです。
かくいう私もそんな一人。ショーン・コネリー版ボンドのスペクターよりも、時代感を反映させてか残酷な感じになっていますよね。
シリーズ第三作のゴールドフィンガーは唯一ショーン・コネリー版ボンドの中ではスペクター絡みではない事件なので、ある一人の俳優がボンドを演じる中で、全ての作品においてスペクターの影が見えるのは、実はダニエル・クレイグ版ボンドが初となります。
NO TIME TO DIEの公式トレイラーでも勾留されているブロフェルドが出てきますし、やはり何らかの悪さはしているという感じなのでしょう。
目次
歴代ボンドの靴
ボンドファンであれば、いったい彼がどんな靴を履いているのかが気になるのではないでしょうか。
人気のジェームズ・ボンドも演じる俳優と時代が変われば、履く靴も変わります。
ショーン・コネリー版
ショーン・コネリー版ボンドのスーツはアンソニー・シンクレアで仕立てたビスポークスーツでした。
いわゆるコンジットカットというものです。
7㎝幅のやや細身のラペルに対し、胸周りはきちんとドレープがあり、深いVゾーンがミニマルさのなかに少しの華とたくましさを強調する傑作のスーツです。今見ても古臭く見えないというのが驚異的です。
この60年代は細身のラペルが流行った時代で、決してコネリーが特別細身のラペルのスーツを着ていたわけではありません。この時代のスーツは今見てもモダンです。はい。
柄はネイビー、濃淡様々なグレーのスーツを着ていました。
遠目から見ると無地に見えるような柄の繊細なものが多く、ヘリンボーン、シャークスキン、目立たないグレンチェックなどが特徴的です。
個人的に、初期4作は全て微妙に形の違う(フラップがあったりなかったり、ベンドがあったりなかったりとか)チャコールグレーのフランネルのスーツを着ているのが印象深いです。
これは間違いなく英フォックスブラザーズのフランネルでしょう。何かの確証があるわけではないですが、雰囲気がどう見てもフォックスブラザーズのフランネルのそれです。
まあ、イギリスにおいて、フランネルを使うのであれば、フォックス以外をあえて選ぶ理由がどこにあるのかという話なのです。
さて、ここまでスーツのことはわかっているのにもかかわらず、靴に関してはいまだに謎が多いです。
初代のショーン・コネリーはジョン・ロブ・ロンドンのビスポークシューズ「だろう」と言われています。
これはテーラーのアンソニー・シンクレア、シャツメーカーのターンブル&アッサー以外の服飾品を用意している写真が残っていないことがひとつ理由としてあります。
また、足元はほとんど映し出されていないというのも理由です。
…なかには実際にビスポークしたものもあるのでしょう。
「ダイアモンドは永遠に」では確かにジョン・ロブのビスポークシューズを履いていたそうです。
ですが、シリーズ初期の5作目までは全くそこのところは不明瞭。
有名なゴールドフィンガーのブラウンのバーリーコーン柄ツイードジャケット、キャバリーツイルのフロッグマウストラウザーズにスエードの2アイレットダービーの靴をみると。このスエードの2アイレットダービーの靴はゴム底であることがわかります。
わざわざジョン・ロブ・ロンドンでゴム底の靴を果たして作るでしょうか?
同一の物かわからないですが、コネリーが空港からロケ地に入るオフショットに似たようなスエードのダービーシューズを履いているのですが、どこからどう見てもカジュアル靴で、やはりビスポークシューズには見えないのです。
なお、コネリーのオフショットに3アイレットのストレートチップのダービーを履いている写真が残っていますが、劇中でもよ~く見てみると、3アイレットのストレートチップのダービーを履いているのがわかります。
あとはゴールドフィンガーで有名な靴底に発信機を入れるドレスシューズはポインテッドトウの2アイレットのプレーントウダービーでした。これも踏まずの部分に刻印が入っていたりして、ちょっとビスポークシューズっぽくないような気もします。
憶測ばかり話していても仕方ないので、説明は端折りますが、3アイレットのストレートチップのダービー、2アイレットのプレーントウダービー、3アイレットのプレーントウダービー、センターエラスティックのフォーマルスリッポン、アンクル丈のサイドゴアブーツ、センターエラスティックブーツといったものが、コネリーが愛用していた靴です。
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色は全て黒で、共通しているのは、ブローグなどの装飾が一切ない、極めてストイックなプレーンシューズだというところです。
これが原点にしてボンドの全てなのではないかと勝手に個人としては思っています。
ロジャー・ムーア版
2代目のジョージ・レーゼンビーは割愛します。あ、ちょっとだけ触れるとスエードのシングルモンクやジョージブーツを履いていますね。たった一作しか出ていないので、今回は完全に省略です。すみません。
さて、3代目ジェームズ・ボンドのロジャー・ムーアは、強すぎるショーン・コネリー版ボンドのイメージを刷新しようと、ひいきのテーラー、シリル・キャッスル、ダグラス・ヘイワードのビスポークスーツ、ジャケットスタイルを主に愛用していました。
肝心の靴はというと、原作小説を書いていたイアン・フレミング版ボンドの装いにある「ボンドは紐靴が嫌い」「黒のモカシンシューズ」を彷彿とさせる、黒のコインローファーを履いているシーンもありました。
まあ、正直あんまりカッコよくないです。
原作小説版のボンドの服装スタイルはちょっと変なので、その点ショーン・コネリー版ボンドはうまくその点を踏襲しつつも修正したな、といつも感じます。
そこを対比させるようにロジャー・ムーア版ボンドはグッチやフェラガモのビットローファー、サイドビットローファー、タッセルローファーを履いていて、ちょっと色気に走っているのが特徴です。
70年代~80年代らしいスタイルといえます。
ティモシー・ダルトン版
故ダイアナ妃から、当時最も原作に近いボンドだと言われたのがティモシー・ダルトン版ボンドでした。
ですが、ティモシー・ダルトンはビスポークがあまりしっくりこないようで、既製品のスーツを着ていました。
これがまあ、見事にその時代を切り取ったスタイルになってしまっていて、はっきり言って完全にダサいです。
全く身体に会ってないし、服装も80年代の洋楽のミュージックビデオそのまんまでエレガントさの欠片もありません。
ある意味では、公僕であるボンド本来の姿といってもいいかもしれませんね。
そんなティモシー・ダルトンのボンドはあまり靴が写るシーンはありませんが、黒のコインローファーを履いています。真ん丸で不格好。
ピアース・ブロスナン版
90年代から2000年代初頭に活躍した5代目ボンドのピアース・ブロスナン。
ティモシー・ダルトンですっかり元気をなくしてしまったシリーズに息を吹き返させた立役者です。
スーツはブリオーニのビスポーク。
コネリー版ボンドを彷彿させるようなストイックで現代的な、遠目からは無地に見えるような柄のスーツを着ていました。
服地にはバウアー・ローバック、スコフィールド&スミス、ウィリアム・ハルステッドといったイギリスの良心ともいえる服地ブランドばかりがチョイスされています。
コネリーと決定的に違うのが色合わせです。どちらかというとネクタイも斬新な柄なんかもあって特徴的です。
ちなみにそのネクタイはターンブル&アッサーのものなのですが、いまだに購入できますよ。
そしてピアース・ブロスナン版ボンドの履いた靴といえば、チャーチです。
ここもイギリスの良心といえるものをチョイスしていますね。
ディプロマット、チェットウィンドといったチャーチの永遠の代表作も履いています。
ダニエル・クレイグ版
そしてダニエル・クレイグ版ボンドですね。
最初の頃はあのタイトでピッタリしたスーツがカッコいいと思いましたが、最近はちょっとトゥーマッチすぎるような気がします。
あんまりビタビタなのもオカシイですよね。特に50周年記念作のスカイフォールのスーツなんかは今見ると、ちょっとやりすぎな気がします。
いや、あれが本当にかっこよかったんですけどね。カッコいいけど、時代を超えるパワーはないと感じてしまいます。
そんなダニエル・クレイグ版ボンドのスーツはカジノ・ロワイヤルだけブリオーニ、あとは多くがトム・フォード製、いちぶブルネロ・クチネリ、そして今回ではマッシモ・アルバのものもチョイスされているとリークされています。
そんなダニエル・クレイグ版ボンドの靴も、初期はブロスナンと同じくチャーチですね。
ライダーⅢも履いています。
そしてスカイフォールからはクロケット&ジョーンズの靴を履いています。
コネリー版ボンドを意識しているのでしょうか?
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ハイバリーなんかを履いていますね。3アイレットプレーントウダービーですよ。
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外羽根のストレートチップであるノリッジ もそうです。
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ホールカットのアレックスも研ぎ澄ましたプレーンシューズということで、やはりコネリーボンドの服装を踏襲しているのでしょう。
みんなダイナイトソール。現代版ボンドは現実的ですね。
さて、今回のNO TIME TO DIEでは、ドレイクスのへんてこりんなモックトウチャッカブーツを履くようですが、ドレスのシーンにおいては、またまたハイバリーを履いています。
この前チャールズ皇太子が撮影セットを視察に来た時に、ダニエル・クレイグが履いていたのがまさにハイバリー。
と、いうことでクロケット&ジョーンズのスポンサー活動も今回も継続なのでしょう。
ボンドらしさは、コネリーの時代から失われずにいたようです。
いや~、本当に来年の春が楽しみだなぁ。
何だかんだいって、どの時代のボンドの服装も気になってしまうのは男ならある程度共感していただけるのではないでしょうか。
皆さんもぜひボンドの服装をチェックしてみてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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