世の中で流行っているかはともかく、今各セレクトショップで推されているのが、シングルモンクストラップの靴です。
シングルモンクストラップの起源は、17世紀にMonk(修道僧)が履いていたバックル付きのシューズにあります。
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そういった背景もあってか、1940年代、アメリカではストレートチップやプレーントウ同様にシングルモンクストラップの靴はフォーマルシーンにも履かれていたようです。
確かに紐無しの靴の中では抜きん出てフォーマルな雰囲気のある靴となっています。
1980年代頃、フレンチアイビーというスタイルが人気を博し、そのスタイルに合わせて履かれていたのがシングルモンクストラップの靴でした。
今はそのリバイバルといったところでしょうか。これはBEAMSが特に推奨しています。
そのバックルが小ぶりであれば小ぶりであるほど、控えめでしっかりした印象となり、大ぶりになるほどカジュアルな印象が強まります。
今日の日本において、1940年代のアメリカ同様に冠婚葬祭といったフォーマルシーンに履く靴かというと、その印象はありませんが、冠婚葬祭を除いたあらゆる場面で活躍することは間違いありません。
いや、もしかしたら昨今のカジュアルな結婚パーティーなどでは小ぶりなバックルのシングルモンクストラップであれば、堅すぎず柔らすぎず、こなれた靴として活躍するでしょう。
さて、そんなシングルモンクストラップですが、流れは早いもので、すでに新たな一手を打ち始めているショップ、ブランドがあるものです。
目次
シングルモンク×フルブローグ
それがシングルモンクとフルブローグを組み合わせたデザインです。
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このHUMPHREYも前に紹介しましたが、ブリティッシュクラシックの王道です。
2015年~2016年頃に一瞬だけダブルモンクストラップシューズにフルブローグのデザインの靴が注目され、どこもかしこも多くのブランドで出していたスタイルですが、過度な装飾のためか、本当に一瞬で注目されなくなってしまいました。
それに対してシングルモンクにブローグのデザインはどうでしょうか?
最近出来たデザインかというと、そういうわけでもなく、昔からあるスタイルの靴です。
ダブルモンクよりも、くどさもなく、安定感があるデザインです。
シングルモンクの靴は不思議なもので、プレーントウとフルブローグ以外のデザインは不思議なほど当てはまりません。
パンチドキャップ、セミブローグのシングルモンクシューズもあるにはあるのですが、履いても全く締まりません。中途半端なんですね。
シングルモンクのような元々がシンプルだったデザインのモデルには、思い切って、装飾を増やした方が安定感が増すのでしょうか。
シングルモンクは基本、その羽根の部分がデザイン的に外羽根のVフロントになっています。外羽根のプレーントウと同じような括りで考えると、この現象には納得頂けると思います。
外羽根のVフロントの靴で、パンチドキャップトウやセミブローグはほぼ見かけませんが、まれに外羽根のVフロントにフルブローグは見かけますし、意外としっくりくるのです。
さて、シングルモンク×フルブローグで最も有名であろうモデルが、靴好きの方なら1度は聞いたことがあるだろう、チャーチのPiccadilly(ピカデリー)です。
ラスト73を使用しており、ラスト73のフォーマルともカントリーとも捉えることの出来る独特なフォルムにこの靴はまさにマッチングしていたのです。
先日投稿した記事においても、このピカデリーの復活を紹介しましたが、プラダ参入前のチャーチの定番メニューのひとつで、未だに根強いファンがいます。少し前にも当サイトでも紹介しています。
味は濃い目
復活を遂げたわけですが、なかなかに味の濃いスタイルです。
夏場のビジネスカジュアルに履くと、そのインパクトに足元が非常に目立つかもしれません。
しかし、きちんとコーディネートを構築できれば、これほど履いて面白い靴はないでしょう。
夏場の薄手の服装に合わせるのであれば、スーツの柄をグレンチェックやストライプなどブリティッシュな装いに合わせるといいかもしれませんね。
まだまだこのシングルモンクとブローグの組み合わせの靴は再び見かけ始めたという程度なので、特に注目も集めないままスルーされるかもしれません。
やはり履きこなすにはそれなりにお洒落度の高い人じゃなければハンドリングできないのは間違いないと思います。
でも、それくらいでちょうどいいのかもしれませんね。無理に流行らせようとするのでなく、通な方にウケる。そんな靴があっても良いじゃないですか。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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