革靴の中にはレザーソールのものがありますね。
革靴好きの中でたびたび議論になるのが…
そのレザーソールにラバー半張りをするか、しないかということ。
もうキノコ、タケノコ戦争のように、永遠に解決しない問題なんじゃないか(笑)と思いつつ、今回はラバー半張りについて私の持論をお話していきたいと思います。
目次
ラバー半張りのメリット・デメリットをまとめましょう
ラバーを半張りすることによるメリットは多いと私は思っています。
耐久性もグリップ力も得られますし、減ってくればラバーを貼り替えればいいですしね。
それは靴の寿命を延ばすことに繋がります。
私もこんな感じでよく張っています。
邪道だと言われるでしょうが、批判を恐れずにいいましょう!
私はラバー半張り大好きです!笑
しかし、そのメリットをもってしても、ラバー半張りを絶対に良しとしない人もいます。
なぜ、ラバー半張りを受け入れられない人がいるのか、その理由を探るためには、ラバー半張りをすることのメリット・デメリットをまとめる必要があります。
よし!それでは早速メリットとデメリットをまとめてみましょう!
ラバー半張りのメリット
- 耐久性があがる
- 防水性があがる
- グリップ力があがり、転倒防止になる
- 3回目くらいまでであれば、減ってきてもラバーを張り替えるだけで済む
- 靴の寿命が延びる
ラバー半張りのデメリット
- レザーソールの雰囲気が損なわれる
- 通気性が悪くなる
- 反りが悪くなり、硬い履き心地になる
それぞれのメリット・デメリットを列挙するとこんなところでしょうか。
メリットを考える
ラバー半張りのメリットを一言でいうと、機能面を向上させることが出来るということだと思います。
ラバー半張りをすると、間違いなくレザーソールのままでいるよりも、耐久性は上がります。ラバーの方がレザーに比べ、摩耗に強いためです。
当然雨水などの侵入も強く防水性も上がりますし、グリップ力が上がり転倒防止になります。
これらのメリットはレザーソールでは得られないものです。
革靴好きの方々であれば、ご存知であろうレンデンバッハのレザーソールやベイカーのレザーソールなどが使われているものであれば、相当に耐久性のあるレザーソールになることは間違いなく、すり減りにも異様に強いレザーソールなのですが、それでもゴム特有のグリップ力や耐水性には敵いません。
グリップ力でいうと、雨の日に駅構内やスーパー、コンビニのツルツルとした床の上を歩くときにはレザーソールでは滑ってしまいますし、水たまりに入れば、レザーから水が染みてきて、中底までぐしょぐしょということもあります。
特に滑るという点は思わぬ大怪我を招きかねないところです。
対して、ラバー半張りを施した靴であれば、この2つのウィークポイントを一挙に解決できるのです。
しかも減ってきたらまた新しいラバーを貼りなおせば、オールソールに至るまでの期間を先延ばしに出来るので、寿命が延びます。
私はこの靴の寿命を延ばすことができるというのが、ラバー半張りすることの最大のメリットだと思っています。
靴の寿命を縮める要因のひとつは、オールソールの作業。
特にマッケイの靴は甲革も含めて縫い上げているので、極力オールソールまでの期間を延ばしたいところです。
グッドイヤーウェルト製法でもオールソールをすれば、ウェルトに負担がかかりますから、なるべくオールソールの回数は増やしたくないものです。
ですから、オールソールまでの期間を延ばすことができる、ラバー半張りは素晴らしいものだと思います。
デメリットを考える
私、個人の感想としては、デメリットはレザーソールの見た目を損ねるという点が強く、あとの機能面でのデメリットはなかばこじつけに近いものがあると考えています。
まず機能面でのデメリットを挙げると、
硬くなり返りが悪くなるということと、通気性が損なわれるという点が挙げられます。
確かに半張りしたばかりの靴は、履き心地が若干硬くなり、屈曲性が悪くなるので、返りも出にくくなります。ですが、ゴムもだんだんと馴染みが出て、屈曲も良くなっていきます。
これは最初だけのデメリットだと思います。
また、通気性が損なわれるという点ですが、そんなに差を感じるものでしょうか?私はレザーソールの靴も、ラバー半張りを施した靴も履きますが、通気性に関して、両者の差を感じたことがありません。
もちろん物理的にゴムの層を貼っているので、底の通気性は悪くなっているはずなのですが、甲革から汗の水分は蒸発していきますから、結果としてそんなに差を感じません。
一番のデメリットは恐らくレザーソールの見た目を損ねるという点でしょう。
レザーソールの良い点のひとつは、その雰囲気の良さです。
高級感がありますし、結婚式などの厳粛な場においては、その佇まいをワンラックアップさせてれます。
そんなに靴の裏って見えるもの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、足を組んだり、歩いていれば結構裏も見えたりします。
ラバー半張り反対派の人は、この見た目の問題という部分を強く意識している人が多いような気がします。
私も結婚式などの場では、なるべくレザーソールのものを履いて、ビシッと決めたいという気持ちになるので、反対派の人の気持ちがわからないわけでもないです。
ラバー半張りに一工夫すれば見た目のデメリットも多少改善される
ちなみにラバー半張りを工夫すれば、その見た目のデメリットも多少改善されます。
半カラス風ラバーにしてみてはいかがでしょう?
こんな感じです。
逆にこのように仕上げれば、摩耗して消えてしまうレザーソールの半カラス仕上げも消えることがありません。
ラバー半張りをしたいけど、どうしても見た目を損ないたくない方はこんな感じで仕上げると雰囲気も保つことができるのではないでしょうか。
まとめ
ラバー半張りの是非について、メリットとデメリットを挙げてきました。
それぞれに色々な理由がありますが…
柔軟な発想で靴と向き合うことが大切なんじゃないかと思います。
レザーソールの雰囲気の良さは、やはりラバー半張りした靴には出せません。
しかし、ラバーを張ることによって得られるグリップ力、耐久性の向上という点は見逃せません。
例えば、グッドイヤーウェルト製法で作られた靴であれば、少しソールが薄くなり柔らかくなって穴が開きかけても、ラバー半張りを施せばオールソールをする必要なく、また履くことが出来ます。
ですから、大切な1足を長く履きたいのであれば、ラバー半張りすることを私は推奨します。
私は最初レザーソールで履き、その履き心地を楽しみ、ソールが薄くなってきたらラバー半張りをしてオールソールを極力しないようにして、革靴の延命を試みています。
どういう履き方をしたいのか?どういった対処が靴に、経済面に良いのか?
柔軟な発想で靴と向き合えば、革靴の履き方に広がりが出るはずですよ。
ラバー半張りに対して意固地に否定するのではなく、そのメリットにも着目してみると革靴との付き合いが深まるはずです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。