革靴の寿命を延ばす方法③靴紐を緩めて脱ぎ履きしよう!

夜、会社の同僚と出かける居酒屋。

座敷式の居酒屋に行くと、もちろん靴を脱がなければいけません。

その時、靴を脱ぐ動作を見ると、ある傾向に気が付くはずです。

それはほとんどの人が靴紐を緩めずに靴を脱ぎ履きしているということです。

これこそが革靴の寿命を著しく縮める原因のひとつです。

革靴の寿命を著しく縮めるのに、どうして多くの人が靴紐を緩めずに脱ぎ履きをするのでしょうか。

その理由は…

知らないから

もはや当サイトの決まり文句みたいになっているこの言葉ですね(笑)

考えてみれば庶民が革靴をようになったのは、アメリカ進駐軍による欧米化が進んだ太平洋戦争後の1950年代ころからになります。だからせいぜい日本人が日常生活で革靴に触れ始めたのは70年ほどの浅い歴史になるんです。誰から教わるわけでもなく、スーツを着て仕事をするようになった日本人は、スーツには革靴と、右へ習え状態でなんとなく革靴を履いたのでしょう。

そして革靴の正しい履き方もよくわからないまま、日本人は革靴を履き続けているのです。

目次

サイズの合った靴であれば紐を緩めずに靴は脱げない

そもそもサイズがピッタリ合った革靴であれば、紐を緩めずに靴は脱げません。

紐は、甲を固定し、カカトから前ずれしないように足をホールドするためにあるものです。

前ずれしないようにすることによって、捨て寸に足が入り、指先を傷め、タコやマメなどができることを防止します。

そんな重要な役割を持っている靴紐なのに、緩めずに靴が脱げること自体がおかしい話です。

ただ、紐を緩めずに脱げる靴を履いている人が多いというのは事実。

これはどういうことかというと、サイズが大きいものを選んでいるという証拠です。

恐らくスニーカーと同じ感覚で革靴を選んでいるのでしょう。

こうなると、足が革靴の中でブラブラと遊ぶようになり、靴はガニ股に着地したり内股に着地したりしてソールのすり減りも大きくなります。これもオールソールまでの期間を短くするものであり、革靴の寿命を縮める原因です。

紐を緩めずに脱ぎ履きするとカカトが壊れる

さて、紐を緩めずに革靴を脱ぎ履きすると、どのような不具合が靴に起こるのでしょうか?

まず、腰裏と呼ばれるカカトの内張りの革が破けが早まります。無理やり足を靴へと滑り込ませているわけですから、それもそのはずです。

こんな感じで丸く穴が空き始めます。このような状態になってきたら、革をあてて補強してあげなければなりません。そうしないとカカトの月形芯(カウンターともいう)が壊れてしまい、カカトが型崩れしてしまいます。月形芯の修理は非常に難しいものです。

カカトが壊れないように、気を配ることは靴の寿命を延ばすことにつながるのです。

なお、紐を緩めずに履こうとすると、カカトを踏んづけるような形にもなりやすいです。

もう、これに関しては論外です。語る必要もありません。

紐を緩めずに脱ぎ履きするとハトメまわりの革が裂ける

紐を緩めずに無理やり履くと、紐で固定されているところに無理やり足が滑り込んでいくので、紐を通すために空けられている穴=ハトメまわりに過度な負担がかかります。

最悪の場合ハトメ周りの革が裂けます。

革は裂けたら直せません。こうなるとあて革をしてハトメを補強するしかありません。

これも革靴の寿命を縮める原因です。

まとめ

革靴の寿命を縮める原因の1つに、普段多くの人が何気なく行っている、靴紐を緩めずに脱ぎ履きするところにもあることが分かりました。

かつて元総理大臣の小渕さんが、国際会議の際に紐を緩めずに履き脱ぎしていたのを見た諸外国の要人は「日本の政治家は靴の履き方も知らない」と嘲笑されたというエピソードがあります。

彼らは革靴との付き合いの歴史が長いのもあって、靴紐を緩めずに脱ぎ履きすることがどれだけ靴に悪いことなのかを、文化レベルで知っているのでしょう。

今これを見て、革靴の紐を緩めずに脱ぎ履きしている人は、すぐにその行動を変えましょう!

靴を長持ちさせる秘訣は、ほんの小さなことにあるのです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

スポンサードリンク



シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする