ここ最近のクールビズは進み過ぎてしまった感じが否めません。
9月も終盤を迎えた暑くない日でも、ネクタイを結ばずに半袖のシャツを着ているサラリーマンの姿は多く感じます。
地球の気候が大きく変わってしまっているので、だんだんとスーツを着なくなっていくのは、もはや逆らえない流れなのでしょう。この変革は必然なのです。そんな感じで、オンとオフの境目がなくなってきていると感じます(オフというよりだらしなくなっているような気がします)。
営業をしている友人に聞いてみても、ジャケットを羽織らない理由は…
「お取引先がジャケットを羽織っていないから、こちらも気を遣ってジャケットを羽織らないようにしている…堅苦しいし、暑苦しいから」とのことです。
一理あるし、もはや立派な理由な気さえします。
しかし、私は気を遣ってジャケットを羽織らないようにしているのは
自分が暑いのが嫌だから、楽なようにしたいだけなんじゃないかと思ってしまうんです。
いくら暑くて、ジャケットを羽織らないようにしたくても、着るスーツの素材やコーディネート次第で、相手に誠実な印象を与えることはできると思います。
私だったら、セミワイドのカラーの薄いブルーのシャツに、濃紺のソリッドのグレナディンタイを合わせますかね。
清涼感もたっぷりで、こなれて見えるし、今のご時世ネクタイをする方が少なくなってきているので、誠実さもアピールできる。
実は、このスタイルは初代ジェームズ・ボンド、ショーン・コネリー版ジェームズ・ボンドのお決まりのスタイル。
色あせない男のスタイルは実生活にどんどん投入していくべきだと思います。
さて、そんな気候変動も相まって、服だけでなく足元もオンとオフの境目が曖昧になってきています。
服がカジュアルだから、靴もスニーカーなどで、楽でラフな格好になるんですね。
しかし、どうもスニーカーでは締まらない…
こんな時はどうしたらいいのか?
そんな悩みに答えてくれるのがスエードの靴です。
デザインによってはオンでもオフでもばっちり決まるのがスエードの靴の良さです!
早速その特徴と魅力に迫っていきましょう。
目次
スエードってどういう革?特徴を抑えていきましょう!
スエードとは革の表皮側ではなく、内面をサンドペーパーなどで逆立てた起毛素材の革のことをいいます。
素材となるのは、主に牛や山羊、羊の革になります。鹿の革を使うこともあります。
英語ではSuedeとつづりますが、これはスウェーデン発祥した革素材だからと言われます。
魅力は風合い豊かで柔らかな印象
スエードはその起毛感から、カジュアルな印象と柔らかな雰囲気を与えます。イギリス靴などでは、カントリーシューズなどにも用いられてきました。
しかしスエードの靴でも、内羽根タイプの紐靴を選べば、これだけでも靴全体のシルエットが引き締め効果を発揮し、砕けすぎた印象には陥りにくくなります。
この写真のようなウイングチップのスエードの靴でも、内羽根であるだけで、結構引き締まって見えます。
少なくともジーンズに合わせるのも、上にジャケットがあってちょうど良いくらいの程よいフォーマル感もあり、ジャケットを羽織ればかっちり決まるんです!
まさにビジネスカジュアルにぴったりな靴と言えるでしょう。
逆にコインローファーやチャッカブーツなどの、よりカジュアルなスタイルの靴にスエード素材が使われていると見た目の柔らかさが強調され、リラックスした感じが強く打ち出せます。ローファーなどであれば、学生のローファーとも違う印象が出ていいですよ~。
スエードの靴はお手入れが簡単!
スエードの靴はお手入れが簡単というのも大きな魅力です。
スムースレザーのように、リムーバーで汚れを落として、デリケートクリームを塗って、色付きのクリームで光らせて…といった複数の工程を経なくていいのです。
やり方は、クレープブラシでブラッシングして、スエードスプレーをかけるだけ!
これだけです!起毛についた汚れはクレープブラシで簡単に取れますし、スエードスプレーで栄養を与え、防水効果を与えれば十分です。
スエードの靴は雨に強い
スエードはその製造の工程で、毛先にフッ素のコーティングがされています。これによって、多少の雨であれば、毛先のフッ素で水を弾いてくれます!
もし土砂降りにあっても、水気を乾いた雑巾などでふき取り、乾かした後にブラッシングをして毛を起こせば元通り!
スムースレザーと違って塩吹きも起きないですし、水染みも起こしにくいため、使い勝手が非常にいいんです。
防水スプレーをふえば、鬼に金棒!完璧な対雨用の靴となり、大活躍間違いなしです!
スエードの靴は履き馴染みが早い
また、スエードは革の柔らかさが特徴です。
グッドイヤーウェルト製法の硬い靴でも、スエードの柔らかさによって、履き馴染むまでの苦労も少なくなります。
革靴はいつも履き馴染むまでが辛くて苦手、という方はスエードの靴からトライしてみるといいでしょう。
スエード=バックスキンは誤りです!
日本ではスエードの靴を「バックスキン」と呼ぶことがあります。しかし、これは厳密には誤った呼び方です。
もともとバックスキンとは「Buck Skin」と書きます。
この「Buck」とは牡鹿のことです。
「Buck Skin」とは本来、牡鹿の銀面=革の表皮側をサンドペーパーで逆立てた起毛素材のことのみを指す言葉です。
たとえ「Buck」であっても裏革を逆立てたら「Buck Skin」とは言いません。「Deer Suede」というべきでしょうね。
しかし、同じく革を毛羽立たせたスエードは、革の裏側=「Back Skin」を逆立てたもの。
発音は同じ「バックスキン」ということから、言葉の混同が始まり、日本においてはスエード=バックスキンと呼ぶようになったという形です。
ですから、起毛素材のものを一緒くたにバックスキンと呼ぶのは誤りです。
履く季節は秋冬だけ?いえ、通年履ける素材です!
なぜか日本では、スエードはその起毛感による、温かみのある雰囲気から、秋冬に履くものだという固定概念が強くしみ込んでいます。
しかし、革靴発祥のヨーロッパでは、「レインシューズ」とも考えられているように、その水への強さから、雨の日用の靴と考えられています。文化の歴史の差が海外との認識の差を生んでいるんですね。
雨に強い靴であれば、日本においては梅雨の時期など雨の降りやすい夏にこそ履いてはいいのではないでしょうか。
靴のデザインを内羽根のストレートチップなどにすれば、すっきりともたつくことのない、印象にすることができますよ。
まとめ
スエードの靴は実用性に富んだ素晴らしい靴です。
ビジネスカジュアルが進んだ今だからこそ注目するべき素材がスエードです。
ぜひ、皆さんの生活に取り込んでみてはいかがでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございます。