夏も過ぎ、雨の降る日も日に日に少なくなり、秋もますます深まっていく9月。
みなさんいかがお過ごしでしょうか。
この夏は、雨が多く、全国的に野菜も不作の年になってしまいました。
私も今年はあいにくの天気に、白と黒のスペクテイターシューズを履くことが出来ませんでした。
↑これがスペクテイターシューズです。
夏こそ履きたい靴なんですが、どうしても履けなかったです。やっぱり白い部分に雨水や泥などがついたら一巻の終わりですからね…。
白い部分が薄汚れるくらいであれば味になるのですが、泥汚れなどがべったりくっついてしまうとなかなか落ちないですし、シミになってしまいますからね…。
1930年代くらいは大流行していたようですね。フレッド・アステアがよく好んで履いていた様子が写真に残っています。
レイモンド・チャンドラーが生み出した名探偵、フィリップ・マーロウ。フィリップ・マーロウはが活躍した舞台は1930年代から1940年代のロサンゼルス。
この小説を読んでいると、様々なスペクテイターシューズの記述が出ているので、余程流行っていたのでしょう。
麻のジャケットに合わせて、履いたりすると、本当にサマになるんですがね~。残念です。
さて、革靴のメンテナンスを当サイトで色々と紹介してきました。
大方のメンテナンスは、当サイトをご覧頂ければ、出来るようになっています。
しかし、まだひとつメンテナンスに関して、紹介していないことがあります。
それは、革底のメンテナンスについてです。
今年の長続きの雨などで革底が濡れたりすると、ダメージが重なり、早々に底に穴が空いてしまいます。
すぐにラバー半張りをして、革底のダメージを防ぐという方法も効果的ですが、それでは革底の魅力を楽しみきれていない、いや、革靴の魅力を楽しみきれていないとも思います。
革靴の最大の魅力の1つは、「革底で仕立てられたものを履くこと」にあると思います。
今回は、革靴の魅力とそのお手入れについて紹介していきます。
目次
革底の魅力
雰囲気の良さがたまらない
まずは歩いた時の音ですね。そして雰囲気!
歩いた時のカツカツとなる音!(笑)これがたまらないですね!
革靴好きの私はここから入ってしまいます(笑)
しかし、この音がなるだけで凛とした雰囲気が出て、背筋も伸びます。これは革底にしか得られない満足感ですね。
実用面の部分を考えてみましょう
革底は革の繊維から、空気の循環が活発に行われるため、ラバーソールのものに蒸れにくいというメリットがあります。
いつも足が蒸れて、水虫でお悩みという方は、革底の靴を選んでみてはいかがでしょうか?
これは体感ですが、3万円以上の靴になってくると、革底のものが多くなり、甲革の質も素晴らしくなってくるため、通気性も向上してきます。
革底もひとりひとりの足形にあうように馴染んでくるので歩きやすくなります。
そしてラバーソールと違って、屈曲性が良いので返りが良くなってきます。こうなるとフィット感が高まり、カカトのホールド感も高まります。
静電気が起きにくくなる
また、革底になると通電性があるので、革底から地面へと静電気が流れていきますので、冬場は静電気が体にたまりにくくなります。結果、ドアノブなんかでバチッと来なくなります。これはあまり知られていないメリットですね。
そんな革底ですが、ラバーソールに比べるとどうしても耐久性に劣ります。
お手入れをきちんとしないと、穴が空くまでが早まります。
ここで使うのが、レザーソールコンディショナーです!ソール専用の栄養剤を使って、繊維同士のつながりを高め、ソールに適度な柔軟性を与えます。
レザーソールコンディショナーの使い方
今回紹介するのは
ブートブラック レザーソールコンディショナー
ホホバオイルとミネラルオイルが配合されており、革底に潤いを与え、強度を高めます。
これが本当に良いんです!革の目もしっかりと詰まっていい感じに仕上がります!
使用するのは1か月から2か月に1回程度。あまり短いスパンでソールトニックを使うと、革が柔らかくなりすぎて、耐久性を弱めますので要注意です。
①まずは汚れを落としていきます。馬毛のブラシで汚れをとり、泥汚れなどがついていたら、ステインリムーバーで汚れを取っていきましょう。
② 次にソールトニックを布にとります。目安としてはこれくらいの量ですね。
多くとらなくても良く伸びますので、十分です。逆にとりすぎると革が柔らかくなりすぎたりしますから、多用は厳禁です。
レザーソールコンディショナーを塗る前はこんな感じですが…
塗った後は、このようにオイリーな感じで湿ります。
③ 完全に革に浸透し乾くまで2日ほどかかりますので、その間履かないようにして置いておきます。
これでお手入れは完了です!
革底にミンクオイルは厳禁!!
革底に栄養を与えるのであれば、ミンクオイルがいいんじゃないかとお考えの人もいらっしゃるかもしれませんが、ソール専用のオイルでない限り、革底を極端に柔らかくしてしまいますから厳禁です!特にミンクオイルは柔軟性が出やすいので絶対に避けましょう。
履き下ろす前に使うと履き馴染みが早くなります
革靴を履き下ろしたばかりのころは、甲革も硬く、馴染むまで我慢の時期が続きます。
そんなとき甲革にはデリケートクリームを使うことによって柔軟性を与え、早く履き馴染みがでるようにすることができます。
革底も同じことが言えます。
レザーソールコンディショナーを使うことによって、適度な柔軟性を与えることができます。
こうすることによって、底の馴染みが早く出て、返りも良い靴になります。
特にグッドイヤーウェルト製法で作られた靴はソールも厚く硬く、構造上リブテープが張られているので、返りも悪い傾向にありますが、レザーソールコンディショナーを使うことによって、この硬さを軽減することができます。
最初の履き馴染ませるまでに苦労されている方は甲革だけでなく、革底のほうにも目を向けるとよいでしょう。
これは当然ラバーソールの靴にはできない、革底だけのメリットです。
意外とお手入れの盲点となっているが革底です。
オールソールに至るまでの寿命を延ばすには、必要不可欠なものです。
日々足を支えてくれている、縁の下の力持ちを労わることを忘れないようにしましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。