クロケット&ジョーンズの歴史などについて説明した前回の記事。
間違いなくクロケット&ジョーンズの靴は、今やイギリス靴を代表するブランドに成長したと言っても、過言にはならないでしょう。
肝心の質も、多くの靴を世に送り出しているなかで、高い水準を保ち続けているところが素晴らしいです。
特にハンドグレードラインの靴の革質の良さは値段相応、いや、それ以上と言っていいのではないでしょうか。
ここ数年は、クロケット&ジョーンズよりもさらに値段が6万~7万高いエドワード・グリーンの靴と同レベルの革質だと感じます。
※これはクロケット&ジョーンズの品質の向上もありますが、エドワード・グリーンの品質の低下も大きく影響していると思います。
これってすごいことですよね。
その革質にひとつ難点を上げるとしたら、厚みがなくちょっとペラいところでしょうか。
経年変化もちょっと面白味がないような気がします。
おそらく革の耐久性はチャーチの普通のラインの靴のほうが高い気がします。
しかし、チャーチの普通のライン革よりも、キメの細かさが素晴らしく、柔らかさも抜群なので、最初の履き馴染みにも苦労しません。革靴は履き心地も大切ですが、見た目だってとても大切ですからね。
そして中敷きがフルソックになっている点も見逃せません。
グッドイヤーウェルト製法の靴というと、最初の中底の硬さがストレスになるものですが、このフルソックが付くことによって、足当たりの悪さを軽減されます。こんなところにも気を配っているところが一流ブランドの由縁でしょう。
前置きが長くなりましたが、今回は前回の記事で紹介しなかったクロケット&ジョーンズの名モデル…
ベルグレイブ (BELGRAVE)の紹介 です。
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こちらもクロケット&ジョーンズの中でも最も人気の高いラスト337を使用したハンドグレードラインのモデルです。
デザインはつま先にだけ、親子穴が施されたパンチドキャップトウ。
人気もオードリーと双璧をなしています。
このハンドグレードラインに使われているレザーソールがまた一級品。ドイツのJ.レンデンバッハ製のオークバークソールを使用しています。そして革を切り起こして、出し縫いを隠すヒドゥンチャネル仕様。そして半カラス仕上げでドレスアップされています。
綺麗な仕上がりですね。この仕上げにするには、機械だけではなく、熟練の職人の手作業が必要不可欠です。
レンデンバッハのレザーソールとにかく削れにくく耐久性の高いソールです。ビブラムのラバーソールとまではいいませんが、ペラペラの安い靴に使われているラバーよりかははるかに丈夫です。
つま先の削れもぼさぼさと毛羽立たず、革の密度が高いことがよく分かります。
甲革のタンナーはどこかは明言されていませんが、おそらくワインハイマー社の高級ラインの革を使っているのでしょう。
さて、肝心のデザインですが、ストレートチップのオードリーとの違いは…
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↑これがオードリー
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↑これがベルグレイブ
つま先に注目してみましょう。
これがオードリーで…
そしてこちらがベルグレイブ。
ご覧のとおり、キャップを形成する一文字に穴飾りがついているかどうかだけ。
ストレートチップとパンチドキャップトウの違いですから、この違いは言われなくてもわかることなのですが…
どうにも不思議なのがパンチドキャップトウなのに、不思議なリラックス感が生まれているところですね。
この点に強い魅力があります。
パンチドキャップトウは本来、不幸の席以外であれば、なんにでも使えるフォーマル度が極めて高いデザインで、足元から全体を引き締める力があるものですが、このベルグレイブに使われているラスト337と相まって、お高くとまっていません。
かといってカチッとした雰囲気も損なっていない…。
う~ん、この不思議な魅力は言葉で説明できません!!(笑)
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茶色はジャケパンに合わせても素敵でカッコいい男に変身させてくれること間違いなし。
おそらく全ての革靴の中から、パンチドキャップトウの代表選手を選ぶとしたら、ジョン・ロブなどを押しのけて、このモデルが間違いなく入ってくるのではないでしょうか。
私なら間違いなく入れます(笑)
それくらい完成されたパンチドキャップトウです。
ストレートチップだとつまらないし、かといってクオーターブローグやセミブローグは派手すぎる…フルブローグなんてとんでもない!とお考えの方は、このモデルを購入候補に入れてはいかがでしょうか。
期待は裏切らない靴ですよ。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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クロケット&ジョーンズ ハンドグレード ベルグレイブ 9427 パンチドキャップトゥ オックスフォード ポロブラウン カーフ スエード
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