ここのところ色々なところで、靴磨き職人に対してクローズアップされています。
靴好きとしては興味津々で見ているのですが、その中でずば抜けている人というのは、さらにそこから一握りの本当にごく限られた方々です。
前にもこのサイトで少し触れましたが、銀座三越で靴磨き選手権大会なんかも開かれました。
そこで優勝された大阪の靴磨き店の「THE WAY THINGS GO」の石見豪さんは先日、マツコ有吉のかりそめ天国に出演されていました。
こうやって靴磨きに対する認知度が高まっていってくれればいいですね。
しかし、その中で正直こんなことをいちいち取り上げるの?と思ってしまうこともよくあります。
本当にそんな驚くの?と思ってしまう
例えば、今紹介したマツコ有吉の番組で、石見さんがほったらかしになって乾燥した靴を磨いて、元の状態に戻す、というものがありました。
しかし、ぶっちゃけた話、その程度のことは普段から靴を手入れしている人なら誰でも出来るレベルなのです。
テレビ的演出のためか、2人は「えー?」とか「嘘ー。こんなに復活するなら靴は簡単に捨てちゃいけないね」とうなっていました。
あえてもう一度言いますが、本当に誰にでも出来るレベルなんですね。
これは決して石見さんが大したことない、と言っているのではありません。
同番組内でバリバリに剝げたガラス革の靴を特殊な顔料を使って、かなり綺麗になるまで元に戻していました。これは素人ではなかなかできない職人技です。
しかし、ただの牛革の靴を磨き上げるのは誰にでも出来ることなんです。
石見さんが使っているクリームはサフィールノワールのクレム1925。
使っているワックスもサフィールノワールのもので、特別なものでもなんでもありません。
(めっちゃ普通です)
これらのシューケアグッズは東急ハンズなどにも売っています。
近くに東急ハンズがある方は、靴磨きグッズのほぼすべてを東急ハンズ内で揃えてしまうことが可能です。
東急ハンズのような大型の専門量販店がご近所にない地域の方でも、今ではネット通販というのが充実していますから、大体明日には手に入るようなものばかりです。
申し訳ないのですが、特別なアイテムを使っているわけでもなく、こんな初歩的なことでいちいち感嘆の声が出るほど、日本人は靴の手入れひとつができないのかとガッカリしてしまいます。
こんな初歩的なものではなくて、石見さんのもっとすごい技が見たいと思ってしまうのは、靴好きだけの感想なのでしょうか。
マツコと有吉の反応は思うに割と素で驚いているような部分があったと思います。
これは世の中の大半の人を代表する反応なのかもしれません。
思うに靴にシューキーパーを入れることから、きちんと理解してもらわないといけない人が世の中の90%だということなのでしょう。
靴磨き職人が活躍するということは、すなわち自分で手入れが出来ない人がそれだけ多いということです。
ちなみに靴磨きは光らせることが主な目的にして、きちんと保革するという観点が抜けているお店もあったりするかもしれません。
やはり自分でお手入れするに越したことはないはずなんです。
これどういったは次元の話かというと、私的には自分の下着を洗濯機で洗うのと変わらないことだと思うのです。
下着を全部クリーニング店に持っていく人はまずいないでしょう。
それと同じこと。
やり方と対象の物が違うだけなんです。
以前「仕事で忙殺されていて、自分には靴磨きをする時間が勿体ないから、全部職人さんに任せる」という、とある会社の社長の話を聞いたことがありますが、そんな特殊な人もそうはいないはずです。
その人は身の回りのものの手入れを全部それぞれの専門の方にお任せしているとかいう話でした。
金がたっぷりあると、人は自分の身の回りを金で解決するようになるようです←意地悪な言い方でしょうか(笑)
もうちょっと自分の身なりに気をつかえる人が世の中に増えればいいですね。ちゃんと自分の手で始末をつけられるようになる程度でいいんです。鏡面磨きなんてできなくても、困ることはまずありませんからね…。靴クリームのブランドはどこどこが良いだとか語るのは、ずうっと後で良いのです。
自分で手入れができる人が増えるその一環で、靴磨き職人さんの露出が増えるのは必然の流れといえそうです。
私も別に特別光らせるのが得意だとか、そういうのがあるわけではありませんが、おそらく人並み以上には靴の手入れは出来る自信があります。
何かわからないことがあれば、お気軽にご質問ください。
私の分かる限り手に負える範囲の靴のお手入れや問題の解決方法は、これからも当サイトで継続的に紹介していきます。
輝けライフ!が基本的な靴のお手入れ知識の普及に一役買えばそれで満足です。
…そんなことを考えながら、テレビで見ていて、一度石見さんに磨いてみてもらいたいな~なんて思っちゃいました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。