2017年9月7日(木)は全国的にも雨模様。山陰地方ではかなり激しい雷雨になっています。
こんな日は革底の靴ではとても歩くことは出来ません。
やはりラバーソールの靴で歩くのが懸命ですよね。
そんなラバーソールにも様々な種類があります。
ビジネス用であれば、特にそのスマートさが際立つ、ダイナイトソールもしくはビブラムソールの同じスタッドタイプが好ましいでしょう。
さて、この2つ…同じスタッドタイプのソールになりますので、その違いがよくわからないかと思います。
今回はこの2つのソールについて紹介していきます!
目次
ダイナイトソールとは
イギリスのハルボロ・ラバー社が作成しているラバーソールです。
一般的にダイナイトソールというと…
このソールを指します。正式名称は「Studded Sole」といい、カタカナ読みすると、非常に発音しづらいのででは「スタッドソール」と呼ぶのが普通です。まあ、わざわざスタッドソールと呼ぶ人もいないので、ダイナイトソールと呼んで良いと思います。
名称の由来は昼夜を問わず、このラバーソールの製造をしていたところによるそうです。
つまり「Day and Night」が訛って、「ダイナイト」という呼称が広まったのです。
ハルボロ・ラバー社にはもう1つの傑作ラバーソールがありまして、それがリッジウェイソールになります。
これがリッジウェイです。リッジウェイとはあぜ道のこと。その名前から連想されるとおり、カントリーシューズなどの“ド”イギリス靴に使われることがほとんどです。トリッカーズやクロケット&ジョーンズはよくこのソールを使用したモデルを発表しています。しかし、こちらはダイナイトソールとは呼びません。
さて、ダイナイトソールは、グッドイヤーウェルト製法で作られる靴を前提に作られているラバーソールです。
やはりイギリス製のラバーでイギリス靴に用いられるからなのでしょう。
具体的にどういうことかというと、スタッドの間隔の広さにあります。
マッケイ製法は出し縫いがグッドイヤーウェルト製法と比べると内側を縫わなくてはならないため、スタッドの部分に出し縫いがかかってしまい縫えません。
マッケイ製法の靴で、ダイナイトソールを希望する場合は修理職人とよく相談してみましょう。
ダイナイトソールの特徴はラバーソールながら薄いことです。この特徴によって、レザーソールに近いスマートさを得ることができます。
これがイギリス靴の雰囲気にとても良く合います。
ビブラムだと厚みが出てしまって、少しドレッシーな印象が薄くなります。
ゴムが柔らかく、ラバーソールの中では履き馴染みの良さも注目すべきポイントです。
欠点は柔らかいために削れが早いことです。
特にカカトの部分。ビブラムのものに比べると消しゴムのカスのようにポロポロと摩耗していきます。耐久性重視であれば、ビブラムソールを使うと良いでしょう。
ビブラムソールとは
ビブラムソールとはイタリアのビブラム社が発売しているソールです。
ビブラムソールのスタッドタイプは正式名称を「イートン」といいます。
ただし、普通にやり取りする中では「イートン」とは呼びません。
ダイナイトソールと同じタイプのため「ビブラムダイナイト」、「ビブラムスタッド」。「ビブラムポイント」と言えば、大抵の修理屋さんは理解してくれるはずです。
特徴としては、ラバーに厚みがあり硬く、削れにくいということ。
欠点はその硬さです。柔らかさがないので、履き馴染みはなかなかしないという難点があります。
かなり硬い履き心地になりますので、革靴初心者の方は馴染みやすいダイナイトソールで作られたもので、ラバーソールの硬さになれていくといいかもしれません。
ただし、耐久性はダイナイトに比べて明らかに高いので、とにかく強度を優先する場合はこのビブラムスタッドを採用するとよいでしょう。
また、スタッドの位置がダイナイトソールに比べて内側にあるため、華奢過ぎないマッケイの靴であれば、スタッドが出し縫いにもかからないというところも嬉しいところ。
マッケイ製法の靴の耐久性を高めるために使うには持ってこいのソールでしょう。
その他、具体的な厚みの数値の差などは、こちらのサイトに詳しく書かれています。
実際に両者の着用感を比べてみました
ちょうど今、ダイナイトタイプのヒールと、ビブラムのスタッドタイプのヒールを取り付けている靴を持っていました。
そして両者を比べると、その差は一目瞭然でした。
履いていくとどのように削れていくかを写真でご紹介しましょう。
ダイナイト
どうでしょう。
見てみると、先ほど言った言葉がお分かりいただけると思います。
削れてゴムが消しゴムの消しカスのようにポロポロと削れているのがわかります。
ダイナイトソールはゴム底ではありますが、その削れは思った以上に早いものだと感じます。
しかし、それでもカカトの部分は、普通のレザーとラバーのチップの一般的なドレスヒールに比べれば、厚みもありますので耐久性は高いと言えます。
このヒールに変えてから半年は経っていますし、週に1回は必ず履いていますから、十分な強度です。
あとは履き心地が柔らかなので、硬さから来る疲れは感じにくいのが良い点です。
ビブラムスタッド
このビブラムのヒールに取り換えてから、少なくとも1年近く経つのですが、いまだに「vibram」の文字が読めます。
相当強度が高いですね。
削れもダイナイトのような「消しカス」が出ていません。
歩いてみるとカツンカツンという音がして、まるでレザーとラバーのドレスヒールのような音がします。
まとめ
さて、ダイナイトソールとビブラムスタッドソールの比較をしてきましたが、そのまとめをすると以下のようになるでしょう。
- ダイナイトは柔らかさと薄さがあり、履き心地の良さと見た目のスマートさが売り
- ダイナイトは柔らかいため削れは早い
- ビブラムは硬く厚みがあるため強度に優れる
- ビブラムは硬いため、履き馴染みはとてもしにくい
- スタッドの関係から、グッドイヤーはダイナイト、マッケイはビブラムスタッドが好ましい
それぞれどちらの方がより優れているということはありません。
それぞれに良い点があります。
私はとにかく耐久性を重視し、靴もイギリスのチャーチを愛用していますが、オールソールをどちらでするかと問われたらダイナイトでするというでしょう。
その方がイギリス靴の雰囲気にはよくマッチするからです。あとはビブラムはちょっと硬すぎる気もします。
自分の求めるスタイルを決めて、どちらを使うか決めると、より思い入れのこもった靴に仕上がっていきますよ。
この記事が参考になれば良いでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。