クロケット&ジョーンズ WEXFORD(ウェックスフォード) ゴロゴロ&スマートUチップ

クロケット&ジョーンズというブランドは、1879年に誕生した現存する多くのイギリス靴ブランドと同じく、産業革命真っ只中で生まれたシューメーカーです。

役割としてはOEMなどが多く、もちろん自社ブランドの開発販売も行っていましたが、やはりその功績は表に出ることがなく、どちらかというと裏方でひっそりと作っていたブランドでした。

ところが、1977年に現社長のジョナサン・ジョーンズが就任すると、クロケット&ジョーンズの自社ネームを掲げてブランディングを始めます。1980年代の雑誌を見ると、そのころからしばしばクロケット&ジョーンズの靴が紹介されています。

今やほぼすべてのイギリス靴ブランドが外資資本の傘下に入る中、いまだに創業一族が経営を行っており、それでいて「クラシックシューズ」の中で常に新しい提案を行っている稀有な存在となってきました。

なぜクロケット&ジョーンズの提案は常に新しいのでしょうか?

それはラスト(木型)の研究・開発に余念がないということが大きな理由になっていると感じます。

世界で一番多くのラストの種類をもっているというクロケット&ジョーンズは、数々のOEMを手掛けてきた経験に基づく、カッコいい、美しい、履きやすいというラストを作り続けているのです。

今回紹介するWEXFORD(ウェックスフォード)もラスト371という聞き馴染みのあまりないラストを使った今風な靴です。

目次

クロケット&ジョーンズ WEXFORD(ウェックスフォード)

クロケット&ジョーンズのWEXFORD(ウェックスフォード)はラスト371を使用した、つま先がまん丸で、ハイトがあるUチップです。

一見ショートノーズに見えるゴロゴロとした見た目は、パラブーツを彷彿させるような、完全カジュアル用のUチップとなっています。

仕事=スーツという時代が薄れている今はオンオフ問わず使える靴が特に重宝されているため、時代感にも適しています。

ゴロゴロとした見た目ですが、それでもどことなくノーズが程よく長く取られ、ドレッシーさを欠かないのは、ドレスシューズの製作に長けているからなのかもしれません。

モカ縫いは若干ピッチが大きくとられ、ラフな格好になっています。

これがお休みの日に履きたくなる理由でしょう。

ソールはイギリスカントリーシューズらしく、リッジウェイソールになっています。

個人的にリッジウェイソールはとにかく丈夫というのが大きいポイントです。

イギリス製のゴムソールといえば、ダイナイトソールで有名ですが、このリッジウェイソールもダイナイトソール製造元のハルボロラバー社が手掛けているものです。

個人的な体感でいうと、ダイナイトソールよりも、リッジウェイソールのほうが長持ちするような気がします。またグリップ力にも優れ、路面がぬれていた李。凍結しているような時でも安心して履くことができます。

5つ穴の外羽根のダービーもなかなか味があってていいですね!

クロケット&ジョーンズ ラスト371

ラスト371は2012年の6月に誕生したラストで、まだ開発されてから日が経っていません。メインコレクションに使われています。

外羽根の靴、ブーツなどに使うためのラストとして開発されました。

丸くてハイトの高い、指周りにストレスの少ないカジュアルなスタイルになります。

ですが、フィッティングも考慮されています。ラスト371は2009年に誕生したハンドグレードラインのラスト363にフィッティングの傾向は似ているといいます。

その最大の特徴は、アーチを支える細めのウエスト。そして小ぶりなカカトというところです。

このウェックスフォードとパラブーツが大きく違っている点は、ノーズがしっかりとられているという点です。ここがラスト371の肝です。

パラブーツの寸の短さは、履き心地だけではなく、見た目の部分、視覚的なところで感じるような作りでできています。

ところがパラブーツのラストのようにノーズが短いのを強調したものだと、カジュアル色が強いため、そのジャケットの素材・カットによっては、ジャケットスタイルには組み込みにくく感じるときがあるはずです。

パラブーツに似たまんまでは、ドレスの装いには明らかに合わないところ、このラスト371はスーツなどにも比較的合わせやすいように考えているのだと思います(私はいかに高級とわかっていても、パラブーツをスーツに合わせるのはちょっと難しいと感じ)

やはりそういったところも踏まえると非常にバランス感の良い靴になっていると思います。

日本のみならず、世界的にも人気のあるこのクロケット&ジョーンズは、トレンドセッターとして、多くの人が満足する靴を作り続けています。

他の人とちょっと違うUチップの靴が欲しい方にお勧めですよ。まず被ることはないでしょう。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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