お洒落のスタートは靴から。
これはわたくしバーリーコーンのゆるぎない確信です。
いくらスーツ、洋服が素晴らしくても、足元がきちんとしていないと、全体が締まりません。
このサイトを立ち上げて以来、ずっと革靴の手入れについて紹介していたのもそのためです。
高級な革靴を履いているからといって、ろくに靴のメンテナンスもしないでほったらかしにしていては、あっという間にボロボロになります。これでは何の意味もありません。
靴のメンテナンスは、お洒落の大前提です。
逆を言えば、たとえ靴がそんなに高価なものでなくても、靴のメンテナンスさえ出来ていれば、かなり引き締まって見えるというのが僕の考えです。
とは、いっても5,000円の靴と30,000円以上する靴は全く内容が変わってきます。
個人的な体感ですが、革靴は値段が35,000円を超えるとグッドイヤーウェルト製法やマッケイ製法など、しっかりと底を縫い付けられた伝統的な製法によって仕立てられている靴が多くなるので、修理をしながら、5年…10年と長い間愛用できるモノへと変わっていきます。
靴は身に着けるものの中で、唯一痛みが生じるもの。履き馴染んだ革靴は、モノではなく、頼もしい相棒へと変わっていくのが特徴です。
それでも革靴をいざ選ぶとなると、どのようなものがいいのかわからなくなるもの。
生産されている国によって、お国柄も出るため、雰囲気も大きく変わります。
個々のブランドに関しては、後々紹介するとして、生産国によってどのような特徴があるかを紹介していきます!
目次
イギリス靴
イギリスは全ての革靴の始まりです。その神髄は伝統的なハンドソーンウェルト製法(手製)によって仕立てられたもの。
ジョン・ロブやジョージ・クレバリーといったビスポークの靴は世界一といっていいクオリティです。
そんな伝統あるイギリス靴はいちはやく、ハンドソーンウェルト製法を工業化したグッドイヤーウェルト製法を取り入れました。
かつてはいくつものメーカーがあったのですが、今ではブランドも数えるほどになりました。
イギリス靴は何よりも伝統と品格、そしてグッドイヤーウェルト製法と厚みのある革によって耐久性に長けているのが特徴です。
著名なブランド
ジョン・ロブ
エドワード・グリーン
ガジアーノ&ガーリング
チャーチ
クロケット&ジョーンズ
アルフレッド・サージェント
チーニー
グレンソン
トリッカーズ
ローク
バーカー
サンダース
など
イタリア靴
イタリアの靴は伊達男によって愛される美しいフォルム、手染めによる色彩の豊かさ、そして主にマッケイ製法などによって作られた軽やかな履き心地が特徴です。
イタリアの革靴の歴史は私たちのイメージに反して、その歴史は浅く、革靴の製造が盛んになったのは第二次世界大戦後の1945年以降と言われています。その当時は今でいう中国のような位置づけで、製造国として活躍していたのです。
しかし年月を重ねるうちに、イタリアのラテンのエッセンスが靴に取り入られるようになりました。
イタリア靴はイギリス靴にはない、色気が漂います。
著名なブランド
サントーニ
ステファノ・ブランキーニ
ステファノ・ベーメル
ストール・マンテラッシ
アルティオリ
エンツォ・ボナフェ
メッカリエロ
ステファノ・ビ
ア・テストーニ
ファビ
シルバノ・ラッタンジ
シルバノ・サセッティ
リド・フォルト
など
フランス靴
フランスの靴は、グッドイヤーウェルト製法によって仕立てられたものも、マッケイ製法で仕立てられたものもあり、お国柄というよりは各ブランドによって、個性が強く出ているのが特徴です。
JMウエストンやパラブーツのようにコロンとしたフォルムの靴もあれば、コルテやベルルッティのようにイタリア靴をしのぐ、手染めの美しい靴もあります。
有名な木型メーカーのコルドヌリ・アングレーズはフランスに生まれました。コルドヌリ・アングレーズは様々なブランドの木型を作成しており、その木型によって生み出される履き心地は格別です。
著名なブランド
JMウエストン
ベルルッティ
コルテ
パラブーツ
オーベルシー
アメリカ靴
アメリカはチャールズ・グッドイヤーによってグッドイヤーウェルト製法が確立された国です。また、マッケイ縫いの機械を開発したのもアメリカ。
今、これほど既製靴の供給が出来ているのは、間違いなくアメリカのおかげです。
イギリス靴と同じく、かつては多くのメーカーがひしめいていましたが、中国や東南アジアなどに製造の拠点が移ると、そのほとんどは姿を消しました。今も残っているブランドは数えるほどしかなく、アメリカ靴最後の砦といっていいでしょう。ドレスシューズだけでなく、ワークブーツの製造も行われています。作りはグッドイヤーウェルト製法によって仕立てられているものがほとんどです。
著名なブランド
オールデン
アレン・エドモンズ
ジョンストン&マーフィー
コールハーン
レッドウイング
ホワイツ
ウエスコ
ウルヴァリン
スペイン靴
スペインは国がイギリスとイタリアに挟まれており、その影響か、革靴は2国の革靴の特徴をそれぞれ反映した作りになっているのが特徴です。
作りはイギリス靴のような伝統的なグッドイヤーウェルト製法によって仕立て、フォルムや色はラテン的な色鮮やかな靴になっているのが多いです。
イギリス靴にない遊び心と、イタリア靴にない丈夫さが売りで、そのバランスの良さはスペインの靴が優れています。
著名なブランド
カルミナ
メルミン
ヤンコ
コードウェイナー
など
日本
日本はイギリス靴やアメリカ靴のようにグッドイヤーウェルト製法によって丈夫な靴を作る傾向にあります。
やはり靴の文化が入ってきたのが、黒船の来航から来ているから、というのが大きな理由でしょう。
日本人の物づくりの良さも革靴には表れ、その縫いのピッチや細かいところまできめ細かいのが特徴です。
特に日本人だったら誰もが知っているリーガルは革靴初心者から上級者まで楽しめる素晴らしいラインナップになっています。
著名なブランド
リーガル
リーガルトーキョー
スコッチグレイン
三陽山長
ペルフェット
マドラス
宮城興業
セントラル
オリエンタル
など
その他の国
ドイツはエドワードマイヤーやハインリッヒ・ディンケラッカーなど質実剛健な靴を作るのが得意ですし、ハンガリーではVASSというブランドのハンドソーンウェルト製法の靴がずば抜けています。
各国の革靴の特徴を簡単にまとめました。
実は、自分にあうファッションスタイルは、革靴から決めると、上に着る服装も決めやすいと思います。
これから実際に各ブランドについて、1つずつその特徴について紹介していきます!
当サイトを通して、運命の1足を見つけ出してください!
最後まで読んでいただきありがとうございます。