ブートブラック コレクションズシュートリー レビュー

目次

コロンブスの「ブートブラック」シリーズとは

ブートブラックとは英語で「Boot Black」と書きます。イギリスの古い言葉で、「靴磨きをする人」を意味します。
昔、革靴が黒のブーツタイプしかなく磨くことにより黒さを深めたことから、このように表現されたと言われています。

そして、コロンブスのブートブラックの説明はこのようにあります。

タンナー様から靴小売り店様にいたるまで、すべての皮革関連業態に90年以上の長きに渡り、靴仕上げ剤・靴クリームを提供してきた株式会社コロンブスが、その知識と開発力を結集して作り上げた、ジャパンメイドのニューブランド”BootBlack”シリーズ。

靴がその存在感を主張し始めた昨今、お客様一人一人のご要望を具体化し、オリジナルな靴を作り上げるために活動している当社”トップシャイニスト”の独自の判断基準を採用し、「磨きのプロ達」が創りあげた、それが”BootBlack”シリーズです。

出典:Boot Black Seriesについて
http://bootblack.jp/about/index.html

イギリス最後のラスト(木型)メーカー、スプリングライン社が作成

ブートブラックコレクションズシュートリーの作成は、イギリスのスプリングライン社が行っています。早速ジャパンメイドじゃなくなっていることは突っ込まないでください(笑)

イギリスのラスト(木型)メーカーは大きく2つあります。ひとつはこのスプリングライン社。そしてもう一つがダスコ社です。ダスコはサフィールブランドでおなじみの、フランスのアベル社に買収されてしまったため、現在純イギリス資本のラスト(木型)メーカーはこのスプリングライン社のみになってしまっています。
イギリス靴といえば、その真骨頂はハンドソーンで作り上げるウェルトシューズ。そのウェルトシューズを象るシューキーパーのメーカーがなくなるのは寂しいですが…。
このスプリングライン社は今なお、職人の手仕事によって、木型とシューキーパーを作成しています。スプリングライン社はチャーチ、クロケット&ジョーンズ、トリッカーズなど様々なイギリスブランドの靴を販売していることで有名です。

使われているのはメープルウッドです

メープルウッドの木材です。つまり楓の木ですね。そこに高級感を出すために、ウォルナット風に仕上げています。
Amazonで商品の詳細をみると、ウォルナット材と書いてありますが、それは誤りです。
コロンブスに電話で確認したので間違いありません。

ウォルナットとはクルミのことです。特徴としては、木目の美しさと材質の堅さ、経年変化で変形しないのが特徴の木材です。流通が少ないことに対し、素材の良さと加工がしやすいという点から世界的に人気のため値段が高くなります。
そもそもシューキーパーに使うほど素材が出回らないはずですし、2万ではとてもきかないはずです。そこで疑問を感じて私は確認して、素材がメープルウッドということがわかりました。

しかし、メープルウッドはメープルウッドで素晴らしい木材です。
硬く粘りのある材で、年輪ははっきりと見えず均ーな表面になります。また、割れにくく加工しやすいので、曲木の家具や、楽器、玩具、彫刻エ芸などに使われる木材です。またブナ材に比べても、比較的軽いので使いやすさが優れています。

ビスポークの木型のような美しさ

甲がとにかく薄いのが特徴のシューキーパーです。手で仕上げていくために、ビスポークの靴に使われる木型のように、人間の足のようなうねりがあります。
そのため、より靴の成形に手間暇がかかった靴に合いやすい傾向にあり、すべての靴に合う万能なキーパーという感じではありません。

このシューキーパーは先割れタイプのシューキーパーではないので、横幅をスプリングによって自動調整がされません。そのため、ぴったりと靴とシューキーパーを合わせる必要があります。甲が薄いことに加え、横幅の張り出しも控えめなキーパーなので、

甲が浮いていても心配ありません

これは近いうちにまとめて記事にしますが、シューキーパーを選ぶ際は、甲の薄さはあまり気にしなくて大丈夫です。
甲の薄さゆえに、甲の部分が浮きを気にされるかもしれませんが、親指と小指の付け根で一番足が左右に広い位置、つまりボールジョイントと靴紐を結ぶ部分のトップの3点が張り出せば、甲の部分のシワは自然に伸びますので、問題はありません。踵周りはコンパクトに綺麗な円を描いており、収まりは抜群めす。踵の部分と一体になっている持ち手は、持ち手が金属で埋め込まれているもののように、取れてしまったりする恐れがないので、安心です。

実際のサイズ感

このキーパーは5、5.5、6、6.5、7、8、9と途中でハーフ刻みのサイズがなくなります。

また、イギリス製のキーパーなのですが、その表記に対するサイズ感はEUのサイズ感だと感じられます。

私はチャーチの173ラスト、7.5 Fの靴に6.5サイズのブートブラックコレクションズシュートリーを使っています。

このサイズ感がEU表記だということを頭にいれてください。

cm 23 23.5 24 24.5 25 25.5 26 26.5 27
5 5.5 6 6.5 7 7.5 8 8.5 9
5.5 6 6.5 7 7.5 8 8.5 9 9.5
EU 6,6.5…の表記法 4 4.5 5 5.5 6 6.5 7 7.5 8
EU 38,38.5…の表記法 38.5 39 39.5 40 40.5 41 41.5 42 42.5
選ぶキーパーのサイズ 38or39 39or40 40or41 41or42 42or43

とにかく稀少なシューキーパーなんです

このブートブラックコレクションズシュートリーは流通量が極端に少ないシューキーパーです。そもそも少数生産のため、なかなか入荷もなく、リアル店舗で置いてある店を探すのは困難です。ネットショップをみても、現在庫がなくなり次第取扱終了というところも少なくありません。お求めはお早めに!

Amazonを有効に活用しましょう。定価よりも安く買えますよ!

Amazonファッションは返品無料です!サイズが合わない場合は、サイズ交換も気軽にできるようになっているので、ブートブラックコレクションズシュートリーを買うときは、Amazonを使うといいかもしれません。靴好きの聖地のひとつである、伊勢丹新宿メンズ館でも今は取扱していないため、ネット通販は有効に活用するべきでしょう。また、定価の2万円より安くAmazonでは買えますよ!このチャンスを逃さないでくださいね!

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コメント

  1. Shin's より:

    Spring Lineの主力商材はブナ製ですし、この製品もブナ製ではないですか。

    • バーリーコーン より:

      Shin’s様
      コメントありがとうございます。本文に書いてあることと重複してしまうのですが…
      Amazonの商品説明を見ると、ウォルナット材であるとまず記載されています。木材や家具の世界で”ウォルナット”と表記すると北米産のブラックウォルナット材のことを指します。
      確かにこのキーパーを見ると、ブラックウォルナットのカラーです。

      ですが、本物のウォルナットはとても高く、高級家具に使われるような素材なので、まずウォルナットではないと思い、確認を取ったのです。
      そうすると「メープルウッド」というメーカーから回答を頂いた次第です。

      個人的な使用感を述べると、ブナ材のキーパーに比べ、圧倒的に軽いです。
      木も柔らかさがありながらも、シダーのようなもろさは感じないので、素材はブナではないと思います。

      参考になれば幸いです。

  2. Shin's より:

    返信ありがとうございます。
    掲載ツリーの踵部分の表面に「樫目」と呼ばれるブナ材特有の斑が見られましたのでコメントしました。コメントするにあたりコロンブスの関連ページ(http://www.columbus.co.jp/release/new_release/2011/20110322.html)及び銀座大賀靴工房のページでも確認しましたが、どちらにもブナ材と明記されています。
    Amazonは事実と異なる商品説明に対して報告制度がありますが、ほぼ機能していません。
    そのためAmazonのウォルナット材という説明はハナから信用しておりません。
     メープルの硬さ、一般には比重で表現される木材の硬度はソフトメープルでブナ同等、ハードメープルではブナより硬く重い木ですが、木材全体では中ぐらいの特に硬くも柔らかくもない木です。ブラックウォルナットが実際に使われたツリーはUSヴィンテージやサンクリスピンのツリーで見たことがあります。材としては比較的入手しやすいものです。ツリーは時として同じデザインで異なる素材を用いることがあり、私自身パーフェクタ製の同一デザインのブナ材、カエデ材、ケヤキ材、カバ材を所有していますので、言い負かしてやろうという気はありません。

    • バーリーコーン より:

      コメントありがとうございます。
      確かにブナ材と書いてありますね。
      私の私物も…?もしかしたら、また素材が変わっているのかもしれません。
      このシューキーパーはもうほとんど生産していないようなので、素材が変わることはありえそうです。
      また何かお気づきの点ございましたら、コメント頂ければと思います。

      • Shin's より:

        コメント投稿後しばらくして実物を見る機会がありました。
        疑いの目を向けてしまい申し訳ありませんでした。素材は実物を見た限りメープルで
        あり、一部には特有のバーズアイも見られました。そうなると、コロンブスのHPの説明や銀座大賀靴工房の説明は一体なんなんだと思ってしまいますが、ブナ製も存在したのか、単なる間違いなのか、よくわかりません。

        • バーリーコーン より:

          Shin’s様

          コメントありがとうございます。コロンブスは発売当初、ウォルナット素材と謳って販売していたので、そのまんまほったらかしのような状態になっているのでしょうね。
          現状、ほとんど生産もしていないようなので、投げっぱなし的な。