革靴のつま先にシワが入るのはサイズが合っていないから?それだけが問題ではありません!

革靴を履いていると、必ず履き皺はつきます。

これはどんなに高かろうが安かろうが、革靴であれば同じです。

この履き皺の入り方によっては、靴が美しく見えなかったりするので、革靴好きの人はみな気になるところ。

特に革質の悪い靴だと、革の肌理が細かくないので大味に皺が出ることが多く、まるで段ボールのような(笑)履き皺になることもあったり…。

近年、革の品質低下は特に目立っています。

これは昔、存在した無数の優秀なタンナーがどんどん廃業に追い込まれていることや、肉食の文化が変わってきた背景や(ベジタリアンが増えたこととか、動物愛護で子牛を食べるのは人道的じゃないという話とか)、中国が良質な革を手当たり次第に買い占めちゃうこと(噂によると買ったはいいが、使い方がわからないから適当な革製品にするらしい罰当たりな)なんかが主だった理由でしょうか。

しかし、もっと根本的な問題があります。

それは地球温暖化による地球全体の気候変動です。

この気候変動によって、ヨーロッパに雨があまり降らなくなってしまったそうです。このことにより、牛が食べる草に十分な水分が含まれなくなってしまい、牛の革の質も落ちるという悪循環に陥っているそうです。結局良い革が手に入らないのも全部人間のせいというわけです。

話が脇道にそれてしまいましたが…

革靴の履き皺に関することでたびたび話題になるのが、

つま先の部分にシワが入ることについての是非。

なぜ、直接つま先のシワに入るのでしょうか?つま先にシワが入ることは悪いことなのでしょうか?

目次

つま先にシワが入る原因

そもそもつま先にシワが入る原因はどういったところにあるのでしょうか?

これは色々な原因があるので、一概にこれが絶対の原因だと言い切ることは難しいですが、原因を複数挙げると…

  1. サイズが大きい
  2. 木型と足が合っていない
  3. 先芯がキャップ全体に入っていない

これら3つがほとんどの理由なんじゃないでしょうか。

それでは、これら3つの理由を1つずつ深堀りしていきましょう。

サイズが大きい

知恵袋にも書いてありますが、大き目のサイズを買ってしまって余計なシワが入るという意見があります。

これは一理あります。ぶかぶかの靴を履いていたとしたら、靴が屈曲する部分も、正常の場合と大きく異なってきます。

木型が足に合っていない

木型と足が合っていないために起きるという可能性も考えられます。足が変なところで当たっていると感じるというときは、型が足に合っていないということ。つま先にかけてシェイプのキツい靴などを履くと、指幅が広い人には苦行の1足になってしまいます。

それによってシワがつくことも考えられます。

先芯がキャップ全体に入っていない

先芯とはつま先の型崩れを防止するために、入っている芯地のことです。

イギリス靴は特に多いのですが、先芯がキャップ全体に入っていないことがあります。

つま先を触ると分かりますが明らかに他の部分と比べて硬いですね。これは先芯が入っているためです。

これは私の靴です。ストレートチップのキャップの縫い目より先にシワが入っています。

ただ、私個人としては、この靴が足に合っていないだとか、サイズが大きいと感じたことはありません。

この靴のつま先を触ると、やはり先芯はキャップ全体を覆ってはいないのです。

縫い目より先、ちょうど皺の入っているところが、先芯の端になっています。芯地が入っていないので、シワが入っても不思議ではありません。

このつま先の部分はよく屈曲する部分です。そこに芯地がまるまる入っていたら、かえって足に擦れてしまい、靴擦れを起こしてしまうでしょう。

今回紹介したイギリス靴は特に実用性に重きを置いていることが多いので、履く人のことを考慮して、あえて「キャップにシワが入ってもおかしくないように作っている」のではないかと思います。

ちなみにもう一足。

こちらは私にとって、タイトフィッティングを通り越して、もはや半分履けない靴です。

しかしそれでも…

このように若干ではありますが、キャップの部分に皺が入っています。

ジャストフィッティング、タイトフィッティングをしたからといって、つま先のシワを防ぐことは完全には出来ないということがわかります。

つま先にシワが入っててもいいんじゃない?

1番、2番をクリアしているのであれば、3番目の理由でつま先にシワが入っていることは、別に良いことなのではないでしょうか。

見た目にこだわりがある人は、出来る限りピッタリとした靴を履いて防止すればいいでしょう。確かにストレートチップのキャップにシワがあるのは、ちょっと…と気になるのもわからなくはありません。

ただ、履き皺が入ってもおかしくない構造なのに、無理に履き皺が入らないようなサイズ感のものを選ぶことに固執すると足に思わぬトラブルが起きるかもしれません。

このつま先のシワもそうですが、革靴の構造を知れば知るほど、こういった問題の原因がわかります。

革靴をもっともっと探求して、これからも少しでも役立つ情報を紹介していきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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