一昨年頃から人気が爆発したタッセルローファー。
2015年から2016年は茶スエードなどのカジュアルな印象がより強まる素材が使われているタッセルローファーが人気でした。
しかし、2017年はここに少し変化が出ました。よりカチッとしたシーンにも合わせられるように黒や焦げ茶色のスムースレザーで作られたタッセルローファーが人気を集めるようになります。特に黒のスムースレザーの方が注目されています。
カチッとしたシーンを具体的にいうと、ジャケパンスタイル以上のスーツなどの装いを指します。
確かに黒のスムースレザーで、グレーのグレンチェックのスーツなんかに合わせたら最高にカッコいいでしょう。
そんな装いに間違いはないと約束したのが、クロケット&ジョーンズのキャベンディッシュでしょう。
履き口とアッパーの絶妙な比率、タッセルの大きさ…。おそらく世界で一番完成度の高いタッセルローファーといっても過言ではないのではないでしょうか。
そして、この靴はどこのセレクトショップに行っても扱ってない店はないというくらい、今流行りに流行っています。
BEAMSやSHIPSなど、有名セレクトショップの店員のスナップを見ると、よく馬鹿の一つ覚えのようにタッセルローファーを履いていますね。
もう少し自分らしさっていうのを大切にしたくないのか?と思いますが。
おそらくは来年まではこの人気は続くのではないでしょうか。
この人気の秘密はタッセルローファーが、コインローファーにはない不思議なフォーマルな雰囲気が漂う靴のために違いありません。
ですから、まずはキャベンディッシュのことに触れる前に、タッセルローファーとはそもそもどういった靴なのかを探っていきましょう。
目次
タッセルローファーの起源
タッセルローファーの起源には諸説あります。アメリカの弁護士がオーダーしたとか、俳優がオーダーしたとか…。
諸説といっても、変わるのは「弁護士」か「俳優」の誰がオーダーしたか?ということで、それ以降の話はどの説も共通しています。
それは1940年代、アメリカの老舗ファッションブランドのブルックスブラザーズに、誰かがタッセル…つまりは房を靴に取り付けたデザインの靴を作ってくれとオーダーし、ブルックスブラザーズがそれをオールデンに依頼したというのいうものでした。
そこで誕生したのがタッセルローファーです。
その後タッセルローファーはアメリカの弁護士に愛されたということなので、オーダーしたのは弁護士だったのかもしれません。いずれにせよ、好んで弁護士が履くことから、タッセルローファーはローファーにも拘わらず、少しフォーマルな雰囲気を有した靴として認知されていったのでしょう。
タッセルローファーの弱点
BEAMSなんかは特にこのキャベンディッシュを推しているので、誰にでも合う靴のように感じます。
しかし、タッセルローファーの着こなしの弱点をきちんと説明しているところは少ないです。
ですので、このサイトであえて、タッセルローファーの弱点をお伝えしましょう。
タッセルローファーの弱点は
履き方を間違えると途端に「ガキ臭く」なったり「軟弱なイメージ」になるというところです。つまり、誰かれと履き合わせられる靴ではないということです。
ただのTシャツにジーパンなどと合わせると、タッセルローファーの神髄であるタッセルが幼稚な雰囲気を倍加させるのです。
そして体格ががっちりした筋肉質な人や体大きい人が履いたりすると、靴だけが妙に「甘い」変な雰囲気になります。
ですから、タッセルローファーは細めから標準体型くらいの人がシェイプの利いた、テーラードジャケットなどに合わせるのが、カッコよく履きこなす秘訣。カジュアルダウンしすぎた着こなしにはあまり相性が良くありません。
私はこの特性をこのように捉えています。
タッセルローファーは似合う人の魅力を倍加させるが、似合わない人の欠点も倍加させる靴。
鏡で合わせて、あまりしっくりこないというときは、無理に買うべきではないでしょう。それがあなたのスタイルであり、あなたのスタイルはきっとタッセルローファーがよく似合う人には合わないでしょうから。
自分の「スタイル」をよく理解することが大切です。
キャベンディッシュ
さて、タッセルローファーの概要を見たところで、本題のキャベンディッシュの話をしていきましょう。
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均整の取れた履き口とアッパーの比率、上質なカーフと丁寧なモカ縫いが特徴です。
黒のスムースレザーであれば、カジュアルだけでなく、スーツスタイルまで取り入れることの出来る万能さ。
茶スエードなどであれば、柔らかな雰囲気を出してジャケパンできれいにまとめることができる最強のタッセルローファーといっても過言ではないかもしれません。
そしてホーウィン社のシェルコードバンを使用したモデルも魅力的です。
このキャベンディッシュ、伝統的なラウンドトウであるラスト325を採用しているところがポイントです。
オールデンのような野暮ったさを感じさせない、実に品のあるラウンドトウです。アメリカではなく、イギリス的なラウンドトウです。ここは感覚的なものなので、実際に写真などで感じていただければと思います。
このラストは60年以上使われ続けている、イギリス靴の歴史が詰まったラストです。
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そして、日本人向けに開発した踵の小ぶりなラスト375を採用したキャベンディッシュ3は、ローファーを履きたくても踵が抜けて困っているという人にはうってつけです。トウはより内側に触れたエッグトウになっているのが特徴です。
こちらがキャベンディッシュ3です。
やはりトウがいくぶんシュッとしていますね。
タッセルローファーが欲しくなった時、まず指標として参考にするべきタッセルローファー。
それがクロケット&ジョーンズのキャベンディッシュです。
タッセルローファーはこの靴を抑えておけば、まず選ぶときに失敗することは少なくなるはずです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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