パラブーツのLisse Leather(リスレザー)とは お手入れ方法解説!

ノルウィージャンウェルト製法は先日紹介したように雪深い地方や山の多い地方で発展してきた、防水性に富んだ実用靴に用いられてきた製法です。

ですからノルウィージャンウェルト製法の靴をより活かすには靴に使う革自体も防水性に富み堅牢性のあるものを選びます。

無論、ノルウィージャンウェルト製法を主体としているパラブーツも、そういった頑丈な革を使ったモデルがあります。

それがリスレザーを使ったパラブーツの靴です。

目次

リスレザーはオイルドレザー(ワックスレザー)の一種です

パラブーツお得意のノルウィージャンウェルト製法をさらに活かすかのような、防水性に富んだ革こそ、リスレザーです。

ミカエルやシャンボード、ランスといった名作によく使われている革です。

オイルドレザー、ワックスレザーともいわれ、少し放置しておくと、塩吹きに似たような「ブルーム」と呼ばれるロウ分が浮き出てきて、表面が白くなります。

これは決して、不良品でもなんでもなく、パラブーツのリスレザーの最大の特徴なのです。

オイリーな革はまず水に強いです。スムースレザーではありますが、しっかりと普段から靴クリームなどで手入れをしていれば、多少の雨はへっちゃらです。

そしてキズなどにも強い革なので、お手入れを怠らなければ、何年も履けますよ。

とにかく頑丈で実用性のある革がリスレザーです。

リスレザー=リスの革ではありませんよ!

以前私の友人が、パラブーツのリスレザーを本物のリスの革を使ったものだと勘違いしていたということがありました。

雑誌など各メディアもリスレザー、リスレザーと言うばかりで、一体リスレザーが何なのかを説明していないことが多いんですよね。

これは前述したとおり革にオイルを染みこませたパラブーツ独自の革です。

私は友人がリス革と間違えて認識してしまうのも無理がないと思っています。

特に、パラブーツはラビットやポニー、アザラシの革などを使っているモデルがあるので、エキゾチックレザーの一種かと感じてしまう人もいることでしょう。

靴にはそういったあやふやで説明があまりされていない素材を使ったものが多く出回っているからという点もあります。

Church′sのREAL CAPE BUCKとDEER SKINなどはその好例です。

REALCAPEBUCKを鹿革と謳っている人は、残念ながらオークションサイトなどを見ると沢山いるんですね。某ライターも鹿革と言っちゃう始末で、これでは手がつけられません。

それでいてDEER SKINは「DEER SKIN」としているのに「BRAZILLIAN RIGHT TAN BUCK」とかカタログには書いてあるそうで、もう何が何だかわかりません(笑)

このように誤認のきっかけはありとあらゆるところに潜んでいます。

雑誌とかも、ただリスレザーと謳うのではなく、一体リスレザーとは何なのかをきちんと説明して貰いたいものです。きちんと調べれば出て来るものですが…。

リスレザーを英語で書くと…

リスレザーは英語では…

Lisse Leatherと書きます。「Lisse」というのには、「なだらかな」という意味やフランス語では「滑らかな」という意味があります。

類似語には「Lisser」という言葉もあり、この言葉には「つやを出す」という意味があります。

なるほど、確かにオイルがしみ込んでいるパラブーツのリスレザーの表面は滑らかな感じです。

リスレザーからブルームが出たら…

リスレザーからブルームが出てもあわてないでください!

最初真っ白くなっているパラブーツのリスレザーの靴をみると、カビが出たとか、不良品と思ってしまう人もいるかもしれませんが、白いのはプルーフです。

カビとの見分け方は2点です。

かび臭いにおいがしていないか?

布で簡単に拭えるか?

この2点に着目します。

プルーフの場合は布で拭っただけで簡単に拭き取れるので、リムーバーも何もつけずにある程度拭えるのであれば、それはブルームです。

プルーフはデリケートクリームなどを塗布すれば、消えてなくなりますので、特にでたからといって慌てなくても大丈夫です。

あまりに多いようでしたら、一度リムーバーでサッとふき取ってもいいでしょう。

しかし、リムーバーでゴシゴシと擦ってしまうと、革の中にある油分が抜けてしまうので、リムーバーの多様は厳禁です。

パラブーツの靴はきちんと手入れをすると、独特の艶が出てきます。

ブルームが出ても、その手入れが極端に大変になるわけでは全くありません。

経年変化がとても楽しめる靴になっているので、靴好きにはもってこいです!

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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