クールビズにシアサッカーのジャケットを取り入れる

気温がグッと上がってくるようになりました。

湿度はまだギリギリ上がり切っていないのと、風が涼しいので、汗の量はそれほどでもまだないのですが、そろそろジャケットを羽織るのはしんどい季節になりますね。

私がクールビズ期間中に取り入れているのが、シアサッカー素材のスーツ、そしてジャケットです。シアサッカーといえば、日本では「サッカー」「しじら織り」とも言われている夏向けの定番生地です。

代表的なシアサッカーの素材の柄といえば、ホワイトとネイビーのストライプの柄ではないでしょうか。

目次

シアサッカーの歴史

シアサッカーの語源は、ペルシャ語のミルクと砂糖を意味するシーロシャカー(shirushakaer)にあります。
そこから「しぼ」「縮れ」を意味するシールシャカーとなりました。

インドにこの生地が入るようになり、シーアサカーという言葉になりました。

インドにイギリスが植民地支配を行った時に、初めて英語圏の文化に混ざったのです。ここでシアサッカー(Seersucker)という言葉に変化しました。

シアサッカーの素材はその後、イギリスから開拓を求めて海を渡ったアメリカの人たちによって、シアサッカーは発展していきました。

アメリカでは鉄道や石油産業の男性が最初に着用しました。労働者はシアサッカー素材の、オーバーオール、ワークジャケット、濃紺のキャップを着用しました。耐久性があるが通気性のあるこのような衣服は、暖かい機関車、エンジン、石炭を入れる炉のまわりで働く人たちに欠かせない素材となりました。

当初は社会的階級の低い人たちが着るものとして、敬遠されていたシアサッカー素材でしたが、Haspel(ハスペル)がその価値観を変えました。ジョセフ・ハスペルが1909年に初めてのシアサッカーのスーツを作り、ブランドを創設しました。

今なお残っているブランドのハスペル。

出典:Stay Cool, Look Sharp: How to Wear a Seersucker 

ニューオーリンズに本拠地を置くハスペルは、ニューオリンズの暑い天候の街の中で、紳士が着ることができるきちんとした服を作るという考えのもと、シアサッカーのスーツを作ったのです。

彼はシアサッカーが洗濯しやすく、速乾性に優れた素材であるということを宣伝するために、シアサッカーのスーツを着て海の中に入り、夕方までに乾くシアサッカー素材の様子示したのです。

これがヒットし、議員や弁護士などが着るようになっていったのです。

シアサッカーが流行った時、ホワイトカラーの人たちにもオンタイムで着られていたことがここでわかります。

私は服装に関して、原理主義的考えはもっていませんが、こういった服装には少々憧れもありました。

たて糸にある間隔をもたせて張った部分とたるませた部分を交互に配して織り上げ、その際に生じた凹凸状の波打ちが立体感を演出してくれると同時に、肌への接地面積を少なくしてくれるため、通気性と熱交換性の高くなるのです。

春夏の服地の定番としてスーツやジャケットに多用されているこのジャケットをワードローブに取り入れない手はありません。

夏はもはや何を着ても暑いです。

Tシャツ1枚にパンツ一丁でも暑い。網戸にして、風通しをよくしても、クーラーを入れていない部屋では汗が滴り落ちてしまいます。

そんな中でスーツを着るのは、拷問ではないかと感じる人もやはりいるようです。

その気持ち、よくわかります。

でも、やっぱり大人であれば、どんなに暑かろうがジャケットを着なければならないシーンが…あるはずっ…!ざわざわ

そこで着始めたのがシアサッカーのジャケットでした。

仕事とプライベートを切り離して考える人が増えた今、クールビズが奨励された当初予測していたことですが、「クールビズ」という言葉だけが、独り歩きした結果、最終的には「ノータイノージャケット」で仕事をする人が圧倒的に増えたと感じます。

ただ単に楽をする人が増えたというところです。

私はずっと思っていました。

なぜシャツ一枚、ノーネクタイ姿が許されるのにも関わらず、涼しい素材で作られたジャケットを着ることが許されないのか?

無地のスーツに比べて、カジュアルな雰囲気があるから?

たしかに白とネイビーのストライプがベースでウールとは異なる素材感はビジネスで着るには不安かもしれません。

しかし、本来は機能的でパリッと見えるため、積極的に取り入れるべき素材のものなのです。

少なくとも、私はシャツ1枚にパンツ姿よりも、シアサッカーでもいいからジャケットを羽織っているほうが、カチッとしていて良いと思います。

素材は綿×ポリエステルが主流

昔ながらのシアサッカーは綿100%で作っているものでしたが、今、綿100%のシアサッカーのものを市場で見つけるのはなかなか難しく、ブリティッシュやアメトラにこだわったテーラーが別注でミルに織らせたものくらいしか綿100%のシアサッカー素材はありません。

たしかイタリアのカチョッポリが綿100%のシアサッカーがバンチにあったような気がします。

でも、本当に数例で少ないのです。

今主流になっているのは綿とポリエステルが混紡されているものです。

速乾性が優れていて、風通しも良く人気があります。

最初の写真に乗っている私物はこれの色違いのジャケットです。

皺にもならないので、アイロンをかける必要もなく、手洗いで洗うこともできるため、ケアも非常に簡単ですし、清涼感と共に清潔感を保つことが可能です。

その他にもリネン×ポリエステルといったものもあります。

ネイビー無地やグレー無地のシアサッカーならビジネスで使いやすさ満点

ネイビー×ホワイトやグレー×ホワイトのシアサッカーでは、ビジネスシーンで着るのに抵抗がある…という方には、ネイビーのシアサッカーのジャケットがおススメです。

近くでしっかり見ないと、シアサッカーの素材ともわかりにくいので、悪目立ちすることもありません。

これならビジネスシーンにも違和感なく使うことができます。

セットアップで使うのでなく、パンツをウールのグレースラックスにすれば、よりカチッとしてみえますよ。

シアサッカーのスーツ(ジャケット)に合わせる靴

シアサッカーに合う靴は、いくつかあります。

まず、趣味的なところでいけば…

白×茶や白×黒のスペクテイターシューズ。トラディショナルファッションになります。

もう少し使いやすいところでいけば、タッセルローファーも組み込みやすいですね。

みんな大好きキャベンディッシュ。コードバン素材であれば、アメリカンファッションの雰囲気を強く打ち出すことができます!

もっと強くビジネスシーンを意識するのであれば、やはり紐靴が良いでしょう。

フルブローグやセミブローグの靴がトラッドな装いに映えます。

どう見せたいかで、セットアップにするか、ジャケパンスタイルにするかで変わります。(仕事であればジャケパンスタイルの方が自然です。下がウールのパンツがメインになるはずなので)

また、合わせる靴もとても重要。

あれこれ着こなしを考えてみてはいかがでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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