このところ、原点回帰と謳われて久しいですが、この流れはいったいいつまで続くのでしょうか。
イギリスがEU離脱を国民投票で決定したのは記憶に新しい出来事ですが、今はその離脱の仕方で問題が起きている状態です。
いわゆる「合意なき離脱、ハードブレグジット(強硬路線での離脱)」を行った場合、EUに加入していたからこそ享受されていた関税での優遇がなくなる可能性もあります。
決してこの問題のために決定したわけではないと会見で伝えていましたが、ホンダもイギリス工場の閉鎖を決めました。
ここで革靴に目を持っていきます。
こうなってくると、もはや自国内にほとんどタンナーのないイギリスの靴ブランドはどうしたらいいのでしょうか?
靴を生産するのにますます海外工場への移転が進んだり、さらなる値段の高騰が起きる可能性があります。
イギリス靴に限らず、イギリス製のアパレル製品を購入できるのは、ほんっとうに一握りの富裕層だけ、というような未来だって起こり得るのです。
スーツのオーダーが好きな方であれば、ハリソンズ・オブ・エジンバラ、ダグデールブラザーズ、W.ビル、マーチンソン、フォックスブラザーズといったテキスタイルのメーカーやマーチャントの名前をご存知でしょうが、これらの紡績産業も危機に立たされます。
なぜならば、イギリスの毛織物の原毛は自国の物ではなく、イタリアからの輸入などに多く頼っているからです。
ですから、当然淘汰されるブランドも出るでしょうね…。
なんでイギリスはEUを脱退してしまうんだ…。素人の私からすると、自国にプライドのある国民の感情が先走ったように感じるのです。
大英帝国が世界を掌握していたのはもはや遥か昔の話なのですから…。
もしかしたら、このサイトも5年後くらいに見直したら、「ああ、あの頃は買おうと思えばイギリス靴を普通に買えてたんだな…」なんて日がくるかもしれません。
イギリス靴が日本の小売店の店頭に並ばなくなれば、ごく自然に「原点回帰」の流れもなくなることでしょう。
ん~、イギリス靴は今が買いなのかッ!?
ファッション的流れで言えば、今イギリス靴への興味関心は最高潮に達しているといえます。
では、その興味関心が薄れ、華やかなイタリア靴が流行ったとすると、イギリス靴は古臭く見えてしまうのでしょうか。
そんなことは起きないと私は思います。
イギリスのファッションは、現代の世界のファッションの礎。その流れが人々の中から消え去ることはまずないでしょう。
いつだって王道のイギリス調のファッションは大きな信頼感を与えることでしょう。
今回紹介するチーニーのFRANCIS(フランシス)はそんな信頼感を与える力のあるクラシックシューズです。
チーニー FRANCIS(フランシス)
チーニーのFRANCIS(フランシス)はクラシックコレクションの新型モデルです。
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何がクラシックなのか?
それはこのフランシスに使われているラストに秘密があります。
このフランシスに使われているラストは、チャーチ傘下時代、アメリカ輸出向けに作られていた
今までこのサイトでもラスト6184を復刻して使った靴は何度も紹介しています。
アデレード型のセミブローグのWINSTON(ウィンストン)やシングルモンクスリッポンのWALTER(ウォルター)もそうですね。
ラスト6184は昔ながらの捨て寸の短いイギリス靴を地で行く形になっています。
丸みの強いセミスクエアトウが普遍的なスタイルを構築してくれます。
私はクロケット&ジョーンズのラスト337よりもハーフサイズ上げて履くようにしています。
ウィズはEウィズの設定です。細身の設定です。
チーニーの標準のウィズの設定が「F」ウィズですから、ずんぐりむっくりしたフォルムに反して中は結構ぴったりくるといったサイズ感になります。
アメリカ靴は華奢でイギリス靴と比べるとより細い靴を見かけることもしばしばありますが、このラスト6184も元々はアメリカ市場向けに作られたラストですから、そういった背景もあって細身の設定になっているのでしょう。
カカトもイギリス靴の中では小ぶりな作りとなっており、日本人も安心して履くことができます。
同じラストを使用した、同じ内羽根セミブローグのウィンストンと比べると、アデレードでないだけでだいぶ見え方が変わるから面白いですね。
個人的にはこれだけどっしりした面構えをしているラストであれば、艶やかさを感じさせるアデレード型のパーフォレーションにしないで、王道の土踏まずのほうにパーフォレーションが落ちるこちらのフランシスのデザインの方が好みです。
どちらを選ぶかを完全に個々の価値観にゆだねられます。
あなたはどちらのセミブローグを選びますか?
最後まで読んでいただきありがとうございます。