少しだけ前回に絡む、お話を続けていきたいと思います。
テーマは「変遷」です。
紳士靴は今日においても見受けられるような、基本のデザインが1940年代までには確立しています。
なので、時代時代によってラストが丸くなったり、尖ったり、細くなったり、太くなったりトレンドは変わります。
今期、ある意味で注目しているのがタッセルローファーです。
一体いつまでこの靴を飽きさせずにタッセルローファーを履くのだろう?
ちょうどメンズファッション世界最大規模の見本市、PITTI UOMO(ピッティ・ウオモ)が1月度が開催していたのでチェック!
ん~、まだまだ履いている人が多いですね…。
特に日本人!
BEAMSの皆さん、相も変わらずタッセルローファーを履いている。それでも少しは履く頻度は少なくなったかな?
私はイギリス的な重厚感あるスタイルもここいらが最高潮で、また少し軽いものに流れ始めるかな?と思ったので、ここいらで重厚感マックスのキルトタッセルローファーが出てくるのでは無いかと思ったのですが…。ボリューム的にも丸いローファーですね。
もちろん日本人以外にも、履いている人はいるけれども重厚感ある冬のスタイルにはきちんと紐靴を合わせている人のほうが多い印象を受けました。(インスタなんかからの情報ですが)
ほんの4年、5年前であればBEAMSがタッセルローファーを履いていれば、タッセルローファーが最旬で欲しい!と思っていたのも、そういう流れがなくなってきているような気がします。
あまりに時代の流れが早いから…その副作用みたいなものでしょうか。
時代の流れが早いというのは情報の伝達速度がもううんと早くなっているということなのでしょう。
だからトレンドもあってないようなもので、次から次へと変化していくし、個人の価値観もますます多様化もしているといった現状です。
そしてその情報が何の仲介も入らず、発信元からダイレクトに伝わるメディアが発達したので、読者層の目も肥えてしまった。
たった月1回まとめて情報をドンと出すMEN’S EXのような雑誌が衰退するのも無理がないですね。
しかし、ここに落とし穴があります。
情報の質が高く、濁りなく一般人に届くようになったとはいえ、多くの人は自分でその格好良いスタイリングをどのように組み込んだらいいのかわからないのではないでしょうか。
そこにこそセレクトショップや雑誌の力が試されるところであり、これからも永く必要とされるためのキーポイントがあると私は考えます。
情報の質が高く、濁り無く、そのスピードの速さゆえに、プロで無い限り情報の取捨選択をしきることは出来ないと思います。
選別した情報、そのお店・雑誌が何をキーポイントとし、売り出していくのか…。
戦略もショップごとに多様化するはずであり、意外とファッションシーンは盛り上がる部分もあるのではないでしょうか。
今私達は流れの変化の速度に体を慣らしているところ。
価値観や今までのスタイルが大きく変わる時代の中にいるのです。
雑誌や一部のリアル店舗は衰退するのかもしれませんが、いかにAIなどのシステム革命が起きても、専門誌やショップの必要性が完全に否定されることはないのでは無いかと思っています。
着心地を最終的に感じるのも、格好良い、格好悪いを判断するのも全て生身の人間ですから。
価値観や触感など、人間の五感の判断まで機械に取って代わられたら、その時は人間が人間でなくなるときでしょう…。
とても壮大な話になってしまいました(笑)
今期の私の注目は…ロークのBrighton
あ、今期のトレンドに関して、私の個人的な意見を申し上げるといい加減普通のタッセルローファーというのは、苦しいのではないかと思っています。
昨年同様、シングルモンク型のスリッポンが私の中では激アツなのです。シングルモンクの靴をもうちょっと楽しみたいです。
あとローファーであれば、ロークのブライトン!
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このボリューミーなスタイルがとても愛くるしく、またイギリスの靴らしい、妙にパリッとした雰囲気がコーディネートの幅を自在に調節でき、面白いと思っています。
幅が広いのではなく、自分でどういうスタイルに落とし込むか、履き手の力量が試される靴。
こういう靴をどう料理するか考えるのはなんて幸せな時間なんでしょうか…。
時代の流れを受け入れ、ファッションをとことん楽しみましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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