カジュアルな結婚パーティーはどんな靴を履けばいいの? そんな時に活躍する靴をピックアップ!

前回はなぜ人は靴を履くのか?というお話をしました。

革靴を履く理由を少し落とし込んで考えてみたわけですが…

服装というものは時代によって変遷していくのは私も十分理解しています。

かつてエドワーディアンスタイルというスーツの原型が出来上がってきた1910年代くらいにはパンチドキャップトウのレースアップブーツが好んで履かれていたという事実もあります。

それが今や、ドレスコードが厳格なレストランにおいてはブーツの着用も認めないところがあるでしょう。

このように最礼装というものも、時代の流れによって若干ではありますが変わっていくものということは紛れもない真実です。

それは2018年現在も確実に起きています。

スーツスタイルというのは1930年代には今日に続く基本形が完全に定着したとされ、そこからおおよそ90年余り、細かい部分での変化はあれど、劇的な変化が起きていないのが現状です。

これから、よほどのハイテク衣類が生み出されない限りは(着るだけで人間にとって、心地の良い体温に調節してくれるとか、有害な物質から完全に守るとか?)、スーツスタイルが略礼装としての一定のドレスコードの高さをキープするのは間違いないと感じます。

この略礼装が中心にスライドしている現代で、連鎖して起きてくるのが、冠婚葬祭などの簡素化という問題です。

結婚式と披露宴は別日程で行われ、披露宴も両家の親族は呼ばず、友人や会社の人だけを呼んだごく親しい人たちの間で、行われるものも珍しくありません。

それはいわば「結婚パーティー」と呼ぶような、新たなスタイルともいえます。

若者の金離れというのも呼ばれて久しい状態ですが、そういう収入の問題などもあって、このように婚礼などにお金をかけないスタイルにシフトしているのが見て取れます。

主催者側が、参列者に気を遣っているのか、ドレスコードを「平服で来てください」としていることも手伝っているでしょう。

本来は「平服」というのは略礼装のことであって、「スーツ(ダークスーツ)」を意味します。

スーツであれば、普通はパキッとセットアップにして、まあ、結婚式だから黒の靴で…となるのが然るべき。

しかし、拍車をかけるように、服装に対して気を遣わない(こちらもお金もないし気を遣うだけの余裕がない、ということも考えられる)層が圧倒的に増えているのか、てかてかのライトグレースーツに茶靴という装いになっているのもよく見かけます。

おそらく結婚式にも使えて、欲を言えばカジュアルなシーンでも問題がないものという、とんでもなくワガママな服装、そしてそれを可能にする衣類を求めているのではないかと感じるのです。

これは、おそらくアパレル関係者の方がこのサイトをご覧になられていたら、きっと共感いただけるのではないかと思うのです。

そもそも招待している新郎新婦も「平服」の真意をつかんでいないということが大半というのが実情なのではないかとも私は考えています。

しかし、良識ある人はこう思っているでしょう。

「いくら平服でといっても、ある程度きちんとした格好でいかなければならないだろう。しかし今や、ダークスーツに黒のストレートチップなんか履いていったら、逆に浮いてしまうよ…」と。

実際に私もこのような場面に何度も遭遇しました。

ダークスーツで参列して周りを見渡すや、新郎新婦以上に派手な服を着ている人、黒のネクタイに黒シャツを着ている人…。おおよそ常識というものを学んで育ってこなかったことが丸出しな人もいて、フォーマルシーンのドレスコードは割と壊滅的な状況に陥っていると私は憂いています。

おそらく「今時の結婚パーティー」における「平服」の意味は…

「スーツスタイル以下である、ジャケパンスタイルを逸脱しないくらいの気兼ねない格好」なのではないかと考えています。

じゃあいったいどんな格好をしていったらいいの?

そこで、私は今時の「カジュアルな結婚パーティー」に焦点を絞って、その難しい匙加減のドレスコードに対して、履いていく靴はどのようなものがいいか、スタイルをピックアップしてみました!

目次

黒のスムースレザーの靴を履いていく

私としては譲れないのが、この黒の表革の靴を履いていく、という点です。

茶色の靴は、スーツ発祥の地イギリスにおいては茶色の靴は、オフの日に履くカントリーシューズとして「田舎者」が履く靴という認識が強いようです。ことにシティなどでは、茶色の靴を履いているサラリーマンは少ないと聞きます。階級社会が根強いイギリスでは十分考えられる話です。

同様に起毛している靴は「獣」を連想させるので控えます。

別に日本はイギリスではありませんが、やはり茶靴やスエードというのは、本来はカントリーシューズに起源するべきものだと認識し、祝宴においては控えるというのが大切だと思います。

第一に茶靴を履いている人は、お洒落をしていこう、と根底に考えているのではないかと思います。

本来、カジュアルな結婚パーティーといえど、祝宴なわけですから、あくまで参列者は控えめにするのが鉄則。そこに持ってきて、目立つ茶色の靴を履くのは良くないと考えます。

短靴を履く

やはりカジュアルなエッセンスは一つまみ加える程度にしておくべきと考え、ブーツを履くのは避けたほうがいいかと思います。

開催するレストランなどによっては、雰囲気にそぐわない危険性すらあります。

最低ジャケパンで

ダークスーツで出席するのが望ましいですが、かなりカジュアルな場である場合は、ネイビーのブレザーにベージュ、グレー、トープ、オフホワイトあたりの色のコットンパンツでもいいでしょう。無彩色にちかいものを選びます。

なるべく派手なストライプなどは避け、無地やもしくは遠目に無地っぽく見えるようなもの記事の物を選びます。

こんな時のパンツは、インコテックスのパンツをチョイスすると、スマートに見えておススメですよ。

カジュアルな結婚パーティーに履く、5つの革靴のスタイルはこれ!

このように黒靴であり、短靴を前提として、輝けライフ!が選んだ靴は以下のスタイルです!

2or3アイレットVフロントプレーントウダービー

外羽根のプレーントウは、ブーツスタイルが正装だった時代(=軍人が政治に大きな影響を与えていた時代)に、その時代が下るにつれて短靴に変わっていった時の名残であるものとも考えられており、スポーティーながら、清楚で控えめな雰囲気を与えるものです。

この靴であれば、きちんとした結婚式やお葬式などの場面に履いていっても、全くドレスコードを

ただし、4アイレット以上になるとどことなくもっさりしていて、ぼってりして見えるのが難点。

そこでチョイスするのが2アイレットか3アイレットのVフロントプレーントウダービーの靴です。

アイレットの数も少なく、Vフロントできっかりと切り返しをしているスタイルはシンプルそのもので威厳もあります。

安い靴にも見受けられるスタイルの靴ですが、良質なものと安物の差がはっきりと出やすい靴のひとつです。

シングルモンクストラップ

シングルモンクストラップの靴は、古くは修道僧が履いていた靴に由来するものです。

時代の流れによって、フォーマルシーンに履かれていたこともあるという、実はフォーマルなエッセンスを含んだ靴でもあるのです。シンプルでありながら、バックルが控えめに洒落た雰囲気を出します。

事実1940年代にはフランスやアメリカにおいて、ストレートチップやプレーントウに次いでフォーマルな靴として好んで履かれていたようです。

紐靴以外の靴は認めない、という靴好きもモンクストラップシューズだけは別、という人もいるほどです。

ダブルモンクシューズは飛行士の履いていたアビエーターシューズを元にジョンロブが生み出したものであり、ちょっと奇をてらったところがあるのと、歴史的正当性は希薄という点から、チョイスしていません。

ここ数年の流行りでダブルモンクシューズを履いていた方も多いでしょうが、そこはシングルモンクストラップを選んでこそ靴好きといえるかと思います。

一口にシングルモンクストラップといっても、様々なスタイルがありますが、やはり選ぶべきはVフロントの切り返しになったオーソドックスなタイプ。

チャーチのベケットは王道です。

チャーチで例えるならウェストバリーのようなタイプのシングルモンクストラップシューズもありますが、こちらはスリッポンなのであまり婚礼の場面などにはそぐわないかと思います。

→ベケットとウェストバリーの比較はこちらから

内羽根フルブローグ

ここは選ぶのに迷いましたが、華やかさがあるという点で内羽根のフルブローグを選んでみるのもいいかもしれませんね。

もとはカントリーシューズに起源を発する靴です。このフルブローグシューズが、茶色やスエード、また外羽根になると、いよいよカントリー感が出てきてしまいますから、絶対に避けましょう。

靴の面白い点は、これが黒のスムースレザーになると、穴飾りが目立たなくなり、かっちりとした雰囲気になるのでダークスーツに合わせた時にパキッと見えます。

タウンシューズとしての地位も確立している靴だからこそのチョイスです。

内羽根セミブローグ

内羽根セミブローグはフルブローグほど派手にはしない程度に、華やかさを出したいときに活躍します。むしろカジュアルな結婚パーティーといえど、本当はこれくらいに留めておくのが節度ある大人の装いなのかもしれません。

キャップの部分が、ウイング状になるか一文字になるかで印象は大きく異なります。

カントリー感が薄まりますので、こういった場面ではフルブローグよりも使いやすいと思います。

クオーターブローグだとかなり抑え目で、カジュアルな雰囲気が出ないですし、パンチドキャップトウだとフォーマルにも使えるため、あえてフルブローグとセミブローグの靴をここでは選出しました。もちろん、パンチドキャップトウもクオーターブローグもカジュアルな結婚パーティーに履いていっていいと考えています。

ホールカット

1枚の革だけで構成されている靴がホールカットです。

服装に関する本をいくら読んでも、このホールカットの靴に関してだけはその立ち位置がぼやけていて、はっきりしない靴です。

少なくとも、本来は最礼装や準礼装には合わせるべき靴ではなく、日本式の略礼装においても、履くべき靴ではないことは確かです。靴の原型のようなもので、あまりに簡素な見た目のつくりであるからではないかと思います。(実際にメーカーとしてはホールカットを作るのは大変なのですが)

しかし、ジェームズ・ボンドはタキシードにホールカットの靴を合わせていたりと、近年、タキシードに合わせる「捻り」として受け入れられている傾向もあります。

たしかに全く飾り気がないため、タキシードなんかに合わせると色っぽく清楚なスタイルとなるのです。

ビジネスシーンでもこのホールカットシューズはだいぶ認知されてきており、履く人も増えていると感じます。

ラスト(木型)の美しさと革の良し悪しで靴の見た目が大きく左右されるので、履くのであればそれなりの靴を履くべきかと思います。

おススメはボンドがタキシードに合わせたというクロケット&ジョーンズのALEX(アレックス)です。

「結婚式」で「平服」でお越しくださいとあった場合

さて、フルブローグシューズやセミブローグの靴をおススメしたのは、あくまでカジュアルな結婚パーティーを想定したものです。

新郎新婦のご両家も出席されるような披露宴であれば、控えめなスタイルに徹するのが常識です。

問答無用で略礼装であるスーツを着ていきましょう。ミッドナイトブルーやダークネイビーのスーツに、黒の内羽根のストレートチップ、もしくは外羽根のプレーントウを履いていきましょう。

服装に興味をもとう

いかがでしたか?輝けライフ!がまとめたこの意見に対して、真っ向から対立する方もいるかと思います。

それはそれで当たり前だとも思います。私も本当であればダークスーツに黒の内羽根ストレートチップと言い切りたいところですが、時代の流れで大きく服装も変わっているのです。

ただし、どんな時代になっても、服装の成り立ちや歴史を知識として持っていれば、自分の身なりで場の雰囲気を壊すことも、自分が大きな恥を欠くこともありません。

だからこそ、自分というものを表現する服装に興味をもって頂きたいと思います。

そして、服装が乱れた時、困るのはあなたではなく、あなたの身の回りにいる人たちだということをよく理解しておきましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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