チーニーの最上級ラインにインペリアルコレクションというものがあります。
非常に珍しく、生産数も少ないためかあまり日本ではお目にかかることがないコレクションですが、そのスマートさはチーニーのようではないほど美しいラインを描いています。
目次
チーニー インペリアルコレクションとは?
チーニーのインペリアルコレクションは、チーニーの最高級ラインの靴になります。
130周年記念コレクションなど、他のチーニーの高級ラインを遥かに上回る高級シリーズです。
まずアッパーの革ですが、チーニーはこのインペリアルコレクションに使われている革を「ハイグレードレザー」という名称をつけ、他のラインでは使っていない革として、素材の部分から他モデルとの差別化を行っています。
光沢感もあり、何よりとても柔らかいんです!
ソールは出し縫いがむき出しになっているオープンステッチではなく、伏せ縫い仕様になっており、フィドルバックで盛り上がった土踏まずの部分には、特殊なシャンクが入っており、歩行を安定させます。
フィドルバックが本当に山のように盛り上がっていて高級感があります。そして土踏まずの部分を突き上げるような安定した履き心地なんです。
なお、このソールに使われているレザーはオークバーク素材で、擦り減りにとても強い丈夫なレザーソールです。
おそらく同じイギリスのベイカー社製のものなのではないかと思います(個人的な体感としてはレンデンバッハの方がもっと固い履き心地になるので)。
コバも張り出しが抑えられており、明らかに手がかかっているのがわかります。
ラストには、ラスト208というインペリアルコレクション専用ラストを使っています。
ほっそりとシャープで、ノーズをほどよく長く見せることによってスマートさを強調しています。
トウの形状はエッグトウになっており、イギリス靴らしいフォルムにするのを忘れていません。
伝統と現代の完成が高次元でまとまっているコレクションです。
チーニー HOLYROOD(ホーリーロード)
今回紹介するインペリアルコレクションの靴は、そのスマートさがより際立つダブルモンクのHOLYROOD(ホーリーロード)
ぶっちゃけるとチーニーのモンクシューズの先っぽって結構作りが粗かったりするのですが、このホーリーロードは、さすがにきれいな仕上げを施しており、ステッチも綺麗に縫っています。
ほっそりしているラストと、このダブルモンクのスタイルの相性は良く、エレガントさが際立ちます。
ソールがフィドルバックになっているので、靴全体にも立体感が出て、見るからに一味違う靴だということがわかります。
そのスマートさがいやらしくならないように、イギリス靴伝統のエッグトウにしているため、デザインで飽きが来るということはまずないはずです。
スマートなだけでなく、ソールに頑健なオークバークソールを使っているのは、やはり根底は丈夫で何年でも価値観が変わることなく履ける靴を目指すイギリス靴らしさが十分詰まっている靴です。
なんかダブルモンクの靴が欲しくなってきました…(笑)
最後まで読んでいただきありがとうございます。