クロケット&ジョーンズ×オリエント急行殺人事件 使用モデル①Lonsdale(ロンズデール)

クロケット&ジョーンズが007シリーズに靴を提供している話を前回話しましたね。

→前回の記事はこちらから

その前回の記事でちょこっと話に触れた、日本では12月8日(金)に公開されるオリエント急行殺人事件。

言わずと知れた、アガサ・クリスティの傑作ミステリー小説であり、今なお愛される名探偵エルキュール・ポアロシリーズの代表作です。

原作の小説が出てから80年以上経ちますが、こうやってリメイクされるあたり、「本物」は時代を超えても埋もれないと気付かされます。

今までテレビドラマ化や映画化もされています。

ちなみに前に映画化されたのは1974年。この時初代ジェームズ・ボンドを演じたショーン・コネリーがアーバスノット大佐役で出演しています。何だか不思議な繋がりを感じます(ここまで来るとこじつけでしょうか笑)。

さて、この映画ではクロケット&ジョーンズの靴がいくつか提供しているそうです。

その1つがLonsdale(ロンズデール)です。

ハンドグレードラインの靴で、見るからに上品な印象です。

今回はこのLonsdale(ロンズデール)を紹介していきます。

目次

Lonsdale(ロンズデール)の概要

ロンズデールはラスト363を使用した、ハンドグレードラインの靴になります。革は上質できめの細かいカーフ。光沢感が素晴らしい!

クロケット&ジョーンズは主にワインハイマーの革などを使っているそうですが、このハンドグレードラインに使われる革は、その中でも特に素晴らしいものを使っています。

光沢感が素晴らしいのもそうですが、甲革が柔らかいので、硬くて履き馴染みが遅いグッドイヤーウェルト製法で出来ているのに、履き馴染みが早いという特徴があります。

値段の分だけクオリティも高く、良く仕上がっています。

このラスト363は比較的最近発表されたもので、初めてお披露目となったのは2009年の事です。内振りで程よくノーズの長いラウンドトウのラストになっています。

カカトの抜けがないように、カカトも絞られ、土踏まずのウエスト部分も、やや狭めに作られています。

ハンドグレードラインなので、ソールはオークバークソールを使った半カラス仕上げの仕様。

履いたことがある方はご存知でしょうが、レンデンバッハやベイカーに代表されるオークバークソールは頑丈で、ちょっとやそっとじゃ削れません。

下手なラバーソールよりもタフなこのソールは硬いけれども、レザーソール特有の返りの良さを持っているので履きやすいという贅沢なソールなのです。

このラスト363ですが、個人的にはカカトの収まりはラスト337より良い印象を受けました。

サイズ感も平均的なイギリス靴と同じサイズ感です。

UK7.5くらいだ、という人はUK7.5で問題ないでしょう。癖が強くて、人の足を選ぶラストでもないと思います。

なお、以前、クロケット&ジョーンズのチャッカブーツをまとめた記事で紹介した、ミルバンクというチャッカブーツもこのラスト363を使用しています。

さりげないポイントは6アイレット!

このロンズデールですが、一見すると6アイレットになっています。

6アイレットというのは、紐を通す穴が6つになっているものを指します。(左右であわせて12の穴が空いています)

この6アイレットというディテールはなかなか珍しく、高級靴ブランドの中でも、さらに高級ラインに設定したものに配されるディテールです。

今現在、特に内羽根の靴では5アイレットが一般的な中において、6アイレットは目を惹きます。

1940年代に良く見受けられた、とてもクラシカルなデザインなのです。

たかだか穴の数の違いですが、侮ることなかれ。

この6アイレットの靴を履くと、紐が通ってる部分が長く見えるので、足元がスマートに見えるんです。

オードリーが比較的クラシカルなイギリス靴に近いのに対して、このロンズデールはよりスマートな印象を受ける靴になっています。

この6アイレット仕様の靴を履いたことがない方は、おそらくご自身が想像されている以上に印象が変わりますよ。

トウの形やラストの形状も大切ですが、このアイレットの数というのも靴の印象を大きく変えるポイントだというのを改めて感じることのできる名作です。

ストレートチップだから冠婚葬祭どの場面でも使えます

ドレッシーなストレートチップなので、冠婚葬祭なんでも使えます。

やはり男たるもの、ストレートチップの1足くらいは持っておきたいですね。

ストレートチップはシンプルなデザインゆえに、素材の良し悪しと作りの良し悪しがすぐにわかる靴です。

靴で1番お金をかけるべきデザインは?と聞かれたら、私は間違いなくストレートチップと答えます。

ストレートチップは現在のドレスコードで、最も履きやすい靴です。

今日、ストレートチップよりも格上のオペラパンプスを履かなければいけない機会なんて、人生単位で考えてもまずないと思います。

上質なストレートチップがあれば、どんな場面においても困ることはないでしょう。

良い靴を初めて買う、という人にもおススメの一足です。

クロケット&ジョーンズで有名なストレートチップといえば、やはりオードリーになるでしょうが、オードリーでは何となく他の人と一緒のような気がして…という方や、オードリーでは足にラストが合わなかったという人に、このロンズデールは最適だと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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