Paraboot(パラブーツ) Michael(ミカエル)の魅力に迫る!

子供の頃は、夜バラエティ番組が見たくてしょうがなかったです。

しかし、父親も母親もその時間はニュース番組を見たかったはず。いつも嫌な顔をしながら、バラエティ番組を見る私の姿を見ていたと思います。

そして時は流れて、今自分も夜はニュース番組を見たくなっています。

それはつまらない大人になってしまったということなのでしょうか。

今、一番好きなテレビ番組は報道ステーションかもしれない…。

時間の流れは人の趣味嗜好を少しずつではありますが確実に変えていくものです。

それは1980年代のイタリアでも同じことが起きました。

1980年代、暗いスーツ、薄いソールのモカシンシューズを好んで身に着けていた時代に終焉が訪れます。イタリアで、新たなスタイルを構築するために、その厚いラバーソールの靴は注目を集め、倒産の危機に瀕していたブランドを救い一躍人気ブランドとして立て直しました。

それこそが、Paraboot(パラブーツ)のMichael(ミカエル)だったのです。

目次

Paraboot(パラブーツ) Michael(ミカエル)の概要

Paraboot(パラブーツ)のMichael(ミカエル)はパラブーツブランドの2代目社長のジュリアンの息子で、3代目社長であるミカエルの誕生を祝して作られた記念モデルです。

第二次世界大戦が終結した1945年の出来事でした。

スタイルはチロリアンシューズという。アルプスのチロル地方の登山靴に起源をもつワークシューズに分類されるものです。

チロリアンシューズとは、甲革にあしらわれたUの字状にモカシン縫いのスタイルを指します。コロンとした見た目が人気の秘密で、2アイレット、もしくは3アイレットのダービースタイルとなっています。

また、タンが袋縫いで取り付けられています。これによって道を歩いている時に、水や小石が靴の内部に侵入するのを防ぎます。これはChurch’sのShannon(シャノン)にも見受けられる手法で、ワークシューズとして意識して作られているものには、タンの部分をこの袋縫いにしているものが多いと感じます。

このモカシンのダービースタイルで、コロンとした見た目だけ成り立っていれば、セメント製法の安価な靴も「チロリアンシューズ」と呼ぶこともありますが、より極限的にいえば、ノルウィージャン製法を取り入れた、モカシンのダービースタイルの靴こそ、より本格的で正当なチロリアンシューズと呼ぶことが出来ると個人では思っています。

このミカエルも別注品を除き、基本的に製法はノルウィージャンウェルト製法を使用しています。

L字状になったウェルトとアッパーを縫い合わせた見た目が特徴的です。ノルウィージャン製法も登山靴によく用いられる製法です。ウェルトが甲革と密着するため、より水の侵入には強くなるといわれています。

グッドイヤーウェルト製法の変形ともいえる製法です。グッドイヤーウェルト製法がなるべくスマートにみえるように、すくい縫いを見えないように縫い込んでいるのに対して、ノルウィージャン製法はすくい縫い丸出しで縫い合わせます。

こうなるとかなりゴツゴツとした見た目になり、スマートさよりも、ワークを意識した見た目になります。

よって、基本的にスーツなどのドレススタイルに合わせるものではなく、ジーンズなどのオフスタイルに合わせるのが基本です。

チロリアンシューズは頑丈で分厚いラバーソールが使用されていることが大半です。このミカエルも例に漏れず、パラブーツ独自で作っているラテックスのソールが特徴です。

これは、1926年にパラブーツの創業者であるレミー氏が目を付けたラバーソールの系譜を脈々と受け継ぐものです。

実際に使ってみても、雪や雨に強く軽登山の普段履きとしても使え、ファッション要素だけでなく十分な実用性も持ち合わせているのです。

少なくとも街履き用としては最強クラスの頑丈さが魅力です。ちょっとやそっとのことでは削れないので頼もしさがあります。

捨て寸が短く、甲が高く、幅が広い

さて、このミカエルですが、その履き心地の特徴は、捨て寸が短く、甲が高く横幅が広いというところです。

ずんぐりむっくりしている見た目のまんまりの内寸だと感じます。

幅は狭く、甲もちょっと低いけど、きちんと足長はある、という人には全く合わない靴だといえます。極端に華奢な足をしている人には向いていない靴です。

がっしりした昔ながらの日本人の甲高幅広の足の方に特に相性がいい靴と思います。

ただ、見た目の良さからファッションアイテムとして取り入れてどうしても履きたい、という人がいるのも事実でしょう。

そういう人はタンの裏側にタンパッドを貼ってサイズ調整するのも1つの手かと思います。

アザラシ、ウサギ、ミンク、ポニーなどのファーがあしらわれます

パラブーツのミカエルといえば、「ミカエル フォック」が特に人気でした。

このフォックというのは、アザラシのことです。

甲革のタンの部分にアザラシの毛皮があしらわれており、それがパラブーツのアイコニックモデルとして特に人気を集めていました。

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現在はアザラシが絶滅の危惧があるため、アザラシの毛皮を使うことはなくなりました。

代替品として、ポニーやウサギの毛皮が使われるようになっています。

特に高価なものでは、ミンクの毛皮をあしらったミカエルも一部で熱狂的な人気を集めています。

オフスタイルに万能なパラブーツ ミカエル

カジュアルな見た目を活かし、このミカエルに合わせるのはオフスタイルでの場面です。

デニム、チノパン、カーゴパンツ、ショーツなど、ほぼ何に合わしてもスタイルをまとめてしまう底力があるので、ファッションスタイルに頭を悩ませずに済むところが人気の理由といって間違いないでしょう。

先日の記事でも紹介しましたが、トップスにシアサッカー素材のジャケットを持ってきても上品にまとまるので便利です。

スポーティーにポロシャツと合わせてももちろんOK。

同じフランス発祥のラコステのポロシャツと合わせれば、一気に肩の力を抜いたお洒落感があふれるフレンチカジュアルスタイルが完成します。

中にはスーツに合わせるというファッションの猛者もいますが、9割9分の人は似合わないと思いますし、普通の会社員には全くおススメ出来ないスタイルです。

逆にアパレル関係者の方に、ファッションスタイルの捻りの見本一度ぜひ試してみてほしいですね。

ミカエル一足だけで休日のスタイルの幅がかなり広くなるのでおススメです。

こんなことを言っていたら、ミンクのミカエルが欲しくなってきた…。自分の中でこれは「はしか」のようなものですね(笑)

ミカエルをお持ちでない方は、休日用に1足いかがでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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