クロケット&ジョーンズ CRANFORD3(クランフォード3) ショート丈のサイドゴアで差別化を

グレンソンばかり書いていると、その反動でモダンなイギリス靴のことについて書いてみたくなるのが私です。

靴は色々な靴があって良いと思います。

そして人は皆それぞれが全く違う存在であって、1つとして全く同じ個体というものは存在しません。

ゆえに2018年現在、イギリス靴がいいというような風潮であっても、イタリア靴の方が明らかに似合う人というのもいらっしゃるわけです。

自分に似合うスタイルを見極めることが大切です。

そういえば…

何年も前に、とある地主さんとお会いすることがあったのですが、その人はワニ革の靴を履いていました。

いわゆる靴として映えるように平らかになったワニ革ではなく、ワニの顔そのもののようなワニ革です。

その見た目はまるでガメラか…

ゴジラのようなゴツゴツとした爬虫類の皮膚そのもの。

鼻先がつんと尖っていたのはまるでキングザウルス三世のような感じ…。

革は正真正銘のクロコダイルなのですが、なんだか特撮怪獣の着ぐるみのようなニセモノ感が漂っていたのに笑ってしまいました。何でも度を超すと良くないという事ですね。

足だけ怪獣のようになっていたのが忘れられません。

モダンさを持ち、イギリス靴らしい雰囲気は残し、そしておおよその人のスタイルに自然に溶け込む靴を作り上げるという点では、クロケット&ジョーンズのうまさの右に出るブランドはそうはないと思います。

ごく自然な感じでお洒落な革靴としての雰囲気を出し、イタリア系ファッションからバリバリのイギリスクラシックにまで合わせられる器用な靴です。

今回はそんなクロケット&ジョーンズからモダンなサイドゴアブーツ、CRANFORD3(クランフォード3)を紹介します。

目次

クロケット&ジョーンズ CRANFORD3(クランフォード3)

クロケット&ジョーンズのCRANFORD3(クランフォード3)はシンプルなサイドゴアブーツですが、その最大の特徴は一目見てわかる通り、ショート丈というところにあります。

これは先日チーニーのOLIVER(オリバー)というショート丈のサイドゴアブーツを紹介した時にも言っていることですが、ショート丈のサイドゴアブーツというのは、2018年現在、全体的に見ても少々珍しいかもしれません。

このクランフォード3の丈の長さは、平均的なサイドゴアブーツの丈と比べても10センチほど短くなっています。

ゴムが付いていて、後ろに履きやすさを助長するためのプルアップがついていても、サイドゴアブーツは革が馴染むまでの最初のうちはちょっと脱ぎ履きがしにくいということが

ありますが、このクランフォード3ほどの丈になれば、そんなことはなく、楽に脱ぎ履きができます。

使われているラストは、ラスト360というロングノーズのラウンドトウのラスト。

こちらは靴好きならお馴染みの、靴のセレクトショップである、トレーディングポストが別注して誕生したラストです。つまり日本初のラストです。

ラストの特徴としては、ボールジョイント部分の横幅はEウィズ、土踏まずの部分にかけてはDウィズ、カカトに関してはCウィズにして足の前部分から後ろの部分にかけて絞り込んでいるという点があげられます。

いわゆる幅があるけれど、カカトは細いという日本人にはおあつらえのラストなんです。

当初、クロケット&ジョーンズはこんなにカカトが小さい靴が売れるのか?とラスト製作にかなりの難色を示していたそうですが、今となっては本国イギリスでも展開されている人気ラストとなりました。

こちらのラスト、見た目のノーズの長さのわりに内寸の捨て寸は短くできているのも忘れてはいけません。トレーディングポストが別注していたハンドグレードラインのラスト360の靴は中敷きが全敷きタイプになっているために、つま先が圧迫されているように感じられ、サイズをハーフサイズあげたことがあるくらいです。

1960年代のミニマムスタイル流行時、ビートルズが履いていた

ショート丈のサイドゴアブーツというと、1960年代のミニマルでストイックなスーツスタイルによく合わせて履かれていたという印象が強いです。とてもモダンで、コンパクトなスタイルの極みは見ていて清々しいです。

ビートルズはサイドゴアブーツを4人そろって履いていたことで有名ですが、残っている写真をみると、ショート丈のサイドゴアブーツを履いていることがわかります。

これがこのクランフォード3のシルエットラインに似ていて、ロングノーズでトウがポインテッド気味の丸みのあるトウです。

ショーン・コネリー演じるジェームズ・ボンドもショート丈のサイドゴアブーツや短靴タイプのサイドゴアシューズを履いているシーンがいくつかありました。

ボンドの履いた靴もノーズが長く、ポインテッド気味。

1960年代スタイルと類似する部分がいくつかあるんです。

1960年代のスーツスタイルと2018年のスーツスタイルはよく似ている部分があります。

1960年代のスーツスタイルは今見ても、全く色褪せないものがあります。

それは適度に細身であり、タック入りパンツだけど、裾に向かってテーパードをかけている点にあります。

2018年のスーツシーンは、私はまさしくこの60年代スタイルにそっくりだと感じています。ジャケットの襟のラインやボタン位置は違いますが、おおまかなシルエットラインはよく似ています。

それが意図的なものなのか自然発生的なものかわかりません。

ファッション雑誌を見ると、「今はゆったり目が流行り」的な言葉がかかれていますが、2008年~2015年くらいまでが異常とも思える細身のスタイルが人気になっただけであって、特段今のスーツスタイルがゆったりしているとは私は全く感じません。

むしろ程よいコンパクトさがあるので、流行に左右されにくいバランスの良いスーツスタイルに戻ったと考えるべきかと思います。

そのコーディネートの要として、このクランフォード3は最適な靴だといえるでしょう。

モダンでありながら、時代性に左右されにくい靴をお探しであれば、このクランフォード3をぜひご検討されてみてはいかがでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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