グレンソンの話をまだまだ続けていきましょう。と、いうかもう勝手に続けていっちゃいますよ~。
グレンソンといったら渋~いイギリス靴。他とはちょっと一味違う捻りのある靴です。
店頭で扱っているお店もあまりないですから、ちょっと珍しいです。
同価格帯のイギリス靴ブランドと比較しても、他の靴ブランドではあまり施していない伏せ縫い仕様も、きちんと施していたり、品質の良い革を使っていたりと見逃せないポイントは数々あります。
今回はグレンソンのコレクションの中から、イギリス靴といえばフルブローグ、ということでフルブローグのモデル、BATH(バース)を紹介いたします。
目次
GRENSON(グレンソン) BATH(バース)
グレンソンのバースはオックスフォードのフルブローグシューズです。
使用しているラストはラスト77。グレンソンの定番セミスクエアトウのラストです。
気持ちショートノーズの靴はブリティッシュクラシック!
作りはもちろんイギリス靴ならではのグッドイヤーウェルト製法。
前回紹介している同じラスト77を使ったOXFORD(オックスフォード)と比べると、つま先に施されているメダリオンはキャップに目一杯詰め込まれています。
セミスクエアトウのショートノーズを際立たせる役目を果たしているのが、このキャップに目一杯施されているメダリオンです。
メダリオンの形状もハート型のようなタイプで、しばしば同じタイプのメダリオンをイギリス靴では見かけることがあります。エドワード・グリーンのカドガンなんかに使われるメダリオンもこのバースと同じタイプです。
ウイング状になっている羽根の頂点とレースステイ周りのパーフォレーションのバランスが黄金比のように美しさを際立たせます。
羽根の頂点が短すぎて、パーフォレーションとの間隔があくと、ロングノーズに見えます。これはショートノーズのラストと合わせると一般的には相性が良くなく、間延びして見えてしまいます。
そうならないバランスの良さを持っているのは、さすが老舗のイギリス靴ブランドといったところでしょう。
イギリス靴、ショートノーズ風味、内羽根のフルブローグの3本セットは靴好きならば、唸るはずです。
チャーチのChetwynd(チェットウィンド)やチーニーのARTHUR(アーサー)などの王道のブリティッシュクラシックフルブローグがお好きの方なら、バースは間違いなく好きなはずです。
しかし、このバースはこれらのイギリス靴とまたひとつ違うポイントがあります。
それはコバの張り出しが控えめであるということです。コバが大きく張り出したイギリス靴のフルブローグシューズは男らしさの象徴でもあります。
しかし、フルブローグの靴でコバが控えめというのも、これもまた品のある雰囲気を出して素敵ですよ。
コバの張り出しは控えめであればあるほど華奢に見えます。
極端な例でいえば、イタリア靴のマッケイ製法で作られたコバの張り出しが一切ない靴などがありますが、グッドイヤーウェルト製法であり、かつデザインがクラシックなバースはコバの張り出しを無くしたわけではありません。
ほんのさじ加減で全く別の靴に見えるのが面白いですね。
ソールのレザーはオークバークソールと呼ばれる頑丈なもので、摩耗強度が高い質の良いソールです。これがまたグッドポイントです。
フルブローグの靴は柄物のスーツと合わせる。
フルブローグの靴は、その装飾性の高さを活かして、柄のあるスーツと合わせるとまとまりが出ていいでしょう。
特にチョークストライプやグレンチェックのスーツは、そのトラディショナルな雰囲気と相まってフルブローグの靴を引き立たせてくれるはずです。
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そして自信を持って履く
就活用の雑誌なんかを読むと、何かと根拠のない理由で敬遠されるフルブローグの靴ですが、モンクストラップシューズなんかよりもガッチリと引き締まった雰囲気を構築するためには欠かせない靴です。
こういっても、職場の雰囲気的にそぐわないのではないかと考える方もいらっしゃる事でしょうが…。
そもそも本当にフルブローグの靴を履くのが許されないような職場であれば、そんなことを悩む余地がないはずです。悩む余地があるということは、履いても本当は違和感がないということだと私は思っています。
フルブローグの靴の購入を検討されている方は、臆せず自信を持って購入いただくといいのではないかと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。