Church’s(チャーチ) STANCE(スタンス) モードなゴルフシューズ ラスト43とは?

Church’s(チャーチ)のMCPHERSON(マクファーソン)の記事に引き続き、今回もチャーチの話題。

プラダ傘下後は何だ~かんだ~と言われるメーカーですが、それだけいつも熱いまなざしを集めているブランドということでしょう。

魅力がたっぷり詰まっているのです。

ガジアーノ&ガーリングは作りもビスポークを意識した靴は確かに美しいです。

ラストに十分吊り込まれ、既製靴の中でも極限まで立体感を描いた靴。作り込みをするだけに見合った高級感あふれる確かな素材。

ただ単純に靴単品同士だけを見比べてしまうとチャーチの靴は、ガジアーノ&ガーリングに負けてしまいます。しかし、ガジアーノ&ガーリングのような先鋭的でモダンで作り込みにも長けたイギリス靴には表現ができない(そもそもそういったものを表現しようとしていないということでもありますが)、イギリス靴らしい朴訥さ、歴史の深さを感じさせるという点ではチャーチの靴に軍配が上がります。

インスタグラムをみると、確かにエレガントでラグジュアリーな路線に舵をとっている最近のチャーチですが、よくよく調べていくと昔からの木型を復刻して作っているモデルがあるんですよ!

「CLASSIC DRESS」というラインにただ一つだけ属しているTarvinという内羽根のフルブローグはラスト54を使っていました。個人的に良い意味ではなく、好印象ではないという意味でダサいラストです。これを復活させているんですね…。たしかに内羽根のフルブローグになり、新しいメダリオンを使っていれば、あの角ばったスクエアトウも幾分ましに見えます。

このように温故知新というのを大事にしていると、確かに感じることが出来るんです!

そして、今回紹介するのはラスト43を使ったSTANCE(スタンス)というモデルです。

目次

Church’s(チャーチ) STANCE(スタンス)

Church’s(チャーチのSTANCE(スタンス)は3アイレットダービーの靴です。

何の変哲もないデザインのように見えますが…

実はこれゴルフシューズなんです。

ソールにゴルフ用のスパイクがついています。もちろんタウンユースとしても履くことができますが、靴が好きな人にはちょっとした変化球で面白い靴ではないでしょうか。

ここからも大きな注目点ですが、使われているラストはラスト43というもの。

つま先に向けてややほっそりとしつつも、ウィズのボリューム感はなくさない、エッグトウのデザインです。

中の広さはラスト81くらいで、捨て寸はきっちり中で取れているといった感じでした。

360°グッドイヤーウェルト製法で作られており、ストームウェルトがついていて、この靴でゴルフをしてもいいように本格的に作られています。芝の朝露もおそるるに足らずですね。

アイレットも外ハトメになっており、かなりスポーティーな印象。

最近のチャーチにはなかった新しいフォルムの靴なので、これは単純にみていて面白い靴ですね。

甲革に使われているのはロイスレザーというややマットな革で、控えめな光沢の革が高級感を演出します。

ラスト43とは

ラスト43の靴は昔、SAHARA CAMEL SKINやREAL CAPE BUCKといったエキゾチックレザーなどを使ったモデルに多い靴でした。

この古靴市場では、STANCE(スタンス)と同じように3アイレットダービーのデザインのモデルがしばしば見つけることが出来ます。

SAHARA CAMEL SKINを使ったTUNIS(チュニス)などがその例です。

おおよそ60年代後半~70年代にかけて、ラスト43が使われたモデルが発見されるのですが、ラスト43の靴は当時のコレクションの中でも、どういうわけかひときわコバをせめていて、いわゆるチャーチらしいコバの張り出しというのは全くありません。

トウも大きなカーブを描いていて、カクカクはしていないけどスクエアトウのような(なんじゃそら)感じです。

そして、このラスト43、現在スタンスに使われているラスト43と全く同じものなのか疑問に思っていました。

コバの張り出しは仕様の違いにしても、どうみても同じラストにはみえないからです。今のラスト43はエッグトウ気味ですが、昔のラスト43は大きなスクエアトウ。

この疑問を解決するべく、チャーチのカスタマーセンターにメールを送ってみました。

するとおよそ半日で返信が!

その返信文をそのまままずは紹介。

Good morning

Thank you for your enquiry regarding last 43.

I have checked with our Production/Design Dept and they confirm that this is the ‘old golf last’ used many years ago for the manufacture of our golf shoes only.

I hope this answers your question.

Kind regards

Client Service

ざっくり訳すと、こんな感じでしょうか。

「生産部門とデザイン部門にチェックをしてみたのですが、ずっと昔からゴルフシューズに使われていた「古いゴルフシューズのラスト」とのこと。ゴルフシューズにだけ使われていたんだそうですよ。これがお答えになっていればいいんですが。」

ですって。

はい。答えになっていませんよ。

昔からゴルフシューズだけに使われていたラストというものの、3アイレットのダービーのテュニスやアントラーといったモデルはゴルフシューズだったのでしょうか?

こいつら平気でレザーソールの伏せ縫い、しかもヒールは昔の靴あるあるな釘ヒールなので、当然ふかふかの芝の上をそんなんでグリップが効くわけないじゃない!

古いラストとはいうものの、どうもラストをいじっているっぽい雰囲気があります。

表参道のチャーチにいったときに穴が空くほどみましたが、どうも一緒の靴には見えません。

私の眼にはシルエットが全然違うものにしか見えませんでした。履き比べてもやはり現行のほうが幅がややゆったりとしています。そして捨て寸の詰まり具合が昔とは違う!

別物と考えたほうがいいと思います。今のと昔のとで比べないほうがいいかもしれません。

それでもクラシック

確証はありませんが、どうにも昔のラスト43そのままではないと思われるスタンス…。

しかし、そのフォルム自体はクラシックはきちんと残っています。甲革の感じと全体的なバランス感は、クラシックとモードの中間といった雰囲気で、どなたにでも楽しんで履いて頂ける靴になっているのではないでしょうか。

そう、きっとゴルフシューズではなく、モ―ドな服装に合わせることも想定しているのでしょうね。

うまく現代の感性を取り入れているんですね~。

なお、スーツに合わせる3アイレットダービーのドレスシューズをお探しであれば、ラスト136を使ったOSLO(オスロ)がおススメです。どうぞこちらも検討されてはいかがでしょうか。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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