こんな雨の日は②ガラス靴編

雨の日はスエードが良いという話を前の記事で紹介していますが、もうひとつ雨の日に良いのが、ガラス革の靴です。

→スエード靴についてはこちらから

ガラス靴は、革に樹脂を吹き付けてコーティングをした靴です。

この革に施されているコーティングによって、水を弾く効果が得られるというわけです。

そんな便利なガラス革の靴ですが、どんなものにも長所があれば短所もあります。

先に難点から確認していきましょう。

目次

ガラス靴の難点

①擦った跡がつきやすい

人それぞれ歩き癖などによって、靴と靴が擦れたりする箇所が変わってきますが、多くの場合、擦れる跡が付きやすいのはカカトやつま先でしょうか。

スムースレザーでもつく、この擦れ跡ですが、ガラス革はその擦れ跡が特に目立ちやすくなります。

クリームなどもほとんど入っていかないので、補色も効きにくく、見た目がボロボロになりがちという欠点があります。

②コーティングが割れる

ガラス革の最大のデメリットは、コーティングされた樹脂が、経年劣化で割れてくるということでしょうか。

最初は小さなひび割れから始まり、最終的には大きなクラックとなって裂けてしまうのです。

スムースレザーの靴も経年劣化でいずれはクラックが入るものですが、ガラス革の靴の場合どうしてもその速度は速いと思います。

要因としては、なかなか革に保湿成分が浸透しないため、革自体の劣化が早いというところになるでしょう。

③安っぽく思われがち

ガラス革はもともと靴のアッパーには使えないような品質の革を使っているものが大半です。

具体的には血筋やトラと呼ばれるシワが多い、見た目に美しくない革をコーティングで隠して製品として利用したものがガラス革なのです。そのため、少し安っぽい印象が出てしまうことがあります。

でもやっぱり雨にも強くて便利!

さて、難点ばかり列挙しましたが、そのデメリットの数々をゴアテックスのような靴とは違い、見た目にもスマートな靴が多いのが、ガラス革で作られている靴の特徴です。

見た目も良く、雨にも強いのは最大のメリットです。

きちんと手入れを怠らなければ、光沢感もあるので清潔感に溢れる靴になります。

お手入れも実に簡単です。

ガラス革のお手入れ

基本的にブラッシングだけで問題ありません。汚れが目立つときはステインリムーバーで、汚れをしっかり取り除きます。

ガラス革はコーティングされていますが、顕微鏡で見ると細かい穴が空いていますので、クリームなども少し入ります。

クリームが入るので、コーティングの下にある革本体を傷めないためにも、時折靴クリームも入れましょう。

靴クリームは、このブートブラックのコレクションズシュークリームがおすすめです。

アルガンオイルによって、高い浸透力を持っているこのクリームはよくガラス革に浸透して、色もしっかりと入っていきます。ガラス革がうすぼけた時や、擦れ跡を消したいときにおすすめです。

チャーチのポリッシュドバインダーカーフはひと味違う

それでもガラス革は安っぽくて…という人におすすめなのが、イギリス靴ブランドの1つである、Church’s(チャーチ)のポリッシュドバインダーカーフを使った靴です。

ポリッシュドバインダーカーフとは、チャーチが独自に開発した樹脂を吹きかけて作られたガラス革の靴です。

このポリッシュドバインダーカーフの面白いところは、通常のカーフと同じように、経年変化を楽しめるというところです。表情の変化がはっきりとわかります。

近くで見てみると、普通のガラス革の靴とは違い、非常に薄くコーティングが施されていることによって、革の細かいシワの模様も見ることができます。

そして、通常のガラス靴に比べても、クリームが浸透していきますので、しっかりと栄養補給もできるという優れもの。

色んなサイトで、靴クリームは全く入らないと書いてありますが、、、

ちゃんとクリームは入ります!

全く栄養クリームを与えないと革に良くないですし、何より見た目が汚くなるはずです。しっかり靴クリームを使っていきましょう。

これはポリッシュドバインダーカーフを使用したチャーチの有名なモデル、Shannon(シャノン)です。

私物です。

オールデンよりもボリューミーなラスト103を使ったこの靴はまるで戦車のような重厚感があります。

もう履いて6年近くたちますが、クラックも起きずに、まだまだぴんぴんしております。

光沢感もあるので、いつでも綺麗に履けます。

さすがチャーチといったところで、ポリッシュドバインダーカーフの靴でも、気品が漂います。高級感もあるので、ビジネスシーンにおいて見劣りする靴では全くありません。

シャノンは外羽根というところと、そのボリューム感でスーツスタイルに取り込みにくい時は、チャーチのストレートチップの代表作Consul(コンサル)や内羽根ウイングチップの代表作Chetwynd(チェットウィンド)にもポリッシュドバインダーカーフが使われているものがありますので、このモデルを使うといいでしょう。

いかがでしょうか?ガラス革の靴の実用性の高さと決して安っぽいものばかりでないということがおわかりいただけたのではないでしょうか。

ドレスコード的にスエードの靴の着用が認められない職場でも、ガラス革の靴であれば問題ないはずです。

ワードローブのひとつに組み込むと、雨が連続する日でも安心ですよ~。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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コメント

  1. お靴様 より:

    ガラスレザーの由来は見た目ではなく加工の工程ではないでしょうか?

    • バーリーコーン より:

      お靴様
      コメントありがとうございます。
      お恥ずかしい!ご指摘の通りです。ご指摘ありがとうございます!