三寒四温とはよく言ったもので、暖かい日が続いたと思いきや、突如として冬の日のような寒さが戻ってくる時期です。
まだまだ冬の装いは用意していた方がいいということですね。
この時期になると、衣替えはより一層活発になり始め、4月に入れば完全に夏物も視野に入れながら動き出すシーズンです。
特にここ最近の地球温暖化の影響で、ちょうどよい春、秋の季節があまり感じられず、「四季」というものがなくなりつつある今、5月になれば真夏日もあります。
そんな感じなので、私は最近、完全に夏用のスーツと冬用のスーツでわけてしまっています。
いわゆる合いもののスーツはありません。
冬は総裏で服地のウェイトも360g~といった感じ。吊るしのスーツを着ていたころは知る由もありませんでしたが、この服地のウェイトというのが重要です。
少なくとも300g後半はないと、なかなか暖かくありません。
きちんとオーダーしたスーツであれば、よほど重い生地を使わない限りは重みは分散され、肩が凝るという事もありません。
街の人たちがどこからどうみても薄いペロペロの生地のスーツを着ているのをみて、風邪をひかないのか、いつも疑問に思っています。
スーツ屋に聞いたところ、トレンドでは350gを超えるスーツというのは、なかなか打ち出していないようで、今の感覚からするとヘビーウェイトに感じるようです。
しかし、そんなにヘビーかというと、そんなことはありません。ぜひ試してみていただきたいのが300g後半の服地なのです。
夏は完全に平織りのスーツですね。特に2plyの背抜きのスーツ。260gくらいのウェイトが良いですね。2ply、3plyなど撚りをかけているであれば、シワに対する復元力も素晴らしいので真夏のジャケットを脱いだままにする時期にも安心です。
これが涼しすぎるんじゃないかと思いきや、最近の5月の暑さからすると、これでちょうどよいくらいです。
230gのイタリア生地を使った平織りのスーツも持っていますが、いくらクリースを付けようとアイロンがけをしてもすぐ膝抜けしてしまうのでなんとも頼りないのです。
スーツはイギリス、日本生地のものが私の好みです。
さて、このように靴だけでなく、洋服関係も人並み以上に好きな私ですが…。
よく同僚から言われるのが、いつも何を参考にしているの?雑誌でも読んでるの?雑誌は必要なの?ということ。
今回はこの同僚の質問に答えていこうと思います。
目次
雑誌は読みます
まず、雑誌ですが…。
読みます。
主に読むのはSafari、MEN’S EX、LEON、BEGIN、2nd、OCEANS、メンズプレシャスあたりでしょうか。
と、いっても購読するわけではなく、家までの帰り道とかにコンビニに寄ったついでに
立ち読みする程度ですね。
何が流行っているのか、どんな素材のものがフューチャーされているのかなどを見ます。
若いころは手当たり次第に読みまくって知識を付けて行きましたね。
もちろん雑誌を読むだけではわからないので、現物を出来る限り見て確かめ、お金に余裕があれば買っていました。
今でこそ、このサイトで、ああだこうだ好きに言っていますが、それなりにお金を使わなければ、このような知識は身につかなかったとは思います。
このサイトを立ち上げた根底には、この知識を自分のものだけにしておくのも勿体ない。世の中の人にどうやったら多く広めることが出来るだろうか?と考えた…という経緯もあるのです。
今は雑誌を参考にしません
今はある程度自分の中で知識もついたので、雑誌は参考にしません。
雑誌に出ている着こなしの例的なものも一切参考にしません。
「今年の流行のカラーはイエロー」などを含めて、そういうのは一切気にしていません。
男の装いに必要なのはネイビー、ミディアムグレー、チャコールグレー、ブラウン。これだけで十分着まわせるのです。
さらに言えば、ある程度しっかりしたものを買うという意識を持つことです。
あまりに安価な素材のものでは、全体に安っぽさが出てしまうものです。
例えば私はフォックスブラザーズ製のフランネルのネイビー無地のスーツを持っていますが、休みの日になれば、ジャケット単品にしてボトムを同じフランネル地のグレーにしても良し、綺麗めなものであればデニムに合わせて良し。
ジャケットの下はタートルネックだとかを合わせればそれでおしまいです。
着こなしに必要なことは全部007に教わった
とはいえ、着こなしを誰からも教わらなかったわけではありません。
私の場合、服の着こなしを教わったのは007でした。派手な柄のジャケットなどは一切来ていません。
そのほとんどが無地、もしくは近くで見ないとわからないような柄物といった具合です。
チョークストライプのスーツもよく着ていますが、チョークストライプが英国調スーツを代表するような上品なものです。しかもボンドの場合、ほとんどの場面でフランネルのチョークストライプです。
基本の中にちょっと捻りをいれた彼の着こなしを超える存在は出てこないのではないかとさえ思っています。
50年以上も価値観をほとんど変えずに存続できているというのが凄い。
そしてボンドの何がいいか、というとマネがしやすいという点です。
「無地のネイビーのスーツは、ペールブルーのシャツと、無地のフレスコ(グレナディン)タイをする」
それだけでモダンにみえるということを彼は体現しています。
もちろん、ウェルドレッサーの俳優はいます。古くはフランクシナトラ、ケーリー・グラント、スティーブ・マックイーン…。
しかし、彼らの着こなしはどこか「映画的」であり、日常生活に落とし込むのはなんだか違う気がするのです。ケーリー・グラントはちょっと違うかもしれませんが、今日的にちょっとだけオールドすぎる気もします…。
また、悲しいことに今の俳優で、この人の着こなしをマネしたい!と思わせる人は見受けられません。
俳優が変わりながらも、いつまでも装いの手本となる007こそ見ておけば、まず間違いなくファッションのセンスは格段に研ぎ澄まされるはずです。
特にビジネスマンであれば、初代のショーンコネリーの「ロシアより愛をこめて」と「ゴールドフィンガー」だけ見ていれば、あとはいうことなしでしょう。
007のようにビスポークを中心とした高価なものだけで装いをまとめることはできません。
しかし、ビスポークでもイージーオーダーで十分綺麗なシルエットは手に入れられます。
とにかく、少しでも彼のような装いに近づこうとする意識こそが装いのレベルアップへとつながるかと思います。
テーラーと靴屋に通えばセンスは身についてくる
別にジェームズ・ボンドでなくてもいいのですが、自分の理想のスタイルを見つけた後は(映画のあのキャラと同じようなスーツを着たいとか)洋服屋にいけばいい話。
出来ればイージーオーダーのあるテーラー、そして靴専門店に通えば、自分の装いというのは洗練されていくと思います。
雑誌をみて毎年毎年カメレオンのように変化をつけるよりも、自分がどういう着こなしをしたいか?
そしてそれは変なのか変じゃないのか客観的に判断してくれる人を見つけるのが大切だと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。