何度もこのサイトでは、Church’s(チャーチ)の靴を紹介してきました。
輝けライフ!はとにかく好きなのがチャーチの靴なのです。
なぜ、このブランドに大きく執着するのか?
その魅力を自分で考えてみるに、いくつかの理由が見えてきます。
・1つのラストを大切にする精神
・いくつかの傑作ラストの存在
・いくつもの名作があり、誕生から70年近く経つものもある。その時の中で磨き上げられた完成されたモデル
・個人的にはとにかく履きやすい。イギリス靴の中でもカカトの抜けが一番無いブランド
などなどが挙がってきますが…
チャーチはイギリス靴で、唯一自社ネームのオリジナル商品を作り続けている希少なブランドともいえます。
例えば、エドワードグリーンのチェルシー、クロケット&ジョーンズのキャベンディッシュなどは1960年代には登場していた古いモデルですが、色々なショップの別注として、靴メーカーの名前が表舞台に立つことはほとんどありませんでした。
それに対し、チャーチも他ブランドや百貨店とのコラボモデルやOEMは多少あるにせよ、定番のモデルを捨てずに、自社商品として大事に1つ1つのモデルを大切にしてきました。
その結果が他のイギリス靴とは一線を画す、商品の重みを生み出しているのだと思っています。
決して私はブランド至上主義ではありません。
単純に1つのモデルに対してかけられた時間の積み重ねに勝てるものはないということを感じるだけなのです。
そんなチャーチには数々の名ラストがあります。
カジュアルな趣になるラスト81。
ラスト81にはRyder(ライダー)、Sahara(サハラ)、Burwood(バーウッド)といった人気モデルがあります。この3つのモデルも、後に紹介するモデルと変わらない人気がありますが、「チャーチの顔」と言われるとちょっと違う気がします。
見た目のボリュームが満点のラスト103には、Shannon(シャノン)という唯一無二のモデルがあります。しかしラスト103を使ったモデルには、他に名作となるモデルはありません。
最近では昨今の時代感を取り入れ、新たなファン層を作ろうと試みたロングノーズのラストのラスト136のモデルもあります。本国のホームページをみると、かなり力を入れていることがわかります。しかしこちらはまだまだ日本では浸透していません。
このように考えると、チャーチの中でも顔となり得るモデルは、やはりラスト73及びラスト173を使ったモデルと考えられるのです。
チャーチに限った話ではなく紳士靴の歴史に燦然と輝くラスト73とその後継であるラスト173。
これらのラストを使ったモデルこそ、チャーチの真髄です。
私も今までいくつものチャーチの靴を手にしてきましたが、結局飽きが来ずに履き続けられるのは、ラスト73とラスト173を使ったモデルです。
今までにこの2つのラストを使った数多のモデルがありましたが、長年ロングセラーとして残っているのはごく僅かです。
逆をいえば、傑作のラストを使った上で、さらに厳選され僅かに残ったモデルを極めてこそ、チャーチの真髄に触れられるような気がするのです。
ラスト73の時代から今なお残っており、一定の人気を保ち続けているチャーチのモデルは以下のものです。
ドドン!
写真左から…
これらの6モデルこそ、チャーチの真髄。
私はこの6モデルのことを勝手に
「チャーチの6傑」
と呼んでいます。
もうこの6モデルの1つでも手にすれば、チャーチとは何たるやというのが感じられるはずです。
ひとつひとつのモデルを見ていきましょう(詳しくはリンク先へどうぞ)
目次
Consul(コンサル)
コンサルはオーソドックスな内羽根ストレートチップの靴。
チャーチの靴を初めて買う人が一番手にするモデルかもしれません。
それは紳士靴の基本であるストレートチップのモデルだからでしょう。
チャーチのカタログをみると、1945年には誕生したようです。
チャーチに限らず、ありとあらゆる靴ブランドの中でもスバ抜けて知名度の高い、内羽根ストレートチップの傑作の1つです。
セミスクエアトウのストレートチップは、着飾りすぎず朴訥とした雰囲気を出しますので、お呼ばれされた場においても、主張すぎることなく足元を支えてくれます。
Diplomat(ディプロマット)
内羽根のセミブローグのモデルです。何度かこのサイトで解説していますが、セミブローグの名作というのは古今東西見渡してもありません。その意味でこのディプロマットは間違いなくセミブローグの名作であり、マスターピースと呼べるモデルです。
ディプロマットとは外交官という意味で、その名にあわせるかのように、会議などの場で華やかさをもたらしつつ、男らしい重厚感を与えてくれる嬉しい1足です。
チョークストライプなどのブリティッシュクラシックなスーツなどに合わせるとそれだけで絵になります。
こちらも1945年には誕生していたようです。メダリオンとパーフォレーションの穴のバランスが絶妙です。
Chetwynd(チェットウィンド)
内羽根のフルブローグの靴です。こちらも大変古くからあるモデルです。
チャーチのチャーチたる由縁はこの靴に秘められているといえるかもしれません。それほどまでにウイングのカーブ、長さ、バランス、メダリオンの大きさなどが完璧です。
いたって普通なのですが、その普通さが他のブランドでは出せません。
究極の普遍性を持ったフルブローグだと思います。
ビジネススタイルからカジュアルスタイルまで幅広く使えるという点が魅力です。
クラシック回帰が謳われる今、ワードローブに加えたい靴です。
なお、コンサル・ディプロマット・チェットウィンドの3モデルはこの6傑の中でも、ひときわ重要なモデルで、当サイトでは「御三家」と呼んでいます。
Grafton(グラフトン)
グラフトンは外羽根のフルブローグの靴です。
カタログによると1973年に誕生したモデルです。ガロッシュブローグとも呼ばれます。
大きく張り出したコバ、トリプルソールとストームウェルト、360°グッドイヤーウェルト製法によって、強靭な靴を実現させています。
甲革には基本的にポリッシュドバインダーカーフが採用され、全天候型のモデルとして売り出されています。
スーツスタイルというよりかは、ジャケパンスタイル以下に合わせやすい靴です。
Westbury(ウェストバリー)
ウェストバリーは大きなバックルが特徴のシングルモンクストラップシューズです。
実は構造上、バックルの調整なしでスポッと履けるシングルモンクスリッポンシューズだということは、あまり知られていないのではないでしょうか。
かといって、バックルはただの飾りではなく、きちんとサイズ調整ができるようになっています。足がむくんでいるときは、多少緩めたりすることもできます。
後述するベケットと比べると、どちらかというとカジュアル向きですが、硬い雰囲気のネイビー無地のスーツに合わせても、バチっと決まる不思議な魅力にあふれる靴です。
輝けライフ!としては、「休日は単純なローファーではなく、こういったシングルモンクスリッポンシューズを合わせたほうがスタイルが決まりますよ~」とイチオシのアイテムです。
Becket(ベケット)
小ぶりなバックルがノーブルな雰囲気を演出する小粋なシングルモンクストラップシューズです。
こちらはウェストバリーと異なり、構造上ストラップの着脱が必要となります。
その分、履き口周りのデザインが変わるのと、控えめなバックルの大きさによってカジュアルな雰囲気は少し影を潜め、よりスーツなどのカチッとしたスタイルに合わせやすい靴となっています。
80年代、このベケットはかなり流行ったようで、フレンチアイビースタイルには必須のアイテムだったようです。
先日、2都市以前のチャーチではウェストバリーは見たことがないといいましたが、一方このベケットは2都市のものを見たことがあるので、古くから存在しているモデルだということがわかります。
個人的にはウェストバリー以上におススメしたいのがこのベケットです。
チャーチをたくさん集めて思うこと
最後に繰り返しになりますが、今まで本当に様々なチャーチを手にした今だからこそ改めて思うのが、結局これらのモデルに最後は帰ってきます。
それだけの素晴らしさを秘めています。
だからこそお伝えしたい。チャーチの靴で何を買おうか迷っているようであれば、これらのモデルの中から選んで後悔は少ないはずです。
参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。