今朝は遅出だったので、たまたまNHKの「あさイチ」をチラッと見たのですが、そこでちょうど革靴のカビ対策の話が出ていました。
そこで目にとまったのが、スエードの靴を雨の日に履かないで欲しい、という紹介でした。
スエードの靴は雨に打たれるとシミになるからやめて欲しいということでした。
革靴好きなら、この程度の情報で全く驚くことはないと思いますが…。
朝の情報番組で堂々と出ていたという点では少々驚きました。
このサイトでは今までに雨対策として、スエードの靴を履くことを推奨してきました。
それに対してスエードの靴は雨の日は履かないで欲しいというのは、いったいどんな理由で語っていたのでしょうか?
その根拠は以下のものでした。
目次
根拠:ヨーロッパと日本では雨の質が違う
ヨーロッパではスエードは「レインシューズ」と親しまれるほど、雨の日に履かれる素材です。しかし、それはあくまでヨーロッパの気候においての話。
ヨーロッパの雨は粒が小さく、日本のように一日中雨が降り続けるということもないようです。
また、空気も乾燥しているので、しばらくすると乾いてくるというのも日本との大きな違いです。
「スエードは日本のように粒の大きい雨にあてられるとシミになる」というようなことも言っていました。
確かにヨーロッパは雨が小粒のところがありますが、一部の地域です。
普通に日本のように強い雨足の地域だってざらにあります。
そんな中で「レインシューズ」として定着するのには、やはりスエードという素材が雨に強いからであるからとしか考えられません。
実際にスエードの靴を大雨の中履いてみました
2018年6月15日(金) 今日はちょうど雨が降っていました。しかもかなり強い雨!
これはチャンス!とスエードの靴を履いてみました。
しかもここぞとばかりに選んだのは、30年以上は前に作られているはずのChurch’sのBuck!
「あさイチ」の理論で行けば、30年以上前に作られたスエードの靴なんて、最も雨の日に履いてはいけない靴なのでは??
しかし、私には自信がありました。だって普通にスエードの靴は雨に強いんですから。
ちょうどメンテナンスをしたのが、3週間前の休みの日にブラッシングと栄養兼防水スプレーをかけただけです。
私はコロニル1909のシュプリームスプレーをメインにスエードの靴はメンテナンスをしています。
コロニル1909シュプリームスプレーはスエードだけでなく、スムースレザーやレザージャケットなど色んな革製品のお手入れにも使えます。栄養を与え、革に潤いとハリをもたらします。さらには防水効果も得られるので、使い勝手の良さに加えて、高い効果を発揮してくれる最強のシューケアグッズの1つだと思っています。
さて、3週間前にメンテナンスをしたスエードの靴は雨の日に履くとどうなるのでしょうか。
スエードが雨の日に活躍する理由
スエードは見た目のまんま起毛している革です。この毛の存在によって、表面積が広くなります。また、毛があるため、革の一番下の部分まで距離ができます。これが人間で言えば髪の毛のような役割を果たし、革の内部まで水が浸透しにくいようになっています。
また、スエード用の栄養スプレーや着色リキッドなどにはフッ素が含まれているものが多く、防水効果をもたらします。このフッ素が毛先にたまっていくので、より水をはじきやすくなるのです。
まずは雨に打たれて間もない状態
水が玉になって弾かれています。簡単にいえば、スエードは髪の毛のような役割を果たし、表面積が広がります。このことによって革の内部へと水分が浸透しにくいのです。
そのため、小雨であればスエードは雨を恐れる必要は全くありません。
反対にスムースレザーの場合、ほんの少しの濡れでも塩吹きや凹染みなどのいわゆる「雨染み」につながっていくので、油断なりません。
大雨に降られた後
さて、途中でかなり雨足が強くなりびちゃびちゃに濡れました。
いくら撥水性がスムースレザーに比べて勝っているといえど、降り続ける大粒の雨の中では濡れていきます。
あさイチでは、この雨染みが残るから履くな、という話だったのですが…?
乾いた後は…
雨に打たれた後は出先だった為、靴を拭くような雑巾などもなく、そのまま過ごしていました。
オフィスでの仕事だったので、しばらく経つと乾きました。
家に着いた後も、特に何事もなく乾いて元通りです。雨染みのひとつもありません。若干色が薄くなった?気のせいだろう、という程度のレベルです。
ブラッシングも乾拭きも何もしていないでこの状態。
これで一体どこが雨に弱いといえるのでしょうか?
スムースレザーであれば、雨染みになっていたのが間違いないところでしたが、スエードはノーダメージで切り抜けることができました。
※なお、輝けライフ!では今までビンテージシューズが雨に打たれるとソールが剥離するという話を何度か紹介していますが、それは個体差によって起きるもの。確立はそこそこ高い気がしますが、私の履いているBuckは今のところ問題なく雨の日も履けています。こればかりは「当たりはずれ」があるということですね。
むしろ雨の日に履くべき!
そして特に何事もなく帰宅。
ひとまずクレープブラシでブラッシングをして…
完全に乾ききった後にスエード用の栄養兼防水スプレーをもう一度すれば完了です。何にも難しいことはありません。
確かにあさイチに限らず、スエードの靴は雨の日に履かないでください。と紹介するメディアもありますが、堂々と宣言しましょう。
スエードの靴はむしろ雨の日にこそ履くべきです!
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このトリッカーズのスエードフルブローグは底もダイナイトソールで履きやすさ抜群ですよ!
シューケアメーカーも堂々と雨靴として推奨しています
M.モゥブレイやイングリッシュギルドクリームを取り扱っていることで有名なシューケア用品会社R&Dの公式サイトにも「雨の日に履く靴のお話」として、スエードの靴は雨の日に履く靴として推奨しているのです。
よろしかったらこのリンク先も併せてご覧ください。
スエードの方がカビが生えやすいという話も水が染みてくるという話もない
ちなみにスエードの靴のほうがカビが発生しやすい、ということもありません。
今日の大雨の中でも靴内部まで水は染みてきませんでした。
スエードの靴は裏革だから水が染みやすいという話をどっかで聞いたことがありますが、そんなことは一切ありません。
長時間大雨の中を歩いていたらズボンの裾から靴下、そして靴下から靴の内部へと水は染み込みます。どんな靴であろうと、その点はほとんど関係がありません。
要するにお手入れしだいという話
ただし、いくらスエードの靴が雨に強いからと言って、お手入れをないがしろにしていたらその効果は薄れてしまいます。
きちんと革に潤いを与え、防水効果を与えることで120%の対防水効果を得ることができるのです。
おそらく、スエードの靴が雨にあたって、色が褪せるから雨に弱いといっているのは、単純に手入れが出来ていないからだと思います。
そんな理由が99%を占めるのではないでしょうか。残りの1%はその靴の質が悪すぎるのかも?
どんなに高価な靴でも手入れを怠れば、3,000円の革靴と変わりありません。きちんと愛情をもって接しましょう!
私が身をもってスエードの靴が雨に強いと実証も出来ました。
あとはしっかりとお手入れをして雨の日を乗り切っていきましょう。
スエードの靴のお手入れがわからないよ、という方にも一発でわかるように、スエードの靴のお手入れ方法も解説しています。
防水効果を最大限高める防水スプレー コロニル カーボンプロ
私が最も防水効果を発揮すると感じるスプレーはコロニルが発売しているカーボンプロという防水スプレーです。
細かい網目状の炭素繊維の膜が張り、水を弾きます。
これが恐ろしいほど水を弾くのですが、靴のクリームは吹きかけた後でも浸透するという優れもの!
普通の表革の靴でもきちんと水を弾くようになるのですが、スエードの靴にかけるとその効果を確実に感じ取れることでしょう。
カーボンプロを吹きかけたスエードの靴は雨の日でも水がしみ込んできにくくなるため、使い勝手は最高です。
カーボンプロとスエードの靴の組み合わせは、雨の日に履く靴として最強の組み合わせです。
ぜひ、ご利用になってみてください!
最後まで読んでいただきありがとうございます。